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2013年10月9日

茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1059回「慣れると、好きになる」

脳科学者・茂木健一郎さんの10月9日の連続ツイート。 本日は、なんとはなしに思ったこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1059回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、なんとはなしに思ったこと。

2013-10-09 08:35:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(1)子どものころなど、朝の連ドラを以外とマジメに見てた(学校に行く前の時間帯ね!)。それで、前のやつが終わって、新しい連ドラが始まった時、最初に流れる主題歌が、最初は、「なんじゃこれ」というような違和感を抱く、というようなことがしばしばあったように記憶する。

2013-10-09 08:37:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(2)ところが、半年とか一年とかその連ドラが続いて、毎朝そのメロディを聞いていると、だんだん好きになってきて、最終回が近づいてくると、「もうこのメロディ聞けないのか」なんて寂しい気持ちになってくる。最初は違和感があったのに、なんだか好きになってきてしまうのである。

2013-10-09 08:38:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(3)以上の現象は、言うまでもなくいわゆる単純接触効果(mere-exposure effect)で、Robert Zajoncらが研究した。もともとは中立的な刺激でも、何度も繰り返し接触していることで、それに対する好意度(preference)が上昇してしまうのである。

2013-10-09 08:40:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(4)知人の赤ちゃんなんかを写真なんかで見て、「なんかヘンな顔だなあ」と最初は思っても、だんだん可愛く思えてくるのも同じ効果で、親にとってはましてやである。新しく配属された上司が、最初はゴリラみたいだ、とか思っていても、だんだんキュートにさえ見えてくるのも同じ理屈。

2013-10-09 08:41:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(5)すべての女性の平均の顔を計算して提示すると、美人に感じられるというのは有名な研究だが、これも単純接触効果と関連していると考えられる。子どもの頃から、さまざまな女性の顔を私たちは「サンプリング」しているわけで、その平均値に相当する鋳型が次第にできていく。

2013-10-09 08:43:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(6)つまり、脳の回路の中に、自分が見てきた女性の顔の「平均値」が、一種のプラトン的原型として形成され、それが理想の女性の顔になるのではないかと推測されるわけだが、実際にそのようなメカニズム、神経活動があるかどうかは、現時点では推測(conjecture)の域を出ない。

2013-10-09 08:44:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(7)江戸時代の美人は現代と違うとはよく言われる。平安時代の美人も異なる。これも、単純接触効果が蓄積された結果、その時代によって、脳の中にできる理想の「平均顔」が異なるからだと考えれば説明できる。江戸時代にサンプルされた女性顔と、現代人がサンプルする女性顔は違うのである。

2013-10-09 08:46:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(8)青山二郎は、何万点にも及ぶ中国陶器を見ているうちに、自分自身の美に開眼したと言われる。これも、単純接触効果の統計的昇華であると言える。美術において、作品をたくさん見なければセンスは養えないと言われるが、これもまた、単純接触効果がもたらす教育効果であろう。

2013-10-09 08:47:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

なす(9)言葉の意味も、さまざまな文脈でその言葉に接している人の方が、次第に純化していくと考えられる。つまり、経験にはそれだけの重みがあるということで、とりあえずやってみろ、経験してみろ、というのは本当のことだと思う。世界は広くて、接触すべきものはまだまだたくさん隠れている。

2013-10-09 08:48:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1059回「慣れると、好きになる」でした。

2013-10-09 08:49:01

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