【スワローズ妄想劇場】最後の出撃

トゥ・レイン・スワロー @to_rain_swallow

【スワローズ妄想劇場】『最後の出撃』その日、連合艦隊司令部の会議室は重苦しい雰囲気に包まれていた。この日の北九州沖での海戦は途中で旗艦「館山」の照準儀が突如故障を起こし反転離脱。作戦続行が危ぶまれたが後続の巡洋艦部隊が何とか敵艦隊の行動を押さえ込んで撃退した #swamou

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しかし、既に2隻の主力艦を失っている艦隊にとって、巡洋艦部隊の消耗は計算外であった。参謀長の荒木が小川司令長官に切り出す。「来週に攻勢が予想される敵艦隊の対応ですが、決定的にフネが足りません」古参の伊勢参謀が返す「何もない訳じゃなかろう？あれはどうした、えーっと」 #swamou

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城石が「七條ですか。やっと公試運転が終わり、再来週には実戦配備可能です」と説明した。佐藤参謀が付け加える「予測される2日間の戦闘、１日目はやれますが2日目は・・どうやら敵主力は２日目の様なので・・」自信無さそうに口籠った「その・・援護は期待しないでください」 #swamou

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「では2日目は袋叩き、援護無しと言うんですか！」真中参謀が机を叩く「とてもそんな所に艦はやれません！」飯田参謀が反論する「いや、とにかく時間を稼がなくては。これ以上巡洋艦は消耗出来ません！」そこに伊藤参謀が静かに口を開く「・・一隻、戸田泊地にあるじゃないですか #swamou

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撃たれても沈まない、強力なあのフネが」真中は少し考えて思い付く「・・・！あれは駄目だ！もう予備艦状態な筈だ！」「いえ、出撃準備は完了しています」伊東参謀が真中の言葉を遮り、続ける「やれます。いや今後あの艦に予算がかけられる事はないでしょう。今しか使えません」 #swamou

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しかし、あくまで真中は反対する「あの艦に大事な燃料を使えんよ！」「では・・片道分なら如何ですか？」伊藤参謀の提案に、すかさず伊東参謀が「はい、片道分の燃料を補給してあります」と答えると真中参謀は諦めたように椅子にもたれかかった。そのやり取りを見て荒木参謀長は思った #swamou

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（はぁん、この二人はグルか。あの艦の苦労を自分の事のように思ってたもんな。最期の花道を飾らせてやりたい訳か。まあそれは俺もだが）と、違う考えがよぎる（この話、もしかしたら長官の発案か？）ニヤリと笑い「仕方ないな」荒木参謀長が小川長官に向かって気を付けの姿勢を取る #swamou

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「長官申し訳ありません。現時点で２日目の出撃準備が出来る艦は一隻のみの様です。御裁下を」小川長官は無言で敬礼すると書類に判を押した。荒木参謀長が敬礼をして参謀達に振り返る。「参謀諸君、命令は下った。戦艦『一場』を出撃させる」 【次回・激闘】に続くかは公示次第 #swamou