貴金属スペシャリスト 池水雄一によるツイートで読み解く貴金属講座「シルバー」

日本貴金属マーケット協会(JBMA)代表・貴金属スペシャリスト 池水雄一によるツイートで読み解く貴金属講座。
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Bruce Ikemizu @BruceIkeGold

ゴールデンウイークですがシルバーの話を少し。(笑)その1。ゴールドは「自然金」(Nuggetと呼ばれます)として金の塊が自然で発見されることがままあります。シルバーは「自然銀」という形で発見されることはまずありません。そのため古代(数千年前)はシルバーの方が価値があったり、(続く)

2020-05-02 06:53:37
Bruce Ikemizu @BruceIkeGold

シルバーその2(続き)、古代文献では金銀比価は5対1から10対1程度でした。精錬方法の発達や銀鉱山の発見で金銀比価は拡がって行きますが、それでも19世紀前半くらいまではせいぜいニュートンが決めた16対1くらいの比価が最大でした。それが大きく変わるのは中南米での銀鉱山発見と大増産でした。

2020-05-02 07:20:57
Bruce Ikemizu @BruceIkeGold

シルバーその3。しかし、新大陸発見後、じょじょに中南米(メキシコ、ペルー、ボリビアなど)で銀鉱山が開発され、19世紀後半から20世紀にかけて大量に生産されることになり、また20世紀に入ると採掘技術の向上や銅精錬からの生産も増加、シルバーの価値は大きく下がることになりました。#silver #銀

2020-05-02 11:22:29
Bruce Ikemizu @BruceIkeGold

シルバーその4。今年3月18日に金銀比価は123対1まで拡がりました。現在は114対1。過去5000年!で最もシルバーが安くなった場面です。年間生産量はゴールド3320トンに対してシルバー26600トン。8倍に過ぎません。120分の1というその価値はあまりにもシルバーが過小評価されているのでは。#silver #銀 pic.twitter.com/vOX3LHLzZ6

2020-05-02 11:59:56
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Bruce Ikemizu @BruceIkeGold

シルバーその5。需要。シルバーは産業用需要が56%と最大。今は太陽光パネルに塗るペーストが最も多く、写真、電子材(自動車部品の接点など)、ハンダ。商社や銀行時代の昔は感材メーカー(フィルム)やハンダメーカーに輸入した銀地金を納めるのが最大のシルバービジネスでした。#silver #銀

2020-05-03 05:30:16
Bruce Ikemizu @BruceIkeGold

シルバーその6。需要全体で32000トン。工業用需要56%、宝飾需要21%、コイン・地金17%、銀食器6%。(World Silver Surveyより)銀食器は99.5%のスターリングシルバーですが、シルバーがヒ素に反応して変色することを利用し、昔の欧州貴族が毒殺を避けるために拡がったという話しがあります。#Silver #銀

2020-05-03 05:54:15
Bruce Ikemizu @BruceIkeGold

シルバーその7。生産コスト。Metals Focus社によると世界の銀鉱山の平均コストは11.47ドル。3月の「現金化」売りでの下落での底値が11.68ドルでした。シルバーは銅や亜鉛の副産物での生産も多いので生産コストを正確に計算するのは非常に困難です。#sllver #銀

2020-05-03 15:01:55