【すわらない効用】福間健二 #k2fact239

福間健二 @acasaazul

だれと寝るための長い足か。具合わるくなってから片目で考えている。地球、自転で批評を封じる気なのだ。つまり、反射鏡のある市場の外も寒くなってきた。ケースと中身のどちらが大事かわからなくなって見る曇り空の、渡り鳥。どんな南に行ってこんどは何を売るのか。（すわらない効用１）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

胸から上だけを描いた。青く、いくらか礼儀知らずに。でも、それではわからないでしょう。反射鏡の役割も、拾いそこなった恋の行方も。寝るところ、食べもの、「若き人々への言葉」、踊れる音楽。当座の用意はできても、動揺の東京、どういう人たちを大事にしてないか。（すわらない効用２）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

縦と横。前と後。なにかを避けてホッとするが、意識しなかった方向から小石、ガラス片などが集まってきて、すぐに気づく。無意識のうちに、という釘。握りしめたもの。傷つけたもの。赤道について。プリンセスたち、心配したらキリがない。歩いた。火のある場所まで。（すわらない効用３）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

タバコを吸いたかった。この世にいない人。教師、俳優、案内人。ばらまいた影、そんなに大事にされるはずもないが、地域差、もちろん心的に。食べものの心配はない。太陽がいちばん大きく見える一帯について。乾いた川。旧三級品。抗すべき流れをどう読みとるか。（すわらない効用４）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

詩と死。仲よし姉妹のふりしてやってくるものの相手は簡単じゃない。イカのパスタを食べて、赤い道。元道路で番地がないだけじゃない。愛をつくる装置もたいらげた。きみ、資本主義の外延的な「かわいい」の始末もできないのか。コメディエンヌ、失格。でも走る。（すわらない効用５）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

その一帯。停電のなか。もらえるものはもらい、何をまたいでも青が不足する悲しさがきみ。思考するということの危険さがきみ。塩おにぎりと白湯。おいしい。涙が出るほどのごちそうだが、音の壁に目で描く動物は飛ばない。人間のふり。内容をいくつに分けたとしても。（すわらない効用６）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

資本主義、一段また一段と複雑な酔い方を用意しながら、きみを酔わせないさまざまの愚劣さを許して、直線的でも連続的でもないスタイルがきみの夕方だ。そばで人が話している。酒を飲む人。あまり飲まない人。まったく飲まない人。それぞれ、夜をどう処理しているのか。（すわらない効用７）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

夜。その情報ではなく、破裂しそうな管のすべてを。こういう国の、こういういまの、ふるえる唇や睫毛で。反応、あり。盗まれた星の名前をリストにするなど。管理社会、音なしの皿にどう挨拶しろというですのか。やめなよ、きみ。酔っても酔わなくてもの、むりな変奏は。（すわらない効用８）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

思い切って信号機との関係を修復。表面、指さきに吸いつくものとも。電車では、立って揺らぎや閃光とも。すわりたい人。働いて疲れている人。疲れることがこのあとに待っている人。とくにそういうわけでもないけど、とにかくすわりたい人。どうぞ、すわっていいよ。（すわらない効用９）#k2fact239

福間健二 @acasaazul

ある夜は、粘液の足りない二人。立ち飲みの店をハシゴした。ある夜は、悪者の二人。あるいは、ひとり足りないワンダースリー。見える部分と見えない部分をつくる影。いつもなにか足りなかったが、それが問題だったわけでも、とくに足に自信があったわけでもないよ。（すわらない効用10）#k2fact239