エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~7世代目・その7~

白の錬金術師の反撃がはじま…はじま… ハッシュタグは「#えるどれ」。適宜トールキンネタトークにでもどうぞ
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まとめ 【目次】エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話(#えるどれ) 人間とエルフって寿命が違うじゃん。 だから女エルフの奴隷を代々受け継いでいる家系があるといいよね。 という大長編ヨタ話の目次です。 Wikiを作ってもらいました! https://wikiwiki.jp/elf-dr/ 21950 pv 167 2 users

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まとめ エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~7世代目・その6~ 何とか7代目の話も終わりに近づいて…終わる? ハッシュタグは「#えるどれ」。適宜トールキンネタトークにでもどうぞ 6861 pv 4

以下本編

帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ この物語はエルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系のウハウハドスケベご都合ファンタジー。 でも待って。代々受け継ぐってことはエルフはもういい年じゃん。 いくら永遠に老いも衰えも知らないと言ってもみんなたちが好きなのはピチピチ未成年の少女でしょ。 だからニューヒロインでいこ。

2019-12-27 20:54:40
帽子男 @alkali_acid

つかさあ。エルフは基本皆ジジババなんすよ!子供そんな人間みたく勢いよくできねえから!だいたいジジババ、 はいそういう訳でね。 人間。ピチピチ美少女が欲しければ人間ですよ。 ヒロイン変更。人間にしよ。 どんな子がいいかな。短髪活発系かな!運動が得意な子が良い!ね!ピチピチっぽい!

2019-12-27 20:57:24
帽子男 @alkali_acid

でもさファンタジーだからやっぱ陸上やってる女子学生とかよりもこう、ファンタジーっぽい職業がいいね。 姫騎士。 姫騎士だよやっぱりさああ!男の夢は姫騎士! ロリ姫騎士がムフフな展開になる話でいこ。

2019-12-27 20:58:30
帽子男 @alkali_acid

名前はデルーヘナ。貴族っぽいでしょ。 出身地は姫騎士が育つにふさわしく騎馬の国。 そこらじゅうに野馬が走り回る広大な平原。 もともと「半丈」と呼ばれる、あまり風采の上がらない小柄な先住の民が暮らしていたが、北から来た高身長イケメンイケジョに追い払われた。なので美男美女ばかり。

2019-12-27 21:02:19
帽子男 @alkali_acid

デルーヘナはイケメンイケジョそろいの国でもひときわ尊き血筋、王家の一員として生まれた。 王の姪です。 非常な難産であり、出産に際しては母親は、わざわざ国の西端、牙の砦に住む癒しの技に長けた魔法使いのもとでつきっきりの看護を受けたほど。

2019-12-27 21:06:45
帽子男 @alkali_acid

しかしそれでも、悲しいことに産褥の床で母親は返らぬ人となった。 まあ問題ない。貴人というのは通常、乳母(めのと)が世話をするから。 デルーヘナは、牙の砦の魔法使いがつけてよこした銀髪白皙美貌ついでに巨乳の婦人のもとですくすくと大きくなった。

2019-12-27 21:11:08
帽子男 @alkali_acid

姫騎士なので清楚で可憐。かつ凌辱向きの誇り高い性格。 小さい頃の逸話をひとつ紹介しよう。 やっぱ動物とのほっこりする触れ合いがいいかな。 デルーヘナ三歳の時。暴れ牛が都の大通りを突進してきたことがある。そう、田舎なんだ騎馬の国は。大の男でさえとうてい手がつけかねる巨きな雄だった。

2019-12-27 21:14:13
帽子男 @alkali_acid

しかも角にはなんと、人間の住むべき土地から消え失せたはずの卑しい「半丈」の小娘がしがみついていた。いったい何がどうなっているのやら。 とにかく半丈のせいで、暴れ牛の興奮は収まるどころか増すばかり。勇敢な王の騎士の到着を待つしかないと思えたが、それまでにいったいどれだけの被害が。

2019-12-27 21:16:41
帽子男 @alkali_acid

幼児がちょこちょこと猛獣の針路に立ちふさがったのだ。 牛は当然むかつき突撃する。重さと大きさの差たるや。 子供のやわらかな骨肉など一瞬でぺしゃんこになってしまう。 皆が息を呑んだ刹那、おちびちゃんは迫りくる雄の鼻面を拳で殴りつけた。 いやまじである。まじ。

