#twhihyo 【まとめ】 お気に入りついのべ作品集（第五回 #twnovelOFF 参加者推薦）

さとまる @satomaru76

#twnovel いつものカフェ。受験生らしい少女に話しかけた。手こずっていた物理の問題にアドバイス。帰りがけ、持っていた本を譲った。私も誰かにもらった本。自分の進む道を決めた本。彼女の指針になってくれるだろう。彼女は私。そこは「カフェ・タイムマシン」。

@dropletter

職安に行く途中、道端に人が倒れていた。大丈夫ですか？と聞くと「本当はもう、働き始めなきゃいけないんだけど…」と辛そうに目を伏せる。僕と同じだな。飴玉を差し出し、辛いけどこれでも食べて頑張りましょう、と励ました。後日、遅めの春が来た。その風から飴玉の匂いがした。 #twnovel

@sobatoyou

事故で視力も手足も無くした君を、僕は出来る限り支えていくつもりだ。見えない君に景色を語り、歩けない君の足になり、こうして食事を口に運ぶ。その代わり、僕が誰なのか秘密だよ？本当の景色も、連れて行った場所も、君が本当は何を食べているのかも、みんな、みんな秘密だよ。 #twnovel

藍　真史 @shin1960

#twnovel その街が最良の街だとは思えなかった。その学校が最良の学校だとは思えなかった。その家が最良の家だとは思えなかった。その仕事が最良の仕事だとは思えなかった。その思想が最良の思想だとは思えなかった。その恋が最良の恋だとは思えなかった。いつも最良の隣にある人生。

よしのちほ @chiho_yoshino

本を燃やした。私と彼の物語に似ていると、大事に読んだ本だった。数ヶ月後、また本を燃やした。私と新しい彼の物語に似ていると、これもまた大事に読んだ本だった。以来、失恋するたびに本を燃やして燃やして。やがて燃やす本がなくなり、私は作家になった。 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

私にとって不幸だったのは、貴方がそばにいたことです。貴方が優しくて大きくて面白くて頼りになって格好よかったから、他の男に目がいかなくなっちゃったじゃないですか。どうしてくれるの、おじいちゃん。と、文句をぶつける遺影の写真がまた、格好いいんです。 #koibumi #twnovel

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 彼女はちょっとドジな所がある。歯磨き粉で洗顔してみたり、シャンプーで身体を洗ってみたり、コーヒーに塩を入れ、俺の事を「お父さん」と呼んでみたり。だから今彼女が言った「ワカレマショウ」もきっと何かと言い間違ったんだと思うんだが、どうして彼女は泣いているのだろう？

夕凪奏恵 @k_you_nagi

#twnovel この時期、研修を終えた新人達が現場に出ています。なにせ不慣れなものですからミスも目立ちます。今日も空を夜色に塗っている新人が雲に絵の具を落としてしまいました。さらに雲を洗うのに慌ててしまい、少々水を溢してしまいました。しばらくはこういった雨にどうぞご注意下さい。

@nanisore_kawaii

小６の女子です。慣用句のテストで「赤子の手をひねる」が出たんです。だから「残酷」って書いたんですけどバツでした。先生は「容易」だとかなんとかって言うんです。わたしは、ふつうはそういうことはしないと思うんです。大人になると赤ちゃんの手をひねれるようになるんですか？ #twnovel

ジュン @jun50r

#twnovel 母が庭に種をまいた。「なんの種？」「近所の人に貰ったんだけど、なんの種かは教えてくれないのよ。育ってからのお楽しみ、だって」翌日、芽をだした種はすくすくと木に育ち、奇妙な実をつけた。「うわ。俺の顔そっくりな実がなってる」「なるほど。悩みの種ね」

ゆう @yukiririkiriri

#twnovel 葬儀が終わった。ここ数日は忙しすぎて、悲しむ暇もなかったけれど、親戚たちが帰った家は、ひどく広く感じられた。お花を買いに行こう。そう思って、ついでに覗いた郵便受け。船便で届いた絵はがきには「元気だよー」と笑う彼の似顔絵。返事を書こう。届かないのはわかっていても。

とをあまりむつ @towoamari

昔むかしのある国に、太った王がおりました。飢えに苦しむこの国で、丸々としておりました。「城の中には食べ物が、たくさんあるに違いない」怒り狂った国民は、城を襲ってしまいます。ですが中身は空っぽで、あった物と言ったらば、綿で太った胴衣にマント、痩けた男だけでした。 #twnovel

