- uchida_kawasaki
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峰:つまり、丁寧にそれらしい人の検査を行ってもまだキャパシティとしては充分余裕がある。係数としても、陽性率が5%程度までに抑えられているということは、検査はそれなりに精度よくされている。
2020-07-14 13:00:28峰:そして、どういう人を検査するかという行政検査の対象にしても、医師が判断したり行政が必要と判断したものをちゃんと丁寧に検査している。そういうことを考えると、現在の実施状況は極めて妥当に運営されていると考えていい。
2020-07-14 13:01:28峰:こういうと、検査の数が少ないという人がいる、特に他国と比較して。ではアメリカと比較してみると、アメリカは日本の何十倍、百倍くらいの検査をしているが、それが充分かというと、はっきり言えば、アメリカは検査が全く足りていない。
2020-07-14 13:02:13峰:何故か?流行状況が(ここで峰、笑う)1日に7万人も出るような大流行なわけで、その流行に即したかたちで検査をしなければならない。しかも、アメリカなど日本や韓国とは違う国は、接触者調査というものがきれいにでいていない。
2020-07-14 13:02:49峰:どこにクラスターが発生しているか、誰と誰が接触しているかが全くつかめない中で、はっきり言ったら、目をつぶった状態で戦わなければならなので、とにかく、どこに感染者がいるのか先ず探し出す検査を彼らはしているわけです。
2020-07-14 13:03:25峰:日本で言えば、新宿のこのあたりにいるだろうとか、ここに感染者がいたからこの家族があやしいだろうとか、そういう戦略をちゃんととれていないところが多い。そうすると、有効な検査が出来ているかというとことに関しては、はっきり言って、手あたりばったりなところがある。
2020-07-14 13:04:15峰:検査の精度から言えば日本の方がおそらく高いだろう。 そしてさらに、ブラジルの例を見ると、検査の数は増えているが、陽性率は80%を越えるような状況で、検査をすればするほど片っ端から感染者なんです。
2020-07-14 13:05:12峰:こういう流行状況になってしまうと、検査をいくら増やしても流行は抑えられないのは明白だ。リスナーの手紙にあるような、検査をしているから抑えられたという、薬を投与したから治ったみたいな話は何の論理的因果関係もない。
2020-07-14 13:05:41峰:検査の数と流行状況の整理(?)はまったく別。ニュージーランドやオーストラリアなどの例を見て、検査をたくさんしたから抑えられたんだっていう、「したから抑えられた」という論理は破綻している。
2020-07-14 13:06:53峰:そうではなくて、今流行状況はどうで、どういう対策をするために、どういう検査を行うのか、という「検査の目的」「最適な検査」そして検査の結果を基にした有効な施策が打てているかどうか、そういうところをお話ししなければならない。
2020-07-14 13:07:26坂本史衣:ほぼ峰氏に言いつくされたが、東京都が今一番検査をしている。3月の時点ではキャパシティが少なかったが、今はPCRセンターが各区にできており、ちょっとした味覚障害があります、あるいは熱が続いていますという方に非常に簡単に、開業医さんでも、大きな病院でも、できるようになった。
2020-07-14 13:10:30坂本:事前確率で濃厚接触者を絞り、濃厚接触者ではないが感染リスクの高い職業群には集団検査をしており、その結果陽性率が5%を切っている。ということは検査の数としては充分だと判断していい。
2020-07-14 13:11:11坂本:単純に、何件検査をしたから立派なんだという、数でもって、流行状況をまったく考えに入れずに、数だけの単純比較っていうのは、まずそれは違うよ、ということと、あとその、えー、…えー、そうですね、その数の比較っていうのは駄目だし、あとそれですね、何だっけな、あれです、~
2020-07-14 13:13:37坂本:~その、検査をたくさんしたから流行を抑えられるということには何ら疫学的なリンクというのは、実はない。非常に理屈の組み立て方として、飛び石を百個くらい飛び越したくらいつながってない。 (注・このあたりから坂本の口調が強めに変化した印象)
2020-07-14 13:16:12坂本:それはたぶん誰か、安心のためにやりたい検査というのはあまり意味がないですよ、と言ったことがあるのを、自分のやりたかった検査を否定された思いを持っている方ってたぶんたくさんいて、それを私は責めはしません、もちろん責めはしません。
2020-07-14 13:17:02坂本:だけど、無症状の、まったくですね、感染している可能性が高くない人に検査をやって、ま、百人やりました、どのくらい見つかりますか?と言った時に、ほとんど見つからないんですよ。偽陰性が出てしまうことも非常に多いですし、感染してても引っかからないんですよ。
2020-07-14 13:17:39坂本:で、その偽陰性の結果を以って今貴方は感染してませんということは言ってはいけない。それは嘘なんです。あと偽陽性も一定の割合で出ます。
2020-07-14 13:18:37坂本:そうすると本当は感染していないのに陽性が出てしまった人は、じゃあ隔離しますか?妊婦さんいますけど、帝王切開になりますけどいいですか?家族と引き離されますけどいいですか?そういうことも起こり得るんです。
2020-07-14 13:19:20坂本:検査でもって確実に感染者を引っ掛けられるんであれば、そりゃ我々も無症状の人だろうがなんだろうが「やったほうがいいよーっ!」という話に当然とうの昔にしてた筈を、それを今やらないというのはそれなりの大きな理由がある。
2020-07-14 13:20:22坂本:検査の限界というものをしっかり、あの、難しい理屈ではないので、知っていただいた上で、どういう人に対して行う検査が本当に感染の抑制につながるのかっていうのを、一般の方もこれを機に広く知っていただきたいなぁというのが我々の願いです。
2020-07-14 13:20:53坂本:検査が万能だと思っている限りは、そこにすがってしまい、それが満たされないと不安が増強したり怒りに変わったりということもあるんじゃないか。そうした情報提供をマスコミも医療者も丁寧に丁寧にやっていかないといけない。
2020-07-14 13:21:30荻上:早期発見が早期対応につながるのなら検査数を増やすのは良い選択ではないか、と思う人がそれなりにいると思いますが 坂本:それが出来たらいいですよね。ただ、感度の問題がある。無症状の方にやった時に感染者をどれだけ拾えるか、正しく陽性に入れるかという問題が、はっきり言って低いです。
2020-07-14 13:23:08坂本:それでもいいからやりましょうという選択肢がないわけじゃない。だけど資源が有限なのだから、どこに振り分けていくか、その不確実な結果しか得られない検査を、おそらく多くの人にやらないと見つからない。でも多くの人にやればやるだけ偽陰性も増えるし偽陽性も増えていく。
2020-07-14 13:23:58坂本:トレードオフを考えた時に、お金もかかる偽陰性偽陽性が一定の割合で出ます、でもまぁ少し見つかるかもねって言った時の、どこに資源を分配していきますかっていう話なんです。
2020-07-14 13:24:34