震災後、宮城・福島に行ったこと。

稲田エイジ｜BtoBのWebサイト制作／Web活用支援／コンテンツ支援／HubSpot @inada_h

病で亡くなった夫と書こうと約束していたという二人の人生譚を楽しみにしていますよ、と握手してＳさんと別れる。写真はいただいてしまった「すてきなあなたに」。東北のガイドブックももらってしまった。これを見て今日の福島宿泊地を決める。 http://yfrog.com/gy4n3bhj

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瓦礫の山から見つかった位牌を警察の遺失物係に届けてから、宮城県石巻市のボランティアベースキャンプであった教会を引き払う。何だか泣いてしまう危惧があるので、じゃあねぇと挨拶すると軽すぎると言われる。皆さんいい人ばかりでした。感謝。自分の車に乗り、教会を発つ。五日ぶりに音楽が鳴る。

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ベース引き上げ後、石巻市を再見しようと高台の日和山公園に行く。ここは地震当日も多くの人が避難した。顔見知りになった被災者の方と偶然会う。眼下に広がる瓦礫の中にこの方の住居があり、彼もここに逃げた。当日の詳細を聞く。目の前に壊滅した光景があるので恐ろしいほどのリアリティーがあった。

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ありがとうございます。ツイートも色々ありがとうございました。皆さんが日常を取り戻せるよう願っています。RT @ikuiku55huy: @inada_h @naganokoryu おつかれさまです”くれぐれも帰路ご注意下さいね。力は、心に染み渡り浸透、波及していきます”

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福島市飯坂温泉で素泊まり。五日ぶりの風呂&布団で起きたら、なぜか体がバキバキに。筋肉痛が一気に訪れた。今日はこれから南相馬経由で相馬市に向かう。南相馬でボランティアしていた方によると、市民はほとんど残っていない、水道水が使えないとのこと。水は60L持っているが役に立つだろうか。

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そうなんですね。不正確なツイート申し訳ありませんでした。教えてくださってありがとうございます。水道水は問題ないということでよろしいのでしょうか？RT @ume_chang: @inada_h 市民はいます。(略)水も出ます。(略)南相馬市は水が出ない、と誤解を生んでしまいます。

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お返事ありがとうございます。南相馬にいらっしゃるのですね。伝聞ツイートしてしまい申し訳ありませんでした。これから南相馬に訪れてみます。RT @ume_chang: @inada_h 今南相馬市にいますが、水道は普通に使えます。ベクレルも数値はわかりませんが規定内のはずです。

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出発前に福島市飯坂温泉を散策。避難者らしい方の姿もちらほら。宮城からの被災者一家の方たちと少し話し込む。飯坂温泉は川沿いに宿が並んで、どこか渋温泉の雰囲気。日本最古の木造建築共同浴場という鯖湖湯につかる。緩やかなアーチを描く木造の高い天井が美しい。次はゆっくりと再訪してみたい。

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今年最初の桜を福島で見る。こんなこと、１カ月前は想像もしていなかった。 http://yfrog.com/h4l1tqbj

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福島県飯舘村は開けた山あいの気持ちいい場所でした。役場では休日に関わらず多くの職員さんが。避難の会議や避難相談を受け付けているよう。お忙しい所に南相馬から通われている総務部の方とお会いできました。「物資は足りている。もう水からヨウ素は検出されないが、不安な方にお渡ししている」

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飯舘村総務部の方のお話し続き。「人はほとんど残っている。国から避難指示が出たが、場所や仮設住宅がいつ建つのかもまだ分からない。ガソリンは入るようになった。南相馬も多くの人が戻った。水道は使っているが、スーパーが開いていない地区もある」。丁寧に対応くださってありがとうございました。

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南相馬市は春爛漫でした。風が温かい。でも、頭の上で大きな春雷が鳴っている。これから雨だろうか。 http://yfrog.com/h4hlfgrxj

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昼に南相馬に着く。市役所を通過して双葉町方面へ南下。開いている店が本当に少ない。これでは確かに生活や経済活動が成り立たないだろうと思う。小高近辺で道路封鎖。海方面へ折れ、村上海岸へ。近づくほどに道路や家屋の崩壊が凄まじい。崩れた道を進み、何もない小浜海岸で佇む。人に触れたくなる。

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崩壊した海岸から南相馬市役所に向かおうとすると、地元被災者のご夫婦と出会う。家は跡形もなくなり、今日は墓を見にきたが無かったとのこと。写真では海までの一本道のようだが、以前は家が立ち並び、ここから海は見えなかったんだと言った。 http://yfrog.com/h6pndlcj

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南相馬市役所は土曜にも関わらず市民の方でいっぱい。書類申請や相談をしているよう。防災安全課の係長さんとお会いできた。意外なくらい喜んでペットボトル二箱を受け取ってくださる。水道水は使えるのだが、物流が入ってこようとしないので、当面は必要なくとも物資への不安感はあるのかもしれない。

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南相馬市防災安全課の方から色々なお話を聞く。「避難注意区域ということで物流、公的な足が止まっているのが痛い。といっても市民は活動している。三月に自主避難した方も多くが戻った。体育館へ避難された方たちは疲労してしまうので、福島市などのホテルや旅館に二次避難も。自分の家が早く必要」

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丁寧な対応を受けて賑やかな市役所を出る。外は春爛漫で、車が行き交う。TVなどで得た「南相馬」とは大きく異なる。今日目にした自衛隊や閉まった店舗、道路封鎖がぼくの中で眼前の春と織り交ざる。四月一日から再開したというラーメン屋「タロー」で味噌ラーメンと手作り餃子をいただく。美味しい。

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さあ、これでぼくの非日常の日常はお終い。災害地ではまだ非日常が続く。それをぼくはこれから日常の場から見ていく。少しでも手触りのあるものとして。結局使わなかった携帯タンクからガソリンを入れ、大活躍したカーナビを長野にセットし、福島に敬意を評してサンボマスターをかけながら家に帰ろう。

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帰宅。空気が冷たい。澄んでいるように感じるのは気のせいか。この一週間で得たもの。若干の日焼け、親指の火傷、ヒゲ、東北への行き方。失ったもの。体重四キロ。