パニックから考える抑制することについて
発達障害のある子たちは、様々な原因でいわゆる「パニック」となってしまう。奇声を発したり、頭を壁に打ち付けたり、自分の手を噛んだり・・・制御できない一連の行動様式である。
2011-06-11 06:17:40パニックの原因は、こどもによって少しずつ異なるが、発達とともにその原因も変化することに気づく。幼少期は主に感覚過敏に基づく不快感、学童期は主に状況の変化による不安、思春期以降は対人関係によるストレス、といったように変わっていく。昔はこんなことなかったのに・・・という相談は多い。
2011-06-11 06:20:51パニックの減少は、不快感や不安の減少とも言えるが、抑制コントロールの向上とも捉えられる。発達障害をもつ場合、この抑制する能力のアンバランスさが10歳以降になると見えてくる。
2011-06-11 06:23:1410歳前後になると、周囲と他者との相違への気づき、どう見られているかという客観視の発達により、本来純粋に感じたり考えたりした内容を、「これを言ったらヘンに思われるかな」と発言を抑制するようになってくる。しかし、特にアスペルガータイプの場合、これが過剰に抑制される場合がある。
2011-06-11 06:25:31アスペルガータイプの場合、周囲の視線がきつく感じられ、「自分はヘンなやつって思われている」というネガティヴな認知が優勢になることが多く、やりたいこと言いたいことを過剰に抑制することでその場をしのぐことが頻繁である。過剰抑制のなれの果て、それが不登校、ひきこもりである。
2011-06-11 06:28:13一方で、自分は受け入れられている、と感じると抑制は過少となり、一方的な言辞、声量調節不全、などで元気が良すぎるような状態に映ることもしばしば見受けられる。この抑制するバランスの不均衡さがあるために、非常に疲れやすいと表現したり一日グッタリしていることもある。
2011-06-11 06:31:31過剰に抑制された状態が長引くと、自己評価は低下していく。「どうせ、おれはヘンな奴で使えないよ」・・・この様な状態に陥らせたのは誰だ、という怒りも同時に募らせながら。そして、思春期を迎え、しびれを切らした親が叱責すると、募らせた怒りが過剰抑制のカギをこじ開ける。それが家庭内暴力。
2011-06-11 06:34:53育児において、良い点をほめる、というフレーズはたくさん出てくるが、その褒め方についてはどうだろうか?発達段階を踏まえた、その時期に応じた褒め方というのがあるはず。幼少期は自分で成し遂げられることに対する評価で自信がつく。「増えていくことの喜び」であるから、できたらほめる、となる。
2011-06-11 06:38:51小学校高学年~思春期において、「できたら」ほめるだけではどうだろうか?私は、「辛抱したら、ちょっとこらえたら」評価する、称える、に少しづつシフトしていく必要があるだろうと思う。本人の成長と発達に合わせて、視点を少しづつ変えていく、親の観察力も同時に育んでいけるとよいでしょう。
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