茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2467回「ヒットの本来は、突発的なものであって、単純接触効果のヒットは一段も二段も落ちる」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2467回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2020-02-20 08:00:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

ヒットには、突発的に生まれるヒットと、仕掛けるヒットがある。コマーシャルとタイアップしたり、ドラマの主題歌になったりするヒットは、単純接触効果で好感度が増していくから、ある意味では計算できるヒットだといえる。

2020-02-20 08:01:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

一方、どこから来たのかわからないままに突発的に生まれてヒットするものもあって、こっちの方が価値が高い。単位時間あたりの突発的ヒットが多い時代は、元気な時代だと言える。昭和の高度経済成長期を振り返ると、そのような突発的ヒットがたくさんあったように思う。

2020-02-20 08:03:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

例えば、『黒猫のタンゴ』。皆川おさむさんのデビュー曲だが、突然現れて、大ヒットした。『およげ!たいやきくん』とか、『帰って来たヨッパライ』、『老人と子供のポルカ』とか、その前に類作がなくて、いきなり出てきてなんだこれは、と思っているうちにヒットする曲がたくさんあった。

2020-02-20 08:05:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

歌い手でも、フィンガーファイヴとか、ピンクレディーとか、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドとか、「うわっ、なんだ、これは!」と驚くようなニューフェイスがいきなり現れて、時代をつくっていく。そういう人たちが一年間に何組も出るから、当時の「レコード大賞」はほんとうに面白かった。

2020-02-20 08:07:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

時代は流れて、楽曲ごとに「わっ」と驚くようなことはあまりなくなって、Jポップの歌詞やメロディーはみんな似ていて、かつての演歌のようになっている。ボーイズグループ、ガールズグループも、毎度おなじみの、という感じで、ヒットも驚きよりは単純接触効果の惰性で説明できるものが多くなっている

2020-02-20 08:08:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

突発的な驚きよりも、事務所だとか、テレビ局のし掛けとか、大人の事情とか、そういう単純接触効果で説明できる慣性の法則が支配する日本はやはり元気を失っているのだろう。もっとも、子どもたちがそもそもテレビなど見ない時代になって、慣性の法則のヒットも消えつつある。

2020-02-20 08:09:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

すっかりくすんだ色になった日本だけれども、日本が元気で、地上波テレビがまともだった昭和の高度経済成長期を時々思い出して、ヒットというものは予想していなかったものが突然出てくるものなのだという当たり前の原点を確認することは良いことだと思う。

2020-02-20 08:10:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2467回「ヒットの本来は、突発的なものであって、単純接触効果のヒットは一段も二段も落ちる」をテーマに7つのツイートをお届けしました。

2020-02-20 08:11:44