かえみずさんちのペットな美優さん

十六夜月 @night_0614

全てに絶望して路地裏で膝抱えて雨に打たれながらこのまま浮浪者に犯されたり犯罪に巻き込まれたりするのだろうか、でももう自分には何も失うものなんてないからどうでもいいやと思っていた三船美優をペット感覚で拾う高垣楓（かえみず成立済み）（地獄）

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「あら、こんなところでどうしたんですか？ 風邪引きますよ？」「･･････」「うーん。もしもーし、お姉さん？ お話し、できます？」「･････････」「困りましたねえ」

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「あ、もしかして酔っぱらってますか？ わかりますわかります、気づいたら知らない場所でぼぅっとしてるんですよねえ」「･･････あの」「はい」「ほっといて」「そういうわけには。だって見つけちゃいましたし」「･･････見ず知らずの不審者に構わないほうがいいです」

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「私、高垣楓って言います」「･･････は？」「お姉さん、貴女のお名前は？」「話すと思いますか」「じゃあ勝手に読んじゃいますよ。栗色のお姉さん。ほら、これで見ず知らずじゃないですね？」「･･････ほっといて、って言ってるのに。馬鹿なんですか？」「心外です。これでも頭は回るのよ」

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「私こんな怪しい人間に声をかけてる時点でそうとは思えませんね」「私、女性には優しくする主義なので」「･･････ならその傘とお金をください。それで立ち去って」「前者はイエス、後者はノーですね。傘もお金もいくらでも差し上げますので、お姉さん、私の家に来ませんか？」「は？」

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「･･････何が目的なんですか」「最近恋人が忙しくて。人肌恋しいんですよ。で、ペット可のマンションに住んでるので、飼っちゃおうかなって」「･････････貴女に、ペットとして？」「ペットとして。衣食住は保証しますし、そこそこ資産もあるのでお好きなこと、させてあげられますよ」

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「･･････貴女になんのメリットが？」「言ったじゃないですか。人肌恋しいって。ああでも、私は恋人ひと筋なので、精々が抱き枕になっちゃいますけど。ペットっぽくてよくありません？」「･･････いいですよ。私、貴女のペットになってあげます」「本当ですか！」

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「ええ。その代わり私、わがままですけど。美味しいご飯が食べたいし、ふかふかのお布団で眠りたいし、かわいいお洋服が来たいです」「ペットを幸福にするのは飼い主の義務ですもの。そのくらいはできます」

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「･･････あとはアロマなんかもやりたいですね。お風呂は入浴剤を使いたいですし、常に一緒に寝るのは鬱陶しいです」「アロマ！ いいですね、家が優しい香りに包まれます。私も温泉が好きなので温泉の素でしたらバンバン使ってください。添い寝は、そうですね･･････週5でどうです？」

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「･･････週4」「はぁい。少しさみしいですけど、嫌われたら元も子もありませんものね？ それじゃあよろしくお願いします」「･･･････････････馬鹿ですね」「なぜ？」「なんでわがままなんて聞こうとするんですか。貴女が拾う側なのに」

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「ほら。これもさっき言いましたけど、私、女性には優しくする主義なので」「実は男です」「中々に立派なものをお持ちですけど」「セクハラですか」「まさかそんな」「性転換手術しました」「今は女性ってことですね、何ら問題はありません」「･････････本当に」「はい」

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「本当に、拾うんですか？ こんな怪しい人間を？」「念を押しますねえ。本当に拾いますし一生面倒を見ますよ」「･････････世の中って広いのね」「そうですねえ。雨の日に散歩をすれば、こんなにいい拾い物が出来ちゃいますし」

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「･･････えと、その、」「あら。どうしました、急にしおらしくなって」「ペットですから。飼い主には降伏します」「別に構いませんけれど。調教するのも楽しそうですから」「･･････貴女、美人で良かったですね」「ふふ、ありがとうございます」

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「ああ、そういえば」「はい？」「まだお名前を伺っていませんでしたね。栗色のお姉さん、貴女のお名前は？」「･･････私の名前は･･････いえ」「？」「貴女がつけてください。今の私は、ペットです」「あら、責任重大ね。家に帰ってからでもいいですか？」「もちろん、お好きなように」

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このまま二人で家に帰って栗色のお姉さんをお風呂に入れたよ。ひとりで入りたがってたけど「ペットを洗うのは飼い主の義務ですね？」って楓さんがゴリ押しして洗ってあげたし栗色のお姉さんは口を利いてくれなかった。

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「･･････」「もう、拗ねないでくださいよ」「･･････犬猫は得てして風呂を嫌がるものです」「確かにそうですけど･･････」

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「とにかく。これからはひとりで入ります」「はいはい。全く、手のかからない猫ちゃんですね」「猫」「はい？」「猫にみえますか」「犬のほうが良かったですか？ でも今の所猫っぽいです」「そうですか」

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栗色のお姉さんは犬を飼ってました。大事に大事に飼ってました。それだけのお話。

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「とりあえず今日は寝ましょうか」「わかりました」「ところでお姉さん」「はい」「私、夜は裸で寝る派なんです」「･･････！？」「もちろん貴女は着てていいですよ。私は脱ぎますけど」「ばっ、馬鹿じゃないですか！ 変態！」「えっそこまで言われるとは思いませんでした」

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そこで（そういえばこの人恋人いるんだった）と思い当たる栗色のお姉さん。恋人がいて裸で寝る派ってことは･･････で赤面する。お姉さんは本当はすごく内気で臆病な人なので（今は色々吹っ切れてる）他人のそういうことを想像してしまいとても恥ずかしくなる

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「どうしました？ 罵倒したと思ったら急に赤くなって」「いえ、その、･･････なんでもないです。好きにしてください。私に口を出す権利はないので」「そうですか。それじゃあ寝ましょう。明日は休みなので、これからのことはそこで話し合いましょうね」「わかりました」

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寝室のベッドは案の定ダブルだしお洒落なナイトテーブルに道具みたいなのおいてあるしでもう何も言えなくなる栗色のお姉さん 楓さんは「あっしまい忘れた」とか言ってる

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「あの･･････」「あああすいません！ ちょっとあの、昨日まで恋人がいたもので！」「それは、平気なので･･････早くしまってください」「･･････」「･･････あの」「あっいえ。わかってますすいません本当に」 間が気になる栗色のお姉さん