2020 FGOいみじかりしバレンタインの清少納言が最高すぎたので出来たまとめ

タイトルの通りです。妄想、こじつけ、勝手な解釈、その他多数のネタバレを含みます。
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 紫式部は清少納言が宮中を去ってから入内したため、二人は会ったことがないというのが通説ですが、彼女には藤原道長と結婚した源倫子付きの女房として一時期出仕したことがあるのではないか、「もしかしたら清少納言と紫式部は宮中で顔を合わせたことがあるのでは?」という話があり、FGOではその説が採用されているみたいです。
 イベント内で紫式部は清少納言を「あの方は私なんかきっと見なかった…(当時はまだ何も書いてなかったし)」という旨のことを愚痴り、一方で清少納言は「宮中で綺麗な文学少女っぽい子を見かけたことがあって、友達になりたかったけど結局それっきりになった」、紫式部日記については「ツンデレ」と評しており(マイルームでの会話)、二人のすれ違いというか、紫式部の独り相撲がものすごいんですよね…。

ミケ太郎 @bokumike

そういえば、なぎこさんが「恨んで、怨んで、いつ化生に代わってもおかしくなかった」って発言してたの、もしかして、悲しい記憶を塗りつぶすために「枕草子」を綴り、定子さまの鎮魂のために「清少納言」としてのすべてを捧げていなければ、清少納言は魔神柱になってた案件だったんだろうか…

2020-02-20 00:44:23

 今回のラスボスの「ロクジョウ(嫉妬に駆られて生霊を飛ばして人を呪い殺した女)」は邪悪な清少納言の姿をしていて、しかもそれは「あなたがずっと思い描いていた清少納言よ」と言い、「紫式部が望んだ清少納言は紫式部に嫌がらせをしてくる悪意に満ちた存在だった」ことが露呈しました。
 本物の清少納言は「かおるっちにはあたしちゃんがこう見えてたのね」と笑い、ロクジョウに定子さまを追い去ったすべてを呪う資格があるはずだろうと指摘されても、「かもね」と呟き、清少納言は枕草子を書き上げたことでその役目を終えたのだと告白します。そして、本来は英霊にすらなれなかったはずなのに、怨念で凝り固まった自分の幻を前に固有結界を張り、「世界を塗りつぶせ、枕草子」と宝具を発動させました。

 戦いを忘れるほどの郷愁に取り込まれた相手は、清少納言の攻撃を避けられない。ロクジョウは「この景色は、この感傷は、あたしにとって毒でしかない」と断じた上で、「最後までやりましょう」と笑顔で戦いを挑み、負けても、「楽だったけど、何かにむかついたままなのは意外とつまんなかった」と言って消えていく。
 本物の清少納言も偽物の清少納言も、二人とも、なんて「清」々しいのでしょう。

ミケ太郎 @bokumike

枕草子、全部が全部、定子さまのことを思って書いた文ではなくても、四季のそれぞれの素晴らしさから書き始めたことについて、もし「定子さまと一緒にいた時はいつでも全てがキラキラして見えた」みたいなフィルターかかってたら泣くよね

2020-02-18 20:30:43
ミケ太郎 @bokumike

そういえば平安時代の家のインテリアは御簾や屏風で仕切ったりしてた程度だったので、気密性が低くて、実質外気と同じ室温だったから、冬は歯の根も合わないほど寒かったって聞いて、そりゃ枕草子で春夏秋は風景を褒めてた清少納言も冬はあったかいのサイコー!ってなるわなと思った

2019-07-05 01:44:45
ミケ太郎 @bokumike

なぎこさん、もとい清少納言が紫式部に初見でいきなり悪口言われて「マッジありえない」とか叫ばれても、陰でコソコソ言われるよりそういうストレートな方が好きって受け流してるの、平安の宮中がいかに陰湿でストレスフルな環境だったかを窺わせるようで、深く考えるとやっぱ泣いちゃうな

2020-02-18 23:08:33

枕草子について
 教科書に載ってるので誰でも通ったと思いますが、枕草子は「春はあけぼの」から始まる四季ごとのイチオシ風景の描写だけでなく、清少納言が仕えていた定子さま(一条天皇のお后様)とのエピソードや、宮中での珍事、又は「こういうの超萌えるよね」的な、ちょっと性癖としてそれどうなの?って思うようなことまで素直に書き綴った面白エッセイです。
 中には、セクハラを受けた話(逢坂の関など)や、「自分のためにオシャレをする女子の姿」が少なくとも千年前からすでに存在していたことを示す記述が見られ、「女がオシャレするのは、自分のモチベーション上げるためのこともあって、全部が全部別に男のためじゃないから」という現代女子が抱えがちな悩みも、これを読むとすっきりする方もいるんじゃないでしょうか。(約束した男を待つくだりは、文脈的に自分がめかしこんだことと繋がっているようには読み取れないので)

ミケ太郎 @bokumike

女が身綺麗にするのは男のためじゃねーよバーカ!っていう攻めの姿勢にたじろいだ男性もいるのかもしれないけど、清少納言が「心ときめきするもの」に「髪を洗って化粧をして、香の薫りがしみた着物を着るのって特に見てくれる人がいなくても心がときめく」って言ってるから、千年前からそうみたいだよ

2016-09-08 04:05:22
ミケ太郎 @bokumike

←意訳。原文→(「かしら洗ひ化粧じて、かうばしうしみたる衣など着たる。ことに見る人なき所にても、心のうちはなほいとをかし」 千年前から女性にとっては、あるあるだったのかもしれないね。

2016-09-08 04:06:44

 ↑ちなみに、このツイートも発端は、自分へのご褒美としてネイルに力を入れたら、同僚の男性から「そういうのって男受けしないよ」と馬鹿にされて、とても腹を立てた女性の呟きに対する空リプでした。色んな人から同意もされたけど、すごい勢いで拡散されてRT先などでめたくそに叩かれたりもした思い出のツイートです。

ミケ太郎 @bokumike

枕草子の「憎きもの」の段に蚊を挙げて、「眠くて床に臥している時に、蚊が細い声で鳴きながら顔の辺りを飛び回っていること。蚊は小さいくせに、羽風をしっかりと送ってくる、超憎い(意訳)」ってあるから千年前から蚊は人類の敵

2016-09-10 01:31:32
ミケ太郎 @bokumike

枕草子の「にくきもの」にはアルハラや酔っ払いに対する「マジでキモいんですけど」が書いてあるのだ

2020-02-10 20:18:07

 どんなにニッチな内容でも好きなものを「好き」ってきちんと言語化すると同意してくれる人がいること、推しのことは全力ですみずみまでその素晴らしさを語りつくすこと、悲しいことはあまり書かないこと、でもムカついたことは素直に発散させるところなどには、例え千年経とうと人間には変わらない部分があるんだなあという面白さや皮肉も感じられます。
 作家の人格と作品はイコールではないという人もいますが、自分は枕草子と、これを綴った清少納言の人間性が大好きです。