2020年3月16日

茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2491回「新型コロナウイルスへのイギリス政府の対応から見る、公衆衛生的アプローチの悪魔的冷徹さ」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2491回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2020-03-16 07:28:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

コロナウイルスに対するイギリス政府の対応が、他のヨーロッパ各国に比べて違いすぎることが問題になっている。他の国が学校やレストランを閉じたりするなどの強い対応をとっているのに対して、イギリス政府は、そのような対応をとっていない。

2020-03-16 07:29:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

どうやら、イギリス政府は、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が、人口のかなりの部分に広がることを前提に、ただその広がりのスピードを遅くして、NHSに過重な負担がかからないようにする戦略をとっているように見える。それを「専門家」の計量モデルが支えている。

2020-03-16 07:31:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

ボリス・ジョンソン首相が、記者会見で、「この感染症が集結するまでには、たくさんの人が愛する人を失うことになる」と淡々と言明したように、イギリス政府の態度は、起こることは起こると割り切って、それに対して医療体制の充実や呼吸器の増産などの対策をとるという方針のように見える。

2020-03-16 07:32:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

イギリス政府の政策を見ていると、「公衆衛生」(public health)という学問の持っている「悪魔性」とでもいうべき性質に思い至る。一人ひとりの人命が尊いことはもちろんだが、医療資源の分配や、できるだけ多くの人の健康寿命を長くするという「評価関数」を介在させた時、そこには一つの「判断」が

2020-03-16 07:33:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

国民の健康と福利という「評価関数」から、病気を絶対に封じ込めるという原理主義ではなく、ピークが来る前に厳しい管理をすると「behavioral fatigue」(今回の事態における「コロナ疲れ」)などをもたらすから、最初はある程度ゆるくするという今回のイギリス政府の判断のようなものも「あり」となる

2020-03-16 07:36:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

イギリス政府関係者は公式には否定はしているものの、今回の政策決定においては、重症になるかもしれない人の回りの健康な人たちが、COVID-19に感染して、免疫をつけることで、周囲を取り囲んで守るというherd immunityも検討されたようで、このあたりのpublic health判断は合理的であるとともに冷徹だ

2020-03-16 07:37:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

個々の生命を守る、感染症は絶対的に広げない、という立場と、公衆衛生の数理的、合理的判断は異なり、後者は悪魔的冷徹さを含む。ナイーヴさが目立つ日本の政府、メディアの対応に比べて、イギリス政府の淡々とした対応には畏怖と寂しさの複雑な気持ちを抱く。もっともイギリス国内でも反発は強い。

2020-03-16 07:39:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2491回「新型コロナウイルスへのイギリス政府の対応から見る、公衆衛生的アプローチの悪魔的冷徹さ」をテーマに6つのツイートをお届けしました。

2020-03-16 07:40:56

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