蛇に睨まれた蛙

レン @rain560509

「…お邪魔します。」 連れてこられたのは、マンションの部屋だった。 ❮ごめんな、散らかってるけど。❯ そうは言うけど、新聞が置きっぱなくらいで、綺麗でスタイリッシュな部屋だった。 「すみません、迷惑かけて。」 ❮いや、ええけど。さすがにその顔じゃお店とか嫌やろ？❯ #エイトで妄想

レン @rain560509

「はい、ありがとうございます。」 ❮とりあえず、顔洗う？❯ 「いえ、あの…もう落ち着いたので、帰ります。」 ❮帰るって、どこに？❯ 「えっと、それは…」 ❮たしか、大倉と一緒に住んでるんやろ？それで、ベロベロになった大倉迎えに来たんやんな？❯ 「よく覚えてましたね。」 #エイトで妄想

レン @rain560509

忠義くんが会社の飲み会で酔いつぶれた時に迎えに行ったその一度きりだったのに。 ❮それは…まぁ、ええやんか。❯ 「その節は、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。しかも、まさか忠義くんの会社の社長さんだなんて全然知らなくて。」 ❮いや、まぁ。あの改めまして、横山です。❯ #エイトで妄想

レン @rain560509

「△△○○です。」 ❮とりあえず座って。コーヒーでええ？❯ 「…はい。」 座って待っていると、すぐにコーヒーを持ってきてくれた。 ❮それで、どうしたん？大倉に知られたくない事されたん？それとも、大倉と何かあった？❯ 不意にフラッシュバックしてまた泣きそうになる。 #エイトで妄想

レン @rain560509

❮大丈夫、大倉に知られたくない事されたんなら絶対言わへんし。でも、泣かせてんのが大倉なら…❯ 「忠義くん、なのかな？」 ❮どうゆう意味？❯ 「忠義くん、今A子と…妹と一緒に、それでっ、」 言葉にするのも苦しい現実… ❮妹さんと？❯ 「…はい。これでもう何度目かな。」 #エイトで妄想

レン @rain560509

『二人が会ってるのが？』 「彼氏を取られるのが、です。」 さすがに、予想外の答えだったのだろう、絶句しちゃうよね。 「今回は、一緒に住むことにもなったし、距離もおいたし、大丈夫かなって…でも、私みたいなのが、忠義くんと付き合えてたのがおかしかったんですよね。」 #エイトで妄想

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『何でそんなん言うん。そんな事あらへんと思うで。』 「妹は、私と違って美人なので。その上にお料理も出来てってなれば落ちない人はいないんでしょうね。本当は違うのに。」 何でだろう、これまでの事、妹の嘘に騙されて私が信じて貰えなかったことを横山さんに話していた。 #エイトで妄想

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「すみません、こんな話。」 『いや、ええよ。それで、これからどうするん？』 「帰ります、忠義くんの所に。別れるにしても、ちゃんと話しないと。」 『ん、ほんなら送るわ。』 「えっ、そんな大丈夫です。一人で帰れますから。」 『ええって。もう遅い時間やし、危ないやろ。』 #エイトで妄想

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「すみません、わざわざありがとうございました。」 『ええよ。頑張って…でええんかな？』 「…はい、そうですね。それじゃ。」 結局忠義くんのマンションまで送ってもらった。 A子がまだいたらと思うと怖いけど、A子とも決着をつけないといけない。そう思いながら部屋に入った。 #エイトで妄想

レン @rain560509

リビングに入ると、忠義くんが一人で飲んでいた。 『○○帰ってきたんや。』 「A子は？」 『帰ったで。』 「そう。」 ほんのりとカレーの匂いがする。肉じゃがは、カレーに変わったんだね。 『聞こえてたんやろ？』 「聞こえたよ。ちゃんと説明したのに、すごくショックだった。」 #エイトで妄想

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『○○のしてきた事、全部聞いたで。』 「A子はなんて？」 『○○、ずっとA子ちゃんの彼氏を取ってたんやって？A子ちゃんが作った料理とか全部自分の手柄にしてA子ちゃんの彼氏たぶらかしてたんやろ？』 「そんな！」 『オレにその事知られたくないからA子ちゃんの事隠してたんやな。』 #エイトで妄想

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「忠義くんは、A子の事だけを信じるんだね。」 『A子ちゃんが作ってくれたカレー、○○と同じ味やった。A子ちゃんから作り方習ったからなんやろ？○○嘘ばっかりやん。○○の何を信じろ言うねん。』 「私は、嘘なんかついてないよ。嘘をついてるのは、A子の方だよ。説明したでしょ？」 #エイトで妄想

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『お前、最低やな。』 「ちょっと待ってよ。」 何でいつもこうなるの？ 私の何がいけないの？ 『妹の事嘘つき呼ばわりするとか、ありえへんやろ。』 もう何を言っても私の事は信じてくれないんだね。 「私達、もう終わりだね。」 『そうやな。』 それを聞いて部屋を飛び出した。 #エイトで妄想

