願いが一つ叶うならハックルベリィ・フィンを読む前の自分に戻りたい、と言ったのは誰だったか それで、暮れに柴田元幸訳を買いに行ったけれど値段を見て気が変わり、新潮文庫版を買ってきた 村岡花子訳 言わずと知れた「赤毛のアン」の訳者
2020-01-13 18:24:01神話へと遡る道 アメリカやオーストラリアといった新世界には、アボリジニやアメリカ先住民のものとは別に、初めから書かれてある神話があるんじゃないかと思う
2020-01-25 15:55:17家の近くにきたとき、僕はそちらにじっと目を向けた。灯りはついていなかった。家中が真暗だったーーそれを見て僕は悲しくなり、がっかりした。どうしてだか自分でもわからない。 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
2020-06-08 22:17:50しかし、ついに、僕が駆け抜けようとしたとき、パッと、メアリ・ジェーンの窓に灯りがともったではないか!急に僕は胸がいっぱいになり破裂しそうになった。同時に家もなにもかも僕の背後の暗闇にのまれてしまった。 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
2020-06-08 22:17:53この世ではもう二度と僕の前にあらわれることはないのだ。メアリ・ジェーンは僕の知っているうちで一番よい少女であり、一番勇気のある少女だ。 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
2020-06-08 22:17:54せつない立場だった。僕は紙を取り上げて手に持っていた。僕はぶるぶる震えていた。永久に、二つのうちのどちらかに決めねばならず、どちらにするかわかっていたからだ。僕は息をこらし、ちょっとのあいだ考えてから、こう思った。 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
2020-06-08 22:27:30「よし、それじゃあ僕は地獄へ行こう」ーーこう言うと、僕は紙を引き裂いてしまった。 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
2020-06-08 22:27:33町へ入ってみるとーー八時半ごろだったーー向こうから、松明を持った人々が荒れ狂い、すさまじい声でホーホー叫び喚いたり、ブリキの鍋を打ち鳴らしたり、角笛を吹き鳴らしたりしながら突進してきた。僕らはそれをやりすごすため、傍にとびのいた。 「ハックルベリイ・フィンの冒険」トウェイン
2020-06-08 22:45:38人々が通り過ぎるとき、彼らが王様と公爵を鉄棒に跨がせてかついでいるのが見えたーー 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
2020-06-08 22:45:43二人とも全身コールタールと羽根でおおわれ、とても人間とは思えずーーまるでとてつもなく大きな兵士の飾り羽根二つに見えたが、しかし僕にはそれが王様と公爵だということがわかった。それを見て僕はぞっとした。 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
2020-06-08 22:45:45そしてこの哀れな悪漢たちがかわいそうになり、どうしても憎む気になれなかった。それは見るも恐ろしい光景であった。人間というものはお互い他人に対してひどく残酷なことができるものだ。 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
2020-06-08 22:45:46町に着くと、なにしろ嵐でひとりも外に出てないから、ウラ道とかをさがす必ようもぜんぜんなくて、おもて通りをまっしぐらに走って、家が近づいてくると、おれはそっちにしっかりと目を向けた。 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:23:40ひとつのあかりもついてなくて、家じゅうまっくらだ--それを見るとなぜかおれはガッカリした気もちになった。でもそのうち、ちょうど家のまえをかけぬけてるさいちゅう、メアリ・ジェーンのへやのマドがキラッとひかった! 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:23:41おれはもうムネがいっぱいになって、はりさけそうになって、それとどうじに、家からなにからおれのうしろてやみにつつまれた。もう二どと、この家がおれの目のまえにあらわれることはない。 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:23:41メアリ・ジェーン、あの人はおれがいままでに出あっただれよりもすばらしい、だれよりもゆうきある女の人だった。 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:23:42きわどいところだった。おれはその紙をひろって、にぎりしめた。からだがふるえていた。ふたつにひとつ、どっちかにキッパリきめなくちゃいけない。おれはイキを半ぶんとめて、しばしかんがえた。それから、ムネのうちで言った-- 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:30:59「よしわかった。ならおれは地ごくに行こう」。そして紙をビリビリにやぶいた。 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:31:00町にはいって、このへんがまんなかかなってところをぬけていると--もう8時半くらいだった--すごいけんまくの人たちがどっと、たいまつもってワーワーギャーギャーわめきながらやってきて、ブリキのナベたたいてラッパふいて、 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:50:08おれたちがわきへとびのくと、そいつらがとおりすぎていくときに、王と公しゃくがぼうにまたがらされてるのが見えた--てゆうか、王と公しゃくだとおれにはわかったけど、からだじゅうタールと鳥のハネがびっしりで、とても人げんには見えなかった。 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 トウェイン
2020-08-15 22:50:09兵たいのぼうしについてるハネかざり、あれのバカでかいのが、ふたつあるみたいにしか見えない。おれはそれを見て気もちがわるくなった。どうしようもない悪とうふたりだけと、おれはやつらが気のどくにおもえてしまった。 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:50:10このふたりをわるくおもう気もちが、ムネのうちからなくなってしまったみたいだった。見ていてゾツとするながめだった。人げんっていうのは、人げんどうしずいぶんざんこくになれるものだ。 「ハックルベリー・フィンの冒けん」 マーク・トウェイン
2020-08-15 22:50:11