【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第282話「曹操発病」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第15巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」01】 第282話です。 荊州をめぐる戦いに決着がつきまして、関羽の恐怖から解放された曹操は洛陽に凱旋します。訪れた平和。のんびりと暇を楽しんでいました。

2020-05-29 15:20:45
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」02】 戦のない世とはいいものだ。これで天下統一とならばさらに良いのだがのう、とのんびり酒を飲んでいる曹操。しかし、うっ、と言って杯をを落とします。周りの側近が大王、と声をかけますが、曹操はむむっ、と頭を抑えます。

2020-05-29 15:22:20
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」03】 まためまいじゃ、と曹操。どうやらこのようなめまいをはたびたび起こしていた模様。しばらく安静を、と寝室に連れられていく曹操。薬湯が煎じられ、うむ、と飲む曹操。おかしい、この頃頭痛とめまいが毎日のように起きると言います。

2020-05-29 15:23:51
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」04】 呉の呂蒙は関羽の霊に呪われ後を追うように死んでいったという話だが、自分にも関羽の霊が祟っているのだろうか、と関羽の呪い説を持ち出す曹操。側近は、曹操は関羽の霊をねんごろに弔ったのでそのようなことはございません、と答えます。

2020-05-29 15:25:23
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」05】 もし、そのようなことが気になるなら、新殿をひとつ建ててはどうかと提案します。居は気を変えると言います。つまり、その場所から引っ越せば気分が変わると。それを聞いた曹操は、そういえばこの建物ももう古い、と言って、新殿を作ることを決めます。

2020-05-29 15:27:13
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」06】 もちろん、最高の権力者である曹操が住むところですから、安普請で済ますわけにはいきません。建築の名工に作らせたいと、候補者を募ります。そこで推薦されたのが、洛陽にいる蘇越(そえつ)という人物です。

2020-05-29 15:29:15
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」07】 曹操は早速、その男を召し出し、設計をさせよと言います。蘇越は新殿の設計図を急いで作り、曹操に届けます。仕事が早い。図面を見て気に入った曹操。しかし、立派な建物ゆえ、本殿には大きな棟木(むなぎ)が必要ではないだろうか、と言います。

2020-05-29 15:30:52
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」08】 棟木というのは、屋根の一番上に取り付けられる水平材。建築の知識も持っている博識の曹操に対し、材料はある、と答える蘇越。洛陽から三十里ほどの地である躍竜潭(やくりゅうたん)の淵にひとつの祠(ほこら)があると言います。

2020-05-29 15:33:56
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」09】 そこに高さ十余丈の千古の神木があるというのです。一丈は約3メートルとうことで樹齢千年の、30メートルを超す大木ということです。これを切って棟梁(はり)としてはどうでしょう、と提案します。蘇越は自分の設計した建物のためならなんでも使う主義。

2020-05-29 15:36:52
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」10】 曹操は神木とは、それはよい、と言って、すぐに作業にかかるように言います。 ところが、実際に作業する人夫達は、祟りを恐れて巨木に手を出すのを嫌がります。神木と言われるくらいですから、霊験あらたか、無闇に切るものではないと恐れているのです。

2020-05-29 15:39:39
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」11】 人夫達が祟りを恐れて木を切らないことを聞いた曹操。ならば自分がその迷信を追い払ってやる、と立ち上がります。車(馬車)を用意させ、自ら躍竜潭に向かいます。

2020-05-29 15:41:19
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」12】 見事にそびえ立つ神木を間近に見た曹操。皆の者よく見ておけ、と曹操は剣を握ります。最初の刀は自分が入れる。もし木の精が祟るなら、この曹操に祟るだろう、と宣言します。

2020-05-29 15:42:33
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」13】 本人は迷信だと思っていますが、人夫達が安心して作業できるように一芝居を打ったつもりでしょう。 木の精よ、よく聞け、と芝居がかった台詞が続きます。 いま汝を切って我が新殿の棟梁とする。後生の冥加を喜んでよかろうぞ、と言い、剣を振ります。

2020-05-29 15:44:55
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」14】 ガッ、と刃が神木に切り込みを与えます。するとそこからピューッと、血のような赤い樹液が飛び出します。人夫達は唖然とする者、恐ろしくて震える者達もいます。しかし、曹操は気にしません。

2020-05-29 15:47:30
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」15】 よいか、木のの祟りがあるとすれば、自分に降りかかる。安心して切るがよい、と再び宣言し、引き上げることに。残された役人が、さあ安心して切るがよい、と伐採を指揮します。人夫達は、斧を振るって木を切り始めます。

2020-05-29 15:49:01
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」16】 洛陽へ戻る曹操。しかし、顔色があまりよくありません。そればかりか、うっ、と唸った後、苦しみだします。これは一大事。急いで屋敷に戻ります。すぐに侍医が呼ばれ、診察が行われますが、熱が高く危険な状態です。

2020-05-29 15:50:46
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」17】 医者はすぐに薬を煎じ、曹操に飲ませます。しかし、その日から曹操の容態は日ましに悪くなっていきます。人々は神木の祟りだと噂しあったのです。

2020-05-29 15:52:04
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」18】 こうして関羽に続いて、三国志の最重要人物の一人である曹操の退場劇が始まります。一筆ごとに稀代の英雄の死が近づくことに、横山光輝先生の並々ならぬ思いが込められていると思います。

2020-05-29 15:54:36
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【横山光輝「三国志」講座282「曹操発病」19】 曹操の最期は戦ではなく、病気との戦いであったわけですが、この危機をもしかしたら救ってくれる人物がこのあと登場するのですが…、この続きはまた次回となります。 今回はここまで。

2020-05-29 15:56:17