@FeZn氏、本のカバー(ジャケット)と帯について語る

我々は本のカバー(ジャケット)と帯にいかにして向き合うべきか。編集者でもある @FeZn 氏が「ちょっと言いたいこと」を我々の前に開陳してくれました。
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FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

ブックカバー周辺には言いたいことが沢山ある。ちょっとだけ。

2011-06-09 07:11:18
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

日本で慣例的に「カバー」と呼ばれる、書籍の構成要素。これは英語だと「ジャケット」だよね。いや、別に揃えよというわけではないんだ。現代日本語における語義はこっちだ、で良いんだから。問題はスタッフ一覧の英語表示まで「カバーデザイン」を「Cover Design」にしてる事例。(続く

2011-06-09 07:14:56
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)そこは Jacket designed by とかにすべきではないんかね。と思うわけだ。綴りや語法に自信は無い。ん。そもそも装丁に対応する英語がある訳だが詳しく調べ直す手間暇無いから取り敢えず。

2011-06-09 07:21:50
當山日出夫 @htoym

@FeZn このごろの図書館では、「カバー」まできちんとかけた状態で、収蔵してくれるようになりましたね。以前は、基本的に、全部とってしまう方式でしたが。どっちがいいのだろうか。

2011-06-09 07:16:52
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

@htoym 特に漫画に顕著ですが、本のイメージ形成・統一や購買意欲促進は「カバー」でおこない、外すと全く違う仕掛けになっているものが多くあります。そのため僕の視点からは「外すという一択方式は、まず却下」です。尤もコートしてしまえば下は見えなくなりますが、保存はされますし。

2011-06-09 07:28:16
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)流通時の「カバー」は元来 dust wrapper として登場したものだと本の本は言う。それがいつしか、コート紙とかに購買意欲喚起のための多色印刷を施すようになったとも。ジャケットを外した状態が本の正体ならば、ブックデザインの仕事は、そこを顔としておこなうべきか?(続く

2011-06-09 07:33:06
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)流通時の誇り除けは購入されたら破棄される前提、とするとやはりジャケット無しが本の正装なのだろう。人間でいうならジャケットでなくコートに相当するか。革装や布クロス装の本は、比較的その意味や姿を保っている。一般ハードカバーは最近危うい。ソフトカバーは尚更だ。(続く)

2011-06-09 07:37:08
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)文庫本などの装画はジャケットに印刷され、本来の表紙はレーベル共通のデザインが施されているのみだったり(新潮文庫のアレは結構好きだ←個人的嗜好)。あるいは単色に落とした装画とか、文字のみとか。←ハードカバーに於いても。←それが凄く恰好良い作例もある。(続く

2011-06-09 07:44:27
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)まあ、ジャケット外して恰好良い造本ってのは、大抵は高名な装幀家の手になるものだ。高名な人がやるから恰好良いんでなくて、恰好良い造本するから結果的に高名になるんだ。そういう人は大抵は智識も深いし。えーと例外の話は今はしない。(続く

2011-06-09 07:47:53
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)漫画や、購買ターゲットがそれに近い本でよく見られる(と感じる)のは、四色や五色印刷・箔押しなど施したジャケットを外すと、本の素顔たる表紙には気軽なテイストの線画による別イラストがあったりする例だ。場合によってはオマケ漫画や設定資料があったり。このへんに楽しさと問題が。(続く

2011-06-09 07:55:07
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)漫画本の本体表紙に、ジャケット用の四色印刷用原画とは別に単色(墨とは限らない)の線画を描き下ろすのは素敵だ。そうでないものが駄目とは言わないが。あと僕の観察範囲では、ジャケット原画を単色に落とす・スクリーンをかけて加工する、などがある。しかしどちらも、(続く

2011-06-09 07:59:42
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)ジャケットの下の本の素顔を簡略あるいは見えづらいものとするのは、もはやジャケットがダストカバーではなく新しい「本の素顔」として通用していることを意味しているのだろう。コートの比喩ではなく、人間と同じ「ジャケット」になったわけだ。着て居てこそ、正装だ。(続く

