@mamohacyの被災記録

２０１１年３月１１日金曜日。一生忘れないであろうこの日、僕は出張で仙台にいた。そして、帰宅難民となった。このときの思い出を一生忘れないために、トゥギャっておくこととする。

仙台に来ていることを知っている親戚と呑気にやりとり。この返信を送ったほんの少しあとに、「あの瞬間」はやってきた。

2011年3月11日 14時46分18秒 東日本大震災発生 現地は震度７を記録

最初の２日間は出張先のビルで寝泊りしていたが、そこから一緒に出張に行っていた人の親戚の方の家に移動し、居候させてもらうことになった。

移動を行ったのは良いが、仙台駅と東北新幹線が壊滅的なダメージを追ったことにより、新幹線を使った仙台からの脱出は完全に不可能になってしまった。

帰宅難民を通り越し、現地でリアルな被災民になったのである。

現地には電気こそきているものの、断水、断ガスが続き、お風呂も入れない、トイレもぎりぎりまで流せない、食事も携帯用コンロと電子レンジのみの生活を送る。

食料は手に入りにくく、店に２時間ならんでもロクなものが買えず、ガソリンは４時間待ちが当たり前の状況。寝る時間はたっぷりあるがどこまで食料が続くのかわからないため、運動したりだとか無駄に体力消費をするわけにもいかない。
基本的に米だけは地方柄やたら充実しているため主食には困らないが、逆に炭水化物過多の生活が徐々に精神力と体力を奪っていく。

今起こっている現実。津波の映像の非現実感。ひたすら続く余震。

今思い返しても、あれは夢だったのではないかと思えるほど現実味がないくせに、しっかりと記憶に刻み込まれた数日間だった。

そんな中、出張に同行していた人と話し合い、いつまでもここにお世話になり続けるわけにはいかないと、仙台脱出の計画をたてる。

今回の地震で現地に残っているあいだ、一番感動したのはやはりTwitterの力の凄さだ。

ニュースなどの伝搬もうそうだが、それより何よりも僕の呼びかけに対し、フォローしてくれている人がリアル・バーチャルな繋がりを駆使してたくさんの情報を集めてくれたことだ。

もちろん、情報を提供してくれたみんなには本当に感謝しているが、僕はひとつの発言がものすごいスピード感とパワーをもって伝搬していく様子に驚きを禁じ得なかった。

あとからあるフォロワーに「まるで自分が体験しているようだった」言われたが、もしかしたらTwitterのタイムリーさと、他のひととのやりとりのオープンさというものは、時としてタイムラインを追っている人間を疑似体験させてしまうところまで昇華してしまうパワーを秘めているのかもしれないと思った。

脱出を決意し、偶然とはいえ高速バスの予約がとれたのはラッキーだったが、気分は複雑だった。

この状況がどこまで続くかわかないのは現実としてあり、我々がここに残っているあいだ、食料も飲料水も浪費していく一方であるわけだが、逆にここから脱出することは、被災民をおいて逃げ出すことにならないのか？と、なんども自分に問いかけた。
ただ、いつまでもここにいることがプラスにならないことは誰の目にも明らかだった。

帰宅難民生活最終日となる２０１１年３月１６日。

お世話になった家族のみんなと必ず再会することを誓い握手。
お互い目に涙を浮かべながらの、固い固い握手だった。

ここから、長い長い帰京ミッションがスタートした。