第31回数学カフェ 整数論と幾何学をつなぐ橋

2020/06/20-21 に実施された数学カフェの参考資料や関連ツイートです。
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梅崎直也 @unaoya

数学カフェさんで話す内容もそろそろ固めていかないといけないんだけど、どの辺から始めてどの辺まで話しましょうかね。

2020-05-18 23:56:27
梅崎直也 @unaoya

Weilの手紙にある、リーマンロッホがdifferentに対応するという話はしましょうかね。

2020-05-18 23:59:41
梅崎直也 @unaoya

参考文献の追加です。p進数については、山崎先生のp-進世界へようこそnc.math.tsukuba.ac.jp/cabinets/cabin…と都築先生の数のひとつの拡張 - 合同方程式の極限として方程式 x^2 + 1 = 0 を解く- math.sci.hiroshima-u.ac.jp/algebra/member…が面白そうです。#math_cafe

2020-06-03 22:45:49
数学カフェ@NPO法人 @mathcafe_japan

6/20-21の梅崎さんのご講演の予習会(3回目)の日程が決まりました! 6/14 の13−15時です。後ほど申し込みページを立ち上げます。

2020-06-06 11:38:14
数学カフェ@NPO法人 @mathcafe_japan

以下の資料のp64からスタートしますが、間が空いているので復習にも時間をかけてくださるそうです。@ke_ta3 がお話してくださいます。 dropbox.com/s/9xrf20pm5kou… 梅崎さんのご講演の後にもあと一回ほど開催する予定です!

2020-06-06 11:39:15
梅崎直也 @unaoya

来週末の数学カフェmathcafe-japan.connpass.com/event/178472/予備知識のため、ガロア理論をできるだけ素朴に説明してみようと思います。以下では有理数全体の集合をQで、複素数全体の集合をCで表すことにします。Cにおいては多項式が一次式の積に分解する(代数学の基本定理)という事実を使っていきます。#math_cafe

2020-06-11 12:41:19
梅崎直也 @unaoya

まずは有理数係数の二次方程式x^2+tx+s=0を考えます。これはCに二つの解a, bを持ちます。Cの部分集合Q(a)を有理数とaの足し算、掛け算で表せるもの全体とします。解と係数の関係からb=t-aで、bはQ(a)の要素です。aが有理数とQ(a)=Qは同値ですが、以下ではaが有理数でないとしましょう。#math_cafe

2020-06-11 12:42:09
梅崎直也 @unaoya

例えば、x^2+1=0という方程式であれば、a=i, b=-iとできます。Q(a)はQ(i)とかけ、これはi^2=-1であることを合わせて使うと実部xと虚部yが有理数であるような複素数x+yi全体の集合に一致することがわかります。#math_cafe

2020-06-11 12:42:34
梅崎直也 @unaoya

さて、ここでQ(a)からCへの写像(関数)fであって、f(1)=1であり、足し算と掛け算を保つものを考えましょう。足し算と掛け算を保つというのは、Q(a)の任意の要素p, qに対してf(p+q)=f(p)+f(q), f(pq)=f(p)f(q)となることをいいます。この条件を満たすfはどのようなものかを考えます。#math_cafe

2020-06-11 12:43:54
梅崎直也 @unaoya

条件は足し算と掛け算を保ちf(1)=1です。実はこの条件から、有理数pについてf(p)=pとなることを以下のように示すことができます。例えばf(2)=f(1+1)=f(1)+f(1)=1+1=2であり、同様に正の整数nに対しf(n)=nとなります。またf(0)=f(0+0)=f(0)+f(0)=2f(0)なので、f(0)=0であることもわかります。#math_cafe

2020-06-11 12:44:47
梅崎直也 @unaoya

次にnを負の整数とするとn+(-n)=0であり、nはx+(-n)=0の解として特徴付けることができます。f(x+(-n))=f(0)ですが、fが足し算を保つのでf(x)+f(-n)=f(0)=0であり、-nは正の整数ですからf(x)+(-n)=0となります。やはり複素数においてもy+(-n)=0の解はy=nなので、f(x)=nであることが従います。#math_cafe

2020-06-11 12:45:10
梅崎直也 @unaoya

有理数は整数n, mを用いてn/mと表示できますが、これもmx+(-n)=0という方程式の解として特徴付けることができます。すると、f(mx+(-n))=f(0)であり、f(m)f(x)+f(-n)=0でmf(x)+(-n)=0となります。やはり複素数においてもこの式からf(x)=n/mであることが従います。#math_cafe

2020-06-11 12:45:23
梅崎直也 @unaoya

以上をまとめるとQの要素pはfによりCのpそのものに移ります。では、方程式の解として付け加えたaについてf(a)はどうなるでしょうか。aは方程式x^2+tx+s=0の解であり、この方程式の両辺をfが足し算と掛け算を保つことを用いてf(x^2+tx+s)=f(0)を計算してみましょう。#math_cafe

