【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第280話「首騒動」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第15巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」01】 関羽を倒した呉は、荊州・襄陽の地をすっかり手に入れることができました。 しかし、関羽の死を人々は深く惜しみ、いろんな噂を作り出しました。敵味方あれども人々から慕われていたわけですね。判官贔屓もあるでしょう。

2020-05-27 15:35:47
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」02】 関羽の愛馬、赤兎馬は、関羽の死後、まぐさを食べなくなり死んでいったとか、荊州玉泉山の庵に住む普静(ふじょう)という僧の前に関羽の霊が現れ、無念を訴えたとか…。呂蒙が関羽の霊に呪い殺された、という話も出てきます。

2020-05-27 15:37:30
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」03】 確かに呂蒙は、関羽が死んでから二ヶ月後に血を吐き、病に倒れて死んでしまいました。人々はそれを関羽の呪いだと噂したわけです。病気のふりをして関羽を欺いていましたが、ホントに病気になるとは呂蒙も思わなかったでしょう。呉は随一の将を失いました。

2020-05-27 15:39:52
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」04】 荊州にはまだ孫権が出張しております。その孫権のもとに、建業から重臣の張昭がやってきます。張昭自らがやってきくるとは重大なことが持ち上がったかもしれぬ、と孫権はすぐにここに連れてくるように言います。

2020-05-27 15:41:18
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」05】 やってきた張昭は、まずは孫権に、荊州、襄陽の平定を祝う口上を述べます。念願がようやく叶ったわけです。さて、張昭の用件とは、他でもない関羽の扱いについてのクレームです。すでに関羽の首は打たれていますが、それに驚いたと言う張昭。

2020-05-27 15:43:17
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」06】 関羽は敵将、生かしておいては後々、呉の禍となるだろう、という孫権の言葉に、それは考えが浅い、と言う張昭。その理由は、関羽と玄徳、張飛が若き日に交わした桃園の誓いにあります。この逸話は誰もが知る話です。

2020-05-27 15:45:39
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」07】 この時三人は、(生まれし時は違えども)願わくば同年同月同日に死なんと…、つまり、死ぬ時は一緒だ、と誓っているわけです。これほどまでの絆を持つ関羽の死が玄徳の耳に入れば、玄徳、張飛は死を覚悟で呉に攻め入るだろうと。

2020-05-27 15:47:29
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」08】 そればかりか、玄徳のもとには、孔明、黄忠、馬超、趙雲などの豪傑がキラ星のごとくいると。横山三国志では「キラ星のごとく」という表現が多いですが、とにかく優秀な人材がたくさんいるということです。その蜀と呉が視力を尽くして戦ったらどうなるか。

2020-05-27 15:49:38
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」09】 そこまで聞いた孫権は、「アッ」と言います。張昭は更に、たとえ蜀と呉、いずれかが勝っても、残った方は想像を絶する被害をこうむる。それを一番喜ぶのは誰か…と孫権に問いかけます。答えはもちろん、魏の曹操です。

2020-05-27 15:50:56
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」10】 さよう、と張昭。どちらが勝ち残っても、大きく傷つく。それを待って一気に攻め滅ぼしにかかるだろうと。孫権は、たしかにその通り。関羽の首を打ったのは浅慮だったと反省します。とはいえ、もう関羽は元には戻りません。

2020-05-27 15:52:10
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」11】 蜀と全面衝突はまずい、と何かいい手立てはないか、と張昭に問います。張昭は、関羽の首を曹操に届けろと言います。もともと関羽を討とうと言い出したのは曹操、それゆえ首を届けましたと言えばいいと。ならば関羽の首を打った張本人は曹操ということに。

2020-05-27 15:53:42
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」12】 蜀の玄徳は魏に向かって兵力を進めるに違いないと言います。曹操に責任転嫁した挙げ句、いささか虫の良い話ではありますが、他に方法はないと考えたか、孫権は、塩漬けにしてある関羽の首をすぐ曹操に届けろと命じます。

2020-05-27 15:55:24
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」13】 さて、曹操です。この頃には摩陂(まは)から洛陽に軍勢を返していました。そこに呉の使者から関羽の首が届けられたと。曹操は早速見せろと言います。見れば確かに関羽。恐ろしい男であったが、殺すには惜しい男でもあったと。

2020-05-27 15:57:18
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」14】 だがこれで、自分も枕を高くして寝られる、と喜びます。しかし、ここで司馬懿仲達が、喜んでる場合ではないと口を出します。これは呉が送ってきた大きな禍だと言うのです。

2020-05-27 15:58:26
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」15】 関羽の首を打った首謀者は曹操だと玄徳に思わせ、蜀と魏を戦わせ、呉は二国が戦い疲れるのを待つ奸智だと思いませんか、と曹操に問う仲達。関羽一人のために樊城援軍の大敗、関羽の快進撃の前に都を移すことも検討したことを忘れたわけではないだろうとも。

2020-05-27 16:02:52
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」16】 しかも、今度は孔明はじめ、張飛、黄忠、馬超、趙雲などそうそうたる武将が乗り込んでくると。曹操は、ここでア…、と気づくわけです。まさに仲達の言う通り、もう少しで呉の深謀に嵌るところだったと。

2020-05-27 16:04:22
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」17】 曹操は、すぐにこの首を呉に突き返せ、と言います。しかし、仲達、それでは大王の度量が小さくなる、と言います。首の押し付け合いはみっともないというわけです。

2020-05-27 16:05:16
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」18】 関羽の首をねんごろに葬るべきだと。国葬のような盛大さで、禍を転じて蜀に恩を売ると。この考えに、曹操は見事だ、と手を打ちます。曹操は、関羽の葬祭は国葬とし、荊王の位を与えると宣言します。

2020-05-27 16:07:02
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」19】 各地に伝令を出させ、は百日の間、洛陽の音楽は停止、葬祭は王侯の礼をもってなし、大小百官すべて見送りに立つこと、葬儀の全責任は司馬懿仲達に任せる、と矢継早に決めます。こうして、関羽は魏によって葬儀が営まれることに。

2020-05-27 16:10:07
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」20】 曹操は、それにしても関羽め、首になっても二国を震え上がらせおるわ…、と死しても影響力がなお強い関羽に恐れをなします。

2020-05-27 16:11:14
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【横山光輝「三国志」講座280「首騒動」21】 呉に張昭あれば、魏に仲達あり。関羽の首の処遇で知恵比べが行われましたが、どうやら仲達の方がより思慮深かったようです。 さて、蜀に関羽の死が伝わるのは時間の問題です。関羽の死を知った玄徳は…。この続きはまた次回となります。 今回はここまで。

2020-05-27 16:15:17