茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2424回「ゴーンさんが打ち砕いた、司法はお上であるという幻想」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２４２４回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ゴーンさんのことについていろいろ考えているんだけれども、脱出劇の詳細が明らかになるにつれて、まるで映画のようというか、きっと映画化されるんだろうけれども、現実はフィクションよりもすごいなあと思う。それで思うのは、日本では、司法は「お上」だと思っているんじゃないかということだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ゴーンさんの逃走をどう評価するかは別として、掲示被告人は、基本的に従順で、お白州につれてこられたら、ははあ、と恐れ入る、恐れ入るべきだ、というような思い込みが日本の社会、特に司法とメディアにあるような気がする。しかし、それは幻想、フィクションに過ぎない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の官僚機構には無謬性の幻想があって、その割には東大を出て中央官庁に入ってエリートがシュレッダーで書類を破棄しているわけだけど、同じように司法も無謬である、だから恐れいってははあ、とひれ伏すべきだ、みたいなモデルをゴーンさんにも当てはめているような気がする。

茂木健一郎 @kenichiromogi

大岡越前や鬼平犯科帳でさえ、もう少し人の心の機微を描いているし、水戸黄門だと、最後に印籠を見せられても、「もはやこれまで」と御老公さまに切りかかっていく悪者もいる。もちろん最後は取り押さえられてしまうわけだけれども、時代劇でさえ、被疑者はおそれいってひれ伏すだけではない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

日本のメディアの「○○容疑者」から「○○被告」、そして「○○受刑者」への馴れ合い集団護送方式は、結局、司法＝お上は間違わない、司法のお縄ちょうだいの悪者はおそれいってひれ伏すべきだ、という幻想から来ているように思う。ゴーンさんの一件は、そのような幻想を打ち砕いてしまった。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート２４２４回「ゴーンさんが打ち砕いた、司法はお上であるという幻想」をテーマに、５つのツイートをお届けしました。