虚実には全体の虚実というものがあって、明将(兵法に明るい将)は実、闇将(残念な将軍)は虚という言い方ができます。有利なところをこっちから攻めてやる必要はないですよね。弱点を突くのが有利に決まっています。だけど、状況は刻々と変化しているので、明闇とおりに虚実が決まるとも限りません
2019-05-19 22:29:33これを臨時の虚実といいます。虚実の移り変わりは正に環の端がなきがごとし。これが虚だ!これが実だ!は循環も変化も虚実も分かっていないということになってしまいます。実も虚になることがあるし、虚も実になることをゆめゆめ忘れるな、とのこと。
2019-05-19 22:29:34敵わない敵が目の前に現れた時、まずは自軍の本体を実にすることが大切、具体的には明将をつけて守りを固めるのも実。逆に、敵が守りの実ならば虚を攻めに行くのが上策。見方も相手もそうやって指示ができれば軍法としては最高だよね。
2019-05-19 22:29:34曹操がこの虚実篇に「能く彼己を虚実にするなり」と注を入れています。彼は敵でも己は見方。敵味方を自在に虚実実虚虚実実虚できれば何にも悩むことありませんよー。そういう点を『李衛公問対』は「孫子の中でも虚実篇に敵うものはない!」と言っている訳です。すべてが自由自在になる虚実論
2019-05-19 22:29:34凡そ先に戦地に処(お)りて敵を待つ者は佚す、後に戦地に処りて戦に趨区者は労す 戦地というのは戦って勝利をえるべき地形なり!(かっこいい!)要は敵より早く先回り、陣を構えて待ち受けるのが基本。先回りできれば相手が攻めてくるまでゆっくり休める(佚)のだから、先回りは重要。
2019-05-19 22:36:39戦争で大事なのは移動ですから、何万という兵士が一気に移動するなか先回りを成功させる重要さを考えると、簡単なことではないですね。早く決めないとですけど。止まっている場合じゃない。
2019-05-19 22:36:40待ち構えていれば相手がどんなに守りに入っても恐れることはないですもんね。あそこを守るなら、手薄なこちらを。こちらを責めるつもりなら、見えない影から突撃ー!の方がいいですもん。これが虚実思いの儘というわけですか、面白いですね。
2019-05-19 22:39:23心さわがしければ目も見えぬ、はとてもよく分かります。そういう余裕を持つためにも継続と先回り。強靭な心を育もうと鼻息あらく前進するより、心を落ち着かせる方が先回りもできて視野も広くなって、いいことづくしです。やはり先回り大事です。
2019-05-19 22:42:34後処戦地とは戦いの中、利のある場所を取られたところを後から陣取ること。趨戦とは行きがけに合戦をすること。労すは骨折り、味方は疲れを消化できていない状態なので、配備も準備も手が回らない。 つまり、先回りができず、疲弊して、注意力散漫状態。敵が来ても合図に答えることもできない、ピンチ
2020-01-23 20:28:33是畢竟主客の勢というものがあって、先に場所を取るのを主、後からくるものを客、分かりやすく言うと、主は亭主、客は客人。主人は家のことをよく知っているから冷静だけど、客人はソワソワ。
2020-01-23 20:28:35この場場合、明暗的虚実の分け方をするので、主は実、客は虚。この境目が分かれば判断つきます。分かりやすいですね、勉強になります。
2020-01-23 20:28:36「待敵」とあるから軍は動き回るより、とにかく待つ方がいいんじゃない?て言う人も多いけど、これは陰陽の通りに従えば待つ方に利があるかもね、っていうだけで、結局勝敗が決まるときは合戦になるわけだし、大体勝ちを得たいとき人は勢いづくし、それすら見定めできないときはひっちゃかめっちゃかで
2020-01-23 20:52:37最終的には武勇だけで押し切ろうとすることが大半なんです。こんな敵を相手にするとき、待つ姿勢なのは老将の功。 ここで!陰陽わけ。 懸は陽、待は陰。 どちらが欠けてもいけないのだから、一片に拘る必要なし。
2020-01-23 20:52:38わあ、ここの文すごいなあ。かっこいいから、そのまま。 「孫子が本文のこころは、其の主意、先処戦地と後処戦地との分かちにありて主客労佚の勢を第一に説きたり。われ先に場を取れば、手前にせわしきことなきゆえ、ゆるゆると敵の虚を察して、懸りてなりとも待ちてなりとも、心の儘になることなり。
2020-01-23 20:52:39此の心持を本文に待つと云いたるなれば、待軍とばかり心得べからず。懸るも待つも皆待つなりと心得べし。畢竟この待と云う字の神理は、下の文の致人と云うにて、よくよく神悟すべきことなり」
2020-01-23 20:52:39後処戦地の自覚ありきで考えるんですけど、3日前に喉の痛みがあって、2日前に頭痛があって、昨夜肩の痛みがあって、今朝首が回らないのは、何か対処できたよなー。全部1日で治ってるから移動してるんだよね。体は宿主だから、もっと余裕あれば良かったんだねー。
2020-01-24 09:34:40数年前なので誰から聞いたのか忘れてしまったのですが、鍼灸師は勘で治療できてしまう。この勘をいかに説明できるか、自分で理解しているのか、これが学習次第だと言われて、ああ、確かに、と当時は納得しました。患者さんに「なぜ?」と聞かれて、「勘で」なんて答えられない。
2020-01-24 09:38:49これが昨日言った「老将の功」なのかな、と。待つ姿勢なのは、勘が色んな経験を元に研ぎ澄まされているから、はたから見れば待っているようだけど、それは経験ありき、知識ありき。最高の攻めとも言えるんじゃ。お。なんか見えてきた。
2020-01-24 09:42:38「故に善く戦う者は人を致して、人に致されず。」 前の文を受けた、ここまでが虚実の「神理」を説いていると徂徠先生。私たち鍼灸師は「神」が何かを考えていますが、孫子的「神理」はここにあるらしいです。必見。
2020-01-24 10:06:26