2019-12-27 21:18:01
帽子男 @alkali_acid

これはご都合ファンタジーなので、暴れ牛は明らかに質量も慣性を無視して跳ね飛び、ごろごろと転がってぴくりともしなかった。即死である。 半丈の娘は驚くべき身ごなしの軽さで着地し、目をぱちくりさせた。 「どうなってるんだ?」 都の大通りにいた全員が同じ思いだった。

2019-12-27 21:20:55
帽子男 @alkali_acid

デルーヘナは動かなくなった牛をじーっと見てから、鼻を鳴らしてとてとてとまた宮殿の方へ歩いて行った。 「ねえおちびさん。助けてくれてありがとう。私アドク。西方語が上手でしょ?お礼をさせてよ。名前だけでも教えて」 「でうーへあ」 「デウーヘア?」 「ふん!」

2019-12-27 21:22:55
帽子男 @alkali_acid

デルーヘナはちょくちょく城を抜け出しては町へ出たり、牧へ出たりして好き放題していた。淑女としての教育は右から左である。たいてい城壁の外では半丈のアドクと落ち合う。 「今日は何する?」 「剣のけいこ」 「相手になる!」 「ふん!」

2019-12-27 21:24:30
帽子男 @alkali_acid

アドクは悪くない練習役だった。力はないが人間には追い付けないほど素早い。小鬼よりもだ。妖精に並ぶかもしれない。 だが妖精が戦を好むのに対し、半丈はたいてい逃げ足にしか敏捷さを生かさない。剣の稽古につきあうものなどほとんどいない。

2019-12-27 21:26:13
帽子男 @alkali_acid

アドクは変わっていた。同族の大半は住む土地を奪われ、白き峰々と霧けぶる峰々のあいだに開ける谷を抜けて寂し野のかなたへ去ったというのに、ひとり居残っているのだから確かにおかしい。 おまけにデルーヘナが気に入ったようで、どこへ行くにも従者として付き従い、あれこれ世話をした。

2019-12-27 21:28:39
帽子男 @alkali_acid

「今日は何をしましたか」 乳母がにこやかに訊ねると、幼い姫は乳粥を匙で掬いながら、ぶっきらぼうに応える。 「アドクと剣のけいこ」 「まあそれはよかったこと。白の錬金術師もお喜びになります」 「ふん!」 「あなたを強く健やかに育つようにしてくださった、この世で最も賢く立派な方ですよ」

2019-12-27 21:30:48
帽子男 @alkali_acid

デルーヘナは乳母の話はいつも適当に受け流している。 ただ白の錬金術師の評判は騎馬の国では方々で聞こえた。あるものは聖者といい、あるものは悪漢といった。一つはっきりしているのは、誰も彼もが、牙の砦の主を気にしているということだ。ひょっとしたら王よりも。

2019-12-27 21:34:24
帽子男 @alkali_acid

「兄上。白の錬金術師ってどんなやつ」 たまに会う一番親しい兄に尋ねるとばっさり。 「悪しきものだ。妖しの技をあまた用い、我等北朝の裔たる民草のみならず武門の気骨まで蝕もうとしている」 「強いの」 「魔法使いだ。剣槍を持たせてもまともに振るえぬだろうが、術を操れば手に負えぬ」

2019-12-27 21:39:13
帽子男 @alkali_acid

あとで知ったのだが、兄が腹を立てているのは、どうやら将来は有望な騎士となるはずだった少年が、鎧兜を捨てて白の錬金術師に弟子入りしてしまったかららしかった。 グランといって、血筋は王家から遠いが、兄と同年代では乗馬の技で並ぶものがなかったらしい。

2019-12-27 21:42:57
帽子男 @alkali_acid

騎馬の国の貴顕は、年の近い男子が固まって過ごす。 兄にとっては競うべき英才が急にいなくなったのが惜しいようだ。 「でも…グラン様は弓馬ばかりか学問にも天稟がおありです。白の錬金術師のもとで修業なされば一角の博識となられましょう。騎馬の国にも、牙の砦にも得難い方に」

2019-12-27 21:45:50
帽子男 @alkali_acid

乳母は穏やかに語ったが、デルーヘナはつまらなそうな表情だ。 「じゃあグランってやつはもう強くならないのか」 「賢くなられるのです」 「ふん」

2019-12-27 21:47:03
帽子男 @alkali_acid

デルーヘナはアドクとともに街に野に牧に遊び、退屈してくると騎士や従者を棍棒で襲った。いわゆる野試合を挑む訳である。 常に勝った。いかなる大の男にも一太刀も打ち込ませず勝利した。打たれたところで堪えもしなかったが。 たまりかねて王家に苦情が伝わり、兄が窘めた。

2019-12-27 21:49:20
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