評論家・佐高信「東電の昔の社長は偉かった。原発に反対だったから、あえて故郷の福島に設置した」…それって美談なの?

東電社長・会長を務めた、名経営者とされる木川田一隆。今週の『週刊金曜日』で、評論家の佐高信さんが「木川田精神を失った東電の変質」という文章を書かれています。佐高さんによると、木川田は反骨精神の持ち主で、もともと原発に反対。国家の原発独占を危惧し、あえて自分の地元の福島に原発をもってきたのだそうです。いまの東電の経営者に木川田精神はない…と嘆く佐高さん。しかし、ほんとにそれでいいのか?そして東電労組の腐敗をどう考える?
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坂倉昇平@『大人のいじめ』(講談社現代新書)/総合サポートユニオン/NPO法人POSSE @magazine_posse

木川田社長は戦前から国家と敵対することが多かった反骨精神の持ち主で、かつ共産主義者も差別しないリベラリストであることも評価ポイントのよう。だが、一方で原発事故や下請け被曝に対策をせず、地方の開発主義や中小企業・非正規差別を進めていたのも事実。なぜ佐高さんはこの二面性を見逃すのか。

2011-06-05 09:52:59
坂倉昇平@『大人のいじめ』(講談社現代新書)/総合サポートユニオン/NPO法人POSSE @magazine_posse

しかし、かつて正社員の「社畜」批判をしてきた日本の「リベラリスト」が、対案として国家の規制でも、市場規制的な労働運動でもなく…ベンチャー企業などの「リベラル」な経営者、そして会社に支配されない「強い労働者」を対置してきた経緯を思い起こせば、納得がいく。

2011-06-05 09:56:53
坂倉昇平@『大人のいじめ』(講談社現代新書)/総合サポートユニオン/NPO法人POSSE @magazine_posse

濱口桂一郎氏が『POSSE』のブラック企業特集で指摘したように、日本の「リベラリスト」は労働や貧困問題に対し、国家や労働組合のソーシャルな規制ではなく、国や企業の支配から自由な「強い個人」を主張し、新自由主義に接近していった。最近の格差問題を経ても、その本質は変わらなかったのか…

2011-06-05 10:02:58
坂倉昇平@『大人のいじめ』(講談社現代新書)/総合サポートユニオン/NPO法人POSSE @magazine_posse

一方、原発事故が露呈した非正規雇用・中小企業差別に対し、木下武男さんは産業別労働組合の市場規制―ユニオニズムを主張し、濱口桂一郎さんはメンバーシップ型の労働運動を指摘。その議論は『POSSE』11号をめぐってもされており、勉強になる。 http://goo.gl/VQZk5

2011-06-05 10:08:28