2020-06-11のまとめ
( ゚д゚) 農村から都市への人々が流出するのと併行して、大都市とその周辺を中心に新しい世帯が次々に、誕生した。・・・農村で三世代同居していれば、洗濯機も冷蔵庫も一つで足りる。しかし若い世代が都会に移り新しい世帯を構えると、全てのものがもう一つ余計にいる。
2020-06-11 00:41:30・・・若い世代の都市への移動は、耐久消費財への需要を創出する効果を持っていたのである。・・・投資から生産の増大と糸を逆にたぐっていけば、川下において耐久消費財に対する需要に行き着くが、その背後には、人口移動と世帯数の急増が存在した。
2020-06-11 00:41:31このような意味で、人口移動と世帯数の伸びや、高度成長を生み出した究極的な要因であったともいえる。世帯数の増加も、人口移動とほぼ平行して七十年代の前半に急速に鈍化した。こうして高度成長を支えた基本的なメカニズムは消滅した。」吉川(1997,pp. 124-125)
2020-06-11 00:41:32大都市圏への人口移動は、60年代に平均50万人以上の高水準を保ったが、70年から急降下し、70年代半ばにはほぼゼロになった、その後は長期的に低水準となった。
2020-06-11 00:42:25大都市圏・地方圏の人口移動者数と大都市圏への純移動者数 pic.twitter.com/0lpgIgT25n
2020-06-11 00:42:26第二に、1970年にピークに達した大都市圏への人口移動は、その直後から急低下した。1970〜75年の期間において、大都市への人口移動は35.2万人減少した。(これは、約26%の減少である。)
2020-06-11 00:42:271960, 1970, 1975年時点での人口移動数と比率 pic.twitter.com/yRfNAqlsRq
2020-06-11 00:47:06(2)1970年から75年の期間における純移動の急減の原因は、大都市への人口移動の減少が、地方へ人口移動の増加に加えて、起きたためである。
2020-06-11 00:47:07(3)1970年以降、大都市への人口移動が急減した結果、1976年には地方への人口移動と等しくなった。これによって、大都市への純移動は76年にはゼロになった。
2020-06-11 00:47:07地方圏から大都市圏への人口(粗)移動の需給均衡点 pic.twitter.com/Qfb9GKfPoi
2020-06-11 00:47:08本稿では、以下の理由によって、需要曲線は、変動の範囲では、水平であったと想定する。第1に、1970年時点で、地方からの移動者数(75万人)は、3大都市圏の雇用者総数(2450万人)の約3%でしかなかった。第2に、都市圏には集積の利益があり、
2020-06-11 00:47:08労働力の増加は、都市圏の企業の限界生産性を下げても都市圏全体の限界生産性を引き上げる拮抗力が働いていた。都市圏の集積の利益についての実証研究としては、上田・唐渡・八田(2006) を参照。
2020-06-11 00:47:09(-ω-;)ウーン 供給曲線の左へのシフトは、大都市における失業率の増加という短期的な要因でも起きる。失業率が低いときには、求職のコストが下がるからである。
2020-06-11 00:47:09特に、1960年代末の「超完全雇用」の状況では15、大都市での仕事が見つけやすかっただけでなく、大都市の企業が住宅補助や仕度金などを用意したことで、移動費用が異常に低かった。
2020-06-11 00:47:101967年から70年までの4年間は、完全失業率が1.2であったが、この期間は、人手不足であるだけでなくそのために倒産件数が急増するという事態が発生した。60年代前半と全く異なる人手不足の度合いだったので、「超完全雇用」と呼ばれた。
2020-06-11 00:47:10需給曲線の両方のシフトによって、都市への人口移動量が図5のM0からM1に減ったとしよう。もし仮に相対賃金の変化だけが起きていたとすれば、MBの水準になっていたはずである。
2020-06-11 00:48:16したがって、M0からMAが相対賃金変化の効果を示し、MAからM1への変化が、地方人口減少の効果を示している
2020-06-11 00:48:16吉川(1997)は、都市への人口移動の結果、地方の余剰人口が枯渇するとき、国全体の成長にストップがかかるという、アーサー・ルイスの転換点論を援用して、日本の1970年前後の成長の終焉を説明した。
2020-06-11 00:48:19しかし地方圏の総人口は、2000年まではゆるやかに増加し続けた。図7が示す通りである。従って1970〜75年の間の大都市への人口移動の減少を、地方圏の総人口の減少では説明できない。
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