2020-06-11 12:46:15
梅崎直也 @unaoya

すると、f(x^2+tx+s)=f(x^2)+f(tx)+t(s)=f(x)^2+f(t)f(x)+f(s)=f(x)^2+tf(x)+s=0となります。つまり、f(x)も同じ方程式x^2+tx+s=0の解である必要があります。したがって、f(a)=a, bのいずれかです。逆に、このどちらにしてもちゃんと条件を満たす写像が定まることを示すことができます。#math_cafe

2020-06-11 12:46:47
梅崎直也 @unaoya

以上から、Q(a)からCへの写像fであってf(1)=1であり足し算と掛け算を保つものは、x,yを有理数としてf(x+ya)=x+yaで定まるものとf(x+ya)=x+ybで定まるものの二つであることがわかります。Q(i)からCへの上の条件を満たす写像であればf(x+yi)=x+yiで定まるものとf(x+yi)=x-yiで定まるものです。#math_cafe

2020-06-11 12:48:53
梅崎直也 @unaoya

有理数係数の三次方程式x^3+sx^2+tx+u=0を考えましょう。これはCの中にa,b,cと三つの解を持ちます。これが全て有理数でないとします。注意として、二次方程式の場合と違ってQ(a)に他の解も属するとは限りません。Q(a)にb, cが共に属する場合とQ(a)にb, cがいずれも属さない場合があります。#math_cafe

2020-06-12 13:33:22
梅崎直也 @unaoya

まずはQ(a)にb, cいずれも属さない場合を考えます。Q(a,b)をQ(a)の要素とbの足し算掛け算で表される複素数全体のなす部分集合とします。前と同じように、Q(a,b)からCへの写像で1を1に写し、足し算掛け算を保つものにどのようなものがあるかを考えましょう。#math_cafe

2020-06-12 13:33:36
梅崎直也 @unaoya

今回もやはり有理数pについてはf(p)=pとなるので、fの自由度としてはf(a), f(b)をどう決めるかのみです。前と同様に、fが足し算と掛け算を保ち、有理数についてはf(p)=pであるからf(x^3+sx^2+tx+u)=f(x)^3+sf(x)^2+tf(x)+u=0となり、f(x)は同じ方程式x^3+sx^2+tx+u=0の解になります。#math_cafe

2020-06-12 13:33:53
梅崎直也 @unaoya

したがって、f(a)=a, b, cのいずれかであり、f(b)=a, b, cのいずれかです。ここでf(a)=f(b)とならないことがわかります。これについては一般論でやるとすっきりするのですが、おおよそ以下の通りです。#math_cafe

2020-06-12 13:34:03
梅崎直也 @unaoya

まずa, bが方程式の解であることからQ(a,b)はQ上有限次元のベクトル空間です。a-bはその要素であることからやはりある有理数係数の方程式の解になります。方程式の解になることからa-bの逆数(a-b)^{-1}もまたQ(a,b)に属することがわかり、f(1)=f((a-b)(a-b)^{-1})=0からfの条件に反します。#math_cafe

2020-06-12 13:34:17
梅崎直也 @unaoya

よって、f(a)とf(b)にa,b,cから異なる二つを選ぶとことでfは6通りありえますが、これらが条件をみたすこともわかります。以上でQ(a,b)からCへの写像でf(1)=1で足し算掛け算を保つものは全部で6個です。また、Q(a)にb, c共に属する場合、f(a)を決めればf(b), f(c)も決まるので3通りです。#math_cafe

2020-06-12 13:34:28
梅崎直也 @unaoya

このような写像の集合をHom(Q(a,b),C)と書くことにしましょう。二次方程式の時であればHom(Q(a),C)で、aが有理数でなければこれは要素が2個の集合です。三次方程式の場合はa,b共に有理数でない場合にHom(Q(a,b),C)は要素が6個か3個の集合です。明日はこの集合について調べていきます。#math_cafe

2020-06-12 13:35:06
梅崎直也 @unaoya

週末の数学カフェの講演の内容をちょっと紹介しようと思います。mathcafe-japan.connpass.com/event/178472/ テーマの一つは類体論ですが、例えば以下のような現象を説明することができます。#math_cafe

2020-06-14 14:56:03
梅崎直也 @unaoya

x^2+1=0という方程式の解をmod pで考えると、p=2のときは1個、pがmod 4で1の時は2個、mod 4で3の時は0個という話があります。より一般の整数係数の二次方程式についても同様に、ある整数Nが存在してp mod Nによって解の個数が0, 1, 2のいずれかを判別することができます。#math_cafe

2020-06-14 14:56:23
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