レン @rain560509

悔しくて辛くて耐えられなくて、また泣きながらマンションを出た。 ❮○○ちゃん❯ そこには、帰ったはずの横山さんが。 「えっ、帰ったんじゃ…？」 ❮こうなる事分かってて帰れるわけないやん。❯ そっと引き寄せられて、横山さんの胸の中。 ❮大丈夫やから。うちに帰ろな。❯ #エイトで妄想

レン @rain560509

~忠義side~ 数日後、部屋に帰ると○○の荷物は全部なくなってた。 おらん間に来てたんや。 〔たぁくん、どうしたの？〕 『いや、別に。』 〔お姉ちゃんは？〕 『別れたって言うたら？』 〔ほんと？嬉しい！たぁくんが騙されてるの許せなかったんだもん。〕 『おん、ありがとう。』 #エイトで妄想

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〔ごめんなさい、酷い姉で。〕 『何で謝るん？A子ちゃん悪くないやんか。』 〔そうだけど…。〕 『もぉ、ええやん。』 そう、○○とは終わったんや。 抱きついてきたA子ちゃんを抱えてベッドへ。 〔たぁくんっ♡〕 『んふ、ここ？いっぱいしたるな。』 〔あっ…たぁくん、好き。〕 #エイトで妄想

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その日から、A子ちゃんが入り浸るようになった。 インテリア雑貨店などの袋を見る度にA子ちゃんの物やお揃いのものが増えていった。 『じゃあ、オレ仕事いくし。』 「待って、私も一緒に出るから。」 A子ちゃんが泊まっていった朝、オレが仕事に行くタイミングで２人で部屋を出た。 #エイトで妄想

レン @rain560509

「たぁくんのオフィスはどんなとこなの〜？」 『え、別に普通のシェアオフィスやで。』 「そぉなんだ〜。」 『あ、ここやで。』 「うわ〜、すごぉ〜い。」 話してたら、オフィスに着いてた。 「あれ、あの人…」 『横山くんの事？』 「えっ？あ、たぁくん知り合いなの？」 『おん。』 #エイトで妄想

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「会社の先輩、とか？」 『ウチの会社の社長やねん。』 「えっ、社長？あの人が？…あ、ごめんなさい。」 『ええよ、見えへんやろ。』 「へぇ〜、社長…。」 『どうかした？』 「どうもしないよ。じゃあ、私行くね。」 『おん、気をつけてな。』 その場でA子ちゃんとは分かれた。 #エイトで妄想

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~女の子side~ あの日から横山さんのお家に住まわせてもらっている。 あの時、横山さんがいて下さって救われた。 そして、またお家に連れて行ってくれた。 次の日、お礼を言って出て行こうとした。だけど… 『ずっと、居ってや。』 「えっ、でも…。」 『好きなだけここに居り？』 #エイトで妄想

レン @rain560509

忠義くんと一緒に住んでいた部屋を急に出て行く事になり、居場所のなかった私には、ありがたすぎる言葉だった。 『なぁ、そろそろベッド買いに行かん？』 「えっ？」 『ソファーベッドではあるけど、やっぱ寝にくいやろ？』 「あのでも、」 『あ、予算の事とかは気にせんでええで。』 #エイトで妄想

レン @rain560509

結局、言いくるめられて、あれよあれよとゆう間にインテリア雑貨店に来ていた。 『○○ちゃんが寝るんやから、好きなん選びや。他にもいるもん買うて帰るで。』 終始横山さんのペースで買い物は進み、ベッドなどの物が決まっていった。 「あの、これはなくても…。」 『ええって。』 #エイトで妄想

レン @rain560509

沢山の買い物が決まって、大丈夫かなって不安になる。急だし、そんなにお金もないし。 そんな時にトイレ行くから選んどいてって言われて、必要ないものはキャンセルしてしまおうかそんな事を考えた。 『○○ちゃん決まった？』 「いやあの…」 考えている間に横山さんが戻ってきた。 #エイトで妄想

レン @rain560509

『じゃあ、またいるってなったら買おか。』 「はい、そうですね。」 『ほんなら、帰ろっか。』 「えと、はい。」 あれ、結局買わないのかな？ でもちょっとホッとしたかもと思いながら、車に乗り込む。 『荷物、明日には届くって。休みやろ？受け取っといてな？』 「えっ、荷物？」 #エイトで妄想

レン @rain560509

『買い物したやつ。』 「えっ、うそいつの間に？」 『そんなん気にせんでええって。』 どうやら、トイレに行くと見せかけて支払いを済ませてくれていたみたい。 「あの、ありがとうございます。」 『ん、それでええねん。受け取りと片付け頼むな。組み立ては俺帰ったらやるから。』 #エイトで妄想