松岡久和先生講演『民法の学び方』

@igakiさんによる松岡久和先生講演『民法の学び方』のtsudaりまとめ
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弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

さて、13時からは松岡久和先生による『民法の学び方』という講演です。初学者向けの内容ですが、恩師の講演には参加せざるを得まい。普通にためになりそうですし。

2010-04-17 12:55:51
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

ちなみに事前配布の問題が2問あります。ひとつは消費者契約法がらみの問題、もうひとつは物権法の問題。

2010-04-17 12:58:41
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

レジュメを見る限り、最初の方は民法の超基本的な内容だと思うので、この機会にTLの皆さまも民法を学んでいただければと。

2010-04-17 13:02:04
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「京都大学で民法を教えている松岡です。前田先生の弟子です。前田先生から今日は頼まれて、断りにくくて引き受けました(笑)」

2010-04-17 13:05:25
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「大学において手に入れるべきスキルのひとつは、「人の話を聞いてメモを取ることができるようになること」です。メモを取るためには、ある程度事前の準備が必要ですし、集中して聞けなければなりません。私は学生が成長する機会を奪わないために、敢えて不親切にしています。」

2010-04-17 13:08:36
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「法学の学力は、自分の頭で考えたという経験の量に比例します。そして、法学は覚えないといけないことがたくさんあるので、バラバラに覚えても使えません。言葉や概念を構造的に自分の頭の中で位置づけられるか、民法全体のマップを頭の中に入れることが大事だろうと感じております」

2010-04-17 13:11:14
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「じゃあ民法全体のマップを手に入れるためにはどうしたらいいか?これがね~王道はないんだよね。基本書を読んで、先生に聞いたりするしかない。同時に、教える側にも王道はない。」

2010-04-17 13:13:06
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「山野目章夫さんの『初学者のための民法学習ガイド』を読んでみたんですが、これはいい本です。今日は「これ買って読んでください」で終わらせようと思ったくらい。」

2010-04-17 13:16:21
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「今日は契約の具体的な問題を取り上げて、契約法をざっと眺めてみます。そして物権法は、今年の2月の京大法学部の試験で出した試験問題です。後半では若干答案の技術的なこともお話ししようと思っています。」

2010-04-17 13:24:11
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「民法ってなんなんだ、ということですが、これは「市民相互の社会関係を起立する法」です。もう少し具体的に言うと、我々が衣食住に必要なものを手に入れるためには、いろんな商品をお金と交換しているわけです。そしてこの交換は契約によって行われます」

2010-04-17 13:30:34
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「また、他人に怪我させられたときはどうするのか。そして次世代のためには家族も必要。そしてお父さんから財産を相続したりもしますよね。」

2010-04-17 13:32:16
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「つまり、民法というのは財貨・サービスの交換、財貨の帰属や主体の人格の保護、家族生活と財産承継について規律する法だということになります。」

2010-04-17 13:33:08
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「民法を法律の分類でいいますと、「実体的権利義務関係を規律する一般的な国内私法」。難しいですね。まず、公法と私法という分類があります。公法というのは国と私人との関係を規律するものです。憲法や刑法がそうですね。」

2010-04-17 13:34:59
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「それに対して、民法というのは私人同士の関係を規律するものです。公法が縦の関係を規律しているとすると、民法は横の関係を規律しています。」

2010-04-17 13:36:11
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「次に、一般私法と特別私法という分類があって、民法は一般私法に当たります。商法という法律がありますが、これは商人に対して適用される特別の私法です。特別ルールというのがあれば、そちらが適用されます。この特別ルールがないところでは一般私法である民法が作用します」

2010-04-17 13:38:13
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「「特別法は一般法に優先する」という格言がありますが、これは特別法というのはある特定の場面にぴったりに作られているから、そちらを優先的に適用した方が適切に問題を解決できるからです。」

2010-04-17 13:39:15
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「3番目に、実体私法と手続私法という分類では、民法は実体私法にあたります。手続私法というのは、民事再生法や民事執行法というやつですね。一方、権利義務を定めるのが、実体法です。」

2010-04-17 13:40:48
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「以上で民法の外側がおぼろげながらお分かり頂けたのではないでしょうか。さて、次に民法そのものについてです。民法は六法に民法という名前の法律がありますが、これを「民法典」と言います。そして民法の勉強をすると言うとこの民法典だけを勉強するのか、といえばそういうわけではありません」

2010-04-17 13:43:17
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「たとえば事前配布問題に書いてあるキャッチセールスに捕まった例ですが、ここでは消費者契約法というのがでてきます。こういった問題は民法だけでは対応できないので、特別なルールを設けています。これも民法で一緒に学ぶ必要があります」

2010-04-17 13:45:36
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「民法=民法典+付属法+民事特別法+判例法+慣習法+条理」

2010-04-17 13:46:39
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「日本の民法典ができたのは約110年前。最初はフランス法から引っ張ってきました。旧民法というのをボアソナードが作ったのですが、これは日本に合わないということで猛反対されました。そして次にドイツ法から引っ張ってきました。」

2010-04-17 13:49:29
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「当時の民法学者が素晴らしかったのは、各国のいいとこどりをしているところです。民法416条なんかはイギリスの判例法だったりします。だから、学部で英米法の勉強をしたりすると思いますが、そういった勉強は民法の理解に非常に役に立ちます。」

2010-04-17 13:51:31
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「ローマ法というのは、個別の相談事例集です。しかしバラバラのものではいろんな問題に対応できない。これをいろんな問題に対応できるようにまとめたのが法学大全です。そして、いろんな問題に共通するものをまとめていったものを、パンデクテン体系といいます」

2010-04-17 13:53:53
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「3番目に、意外に思われるかも知れませんが、日本の民法はものすごく簡素です。立法者は当たり前のことは条文には書かず、裁判所が解釈できる余地があるようにしたんですね。ですから、民法では判例というものを学ぶことが非常に重要です」

2010-04-17 13:55:28
弁護士井垣孝之(法務アウトソーシング) @igaki

松岡「民法をどういう順番で学ぶかということですが、これはなかなか難しい。一般的には財産法を4つにわけて、最初から順番に勉強していくようにしています。25年ほど前は、実際に問題になる事例ごとに教えてみたことがあります。不動産法、とか契約法、とかですね。」

2010-04-17 13:58:27
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