2011-06-09 08:03:08
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)今より智識の浅かった頃……今でも浅いがそれはさておき、ジャケットを取った下の表紙がスクリーン処理された絵や写真のみ、あるいはオマケ漫画などに占拠されタイトルしか無い状態は看過し難い、と思っていた。でも原理主義的に考えれば、タイトルは背表紙に入っていれば充分なのだよね。(続く

2011-06-09 08:06:24
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)正装たる本のジャケットを取ると全く異なるイメージが出てくるというのは、本が持つ三次元のマテリアルとしての価値だ。しかも普通にページを繰るだけでは到達しない、隠しページ的なギミックであり、楽しい。←個人の感想であり万人に効能を保証するものではありません。(続く

2011-06-09 08:10:05
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)図書館によっては、書籍を収蔵時にダストカバーたるジャケットを破棄してしてしまう所が多い、あるいは多かった。管理上の問題で。ジャケットごとビニールコートしてしまえば良いのに、と思ったものだ。多数の手が触れる所なら一層、防汚効果あるし、巷間知られた書影と一致するし。(続く

2011-06-09 08:13:46
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)カバーを省く、残す。どちらの態度が図書館にとって取るべきものかは一言では回答しづらい。僕が思うに、ダストカバーの過ぎぬものは省いても致し方なかろうが、正装としてのジャケット化したものを棄てるのは、本の持つ重要な情報を棄てる事に他ならない、と言えるのではあるまいか。(続く

2011-06-09 08:16:57
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)図書館でジャケットの上からビーコート(←商標だっけ?)などで貼られた本は、ジャケット下の表紙素顔を閲覧できなくなる。但し破棄してしまった場合と異なり情報は保持されるので、後から調査する事が可能になる。この点を以って、ジャケットごと保存は有用だろう。(続く

2011-06-09 08:20:17
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)ただ然し保管上の諸々の問題もある。そのため、この問題については結局、先程書いたように「正装を保管する」態度で良いのでは無かろうか。(続く

2011-06-09 08:22:26
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)そして漫画図書館がジャケットを破棄するのは論外中の論外。(続く

2011-06-09 08:23:10
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)ジャケットを含めて、 更には帯をも含めて、安全かつ恒久的に、貼ってしまわず保管する方法が有れば良いのだけれど。(続く

2011-06-09 08:24:33
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)余談が長くなった。言いたい事はまだまだある。独り言みたいなもんだが。(続く

2011-06-09 08:25:17
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)昨今の所謂ブックデザインに於いては、帯も含めて一人がトータルにデザインすることが増えているようだ(デザイン関連の書物によって書いてあることは違う)。そうであってもそうでなくても、「帯を取ったら間抜けな意匠になる表紙」が市井に氾濫していることに苛々とする僕だ。(続く

2011-06-09 08:29:05
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)帯と纏めてデザインすることで、美しく、かつ購買意欲を煽るものが出来る。それは良し。帯を外すと表紙の下エリア三分の一に何もないような間抜けなデザインを、デザイナーと称する人が何故創れるのか不思議でならない。彼らの中では帯は正装の一部なのだろう。販売上は確かにそうだ。が、(続く

2011-06-09 08:34:31
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)いまのところ、本のライフサイクルに於いて、帯が正装の一部となったとは言い難いと僕は考える。例外的作品はあるがあくまでも例外。本のライフサイクルの中で、帯は購入時に外されたり、書店で破損し取り払われたり、古書店で外されたり、まあとにかく一体として扱われていない。(続く

2011-06-09 08:37:42
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

続き)仕方ないんだ、と言う人が居るかもしれないが、書店に入って実例を調べてみれば分かる。帯が有っても無くてもキチンとした佇まいの装幀というものは、ある。横組みした著者名が宙に浮き、その下の余白が文字通り余白になっている表紙は寂しい。(続く

2011-06-09 08:42:55
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