隕石から糖類が!しかもリボースが!ぐるぐるうづまき(@ guruguruuzumaki)先生の解説

なぜあんまり騒がれてないのかな。 ツイの中に出てくる5年前のまとめ 「はやぶさ2が見つけるかもしれない有機物について」 https://togetter.com/li/753284
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ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

夜のNHKでもニュースになってなかったけど、隕石から糖類、特に「リボース」が見つかったってのは、あんまり話題になってない感じ? 個人的には、遺伝物質に使われる糖類が見つかったってのは大きなニュースって思うんだけどね。 「はやぶさ2」に先んじて、隕石中で発見したって意義はでかいよ。

2019-11-19 23:45:29
ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

宇宙で有機物を発見することの意義についての、5年前のまとめ。 togetter.com/li/753284 ここの4番目でも糖類に触れてるし、「どんな種類の糖が見つかるかってのがキーポイント」って書いてる。今回の東北大の発見はまさにこれ。

2019-11-19 23:51:47
ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

「リボース」ってのは記事中にもあるけど、生命の遺伝物質のうちのRNAを構成する成分なのね。で、RNAの構造ってのはこんな感じ。真ん中の糖の部分がリボースになってるのがRNAの基本単位。これがズラッと長く並んで機能することが多いんよ。 pic.twitter.com/cfdip05Rxs

2019-11-19 23:58:46
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ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

現在の地球上の多くの生命では、DNAの持っている遺伝情報が、RNAに転写されて、その情報をもとにタンパク質に翻訳されて、そのタンパク質がいろんな機能を持つことで、生命活動が起きているのね。

2019-11-20 00:01:36
ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

で、この「DNA→RNA→タンパク質」って情報の流れは、ほとんどの生物で共通なので、「セントラルドグマ」って呼ばれてるの。そう、「15年ぶり」のあのセリフの元ネタね。

2019-11-20 00:01:48
ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

ちなみに、RNAとDNAの違いってのは、大雑把に言うと構成単位中の使っている糖が違うだけなのね(その影響による分子の物理的性質が大きな違いのもとなんだけど、ここでは割愛)。で、その使ってる糖はそれぞれこんな感じ。 リボースの水酸基OHの酸素が1箇所だけ外れてるの。 pic.twitter.com/n1IwyENNh9

2019-11-20 00:06:53
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ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

(リボース[ribose]に、「離れる」を意味する接頭辞の「de」+「酸素」を意味する「oxy」をあわせて「デオキシ」リボース、ね。デオキシリボースを使っている核酸だから、デオキシリボ核酸[Deoxyribo Nucleic Acid]、頭文字をとって「DNA」ね。RNAは[Ribo Nucleic Acid]な。

2019-11-20 00:10:04
ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

で、このリボースが宇宙由来の隕石中に見つかったってことは、宇宙でもRNAができるかも知れない→つまり、地球生物の「セントラルドグマ」のシステムが、地球だけのものじゃなく、宇宙に普遍的な機構である可能性が示唆されるんよ。

2019-11-20 00:14:43
ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

今はまだn=1にすぎない、地球ローカルな学問である「生物学」が、物理や科学と同じ、宇宙に普遍的な学問になる可能性があるってことなんだわ。 そう考えると、今回の発見って、大きな意義を持つものでしょ。

2019-11-20 00:15:08
ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

ま、まだまだ検証せなかんことは山ほどあるけどね。 でも、こういうニュースは楽しいんだ。

2019-11-20 00:15:34
ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

図が… 作り直しましたぬ…ゴメンナサイm(_ _)m pic.twitter.com/uVESedFspW

2019-11-20 00:19:11
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