莉仔しとらす @Lico_citrus

#twpoem #twnovel 晩ごはんメニューは何にしようか。この時間帯の習慣化した悩み。ずっと眉をしかめてたので、少し笑顔になってみた。そしたら娘の顔が浮かんできた。…この前『また作ってな』と笑ってくれた、鶏ミンチのハンバーグをまた作ろうっと。

さとまる @satomaru76

#twnovel 人間長く生きてりゃ言えないことの一つや二つあると思うからさ、理想の相手は「隠し事をしない人」なんて言わないわよ。でもね、「隠したなら一生隠し通してくれる人」がいいわよね。わかる？別れ話のあとに突然過去の浮気を白状し始めたあんたに言ってんだけど。

@K_Ichida

#twnovel 「面祭りの時の相手を探してるんだって？」「うん。祭りの時ってお面して、手をつなぐじゃん。だから誰だかわからなかったんだよ」「好きなんだ」「まあね、女子にしては背が高くてさ。気があってさ。誰だったんだろう」「なんで女子だと思ってんの？」「え？」 #twnvday

水木ナオ @nayotaf

貴方が気軽に口にする「死ね」、その僅か二文字の意味は、命掛けで母に産み落されてから、美味しかったご飯、心震えた言葉、他に誰も同じという人はいない一日を積み重ねてきた非常に重たい時間を終わらせる、ということだと、ようやく実感頂けました？それでは、「死ね」 #twnovel

高山 環 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕（宝島社文庫）」より発売中 @Takuya11

#twnovel 「別れよう」彼が言う。私は涙を流す。自分の泣き声で目が覚めた。横に彼が寝ている。「夢だよ。心配ない」優しく彼が語りかける。彼が私の肩を抱くと、再び私は目が覚めた。今度は独り。現実の私に彼はいない。別れる彼がいるのと最初から独りなのとどちらが不幸ではないか考える。

サクラコ💉💉💉💉 @mononeko

私の猫が私より長生きしますように。最後まで私の傍にいてくれますように。しばらく私の顔を舐めたら、すぐに私の事を忘れてどこか遠くへ行ってくれますように。そしてその前に、私が窓を少しだけ開けておくのを忘れませんように。 #twnovel #tanzaku

catroll @catroll

#twnovel その万年筆を買ってから一度もインクを補充していない事に気が付いた。ブルーブラックではない、黒々とした筆跡は擦れる事も無かった。どんなインクか気になり後軸を外した途端、その大きさに釣合わない量のインクがあふれ出た。部屋を染める闇。インクではなく夜が入っていたのだ。

ヨシムラ @ortk

幼い頃父に、仕事って楽しい？と聞いたことがあったらしい。父が職場で自殺未遂をした直後とも知らずに。父はほどなく職を変えた。そしてよく、お前には助けられた、と頬を撫でられた。あの手のひらを、屋上の手すりを掴むまで忘れていた。子供がいたら、踏みとどまれたのだろうか。 #twnovel

舞夜じょんぬ @maiyoru

#twnovel 未知の感冒で寝込んだ高一の僕。看病してくれたのは見知らぬ大学生のお兄さんだった。なんとか治った頃お兄さんはいなくなってしまった。その三年後大学に進学した僕へ「タイムワープのお願い」という手紙が役所から届いた。免疫のできた僕しか看病できない、そういうわけだ。

新城カズマ　「小説すばる」８月号で生成系AIたちと小説演奏中 @SinjowKazma

@k_you_nagi では幻想的な月夜の記念、久しぶりに即興 #twnovel をば：少女は草花を傷つけずに摘んでいた。カシャリ、カシャリ。そんな彼女を月は笑って眺めていた。少女は気づき、小さな機械を夜空にむける。カシャリ。——消え失せた月は、だから、今はあの子の携帯の中だよ。

ゆえ @sakuyue

ぼくは雪を見たことがない。テレビとか写真とかでどんなものかは知っているんだよ？　でも、ホントの雪はまだ見たことがない。いいこにしてたら雪が見れるかな？　ぼくはじっと空を見る。 #twnovel 「あの子ったら寒いだろうに窓から離れないのよ」「きっと犬の本能が雪を待っているんだよ」

よしのちほ @chiho_yoshino

別れ話が長すぎます。１４０字以内で話してください。 #twnovel

あＱ （CTT) @aquall

渾身の一作が書き上がった。よもや140文字でこれほどの大傑作を書き上げる事が出来るとは。計算されつくした文字、美しく無駄が無く、最高の物語をギリギリの”140文字丁度”で書き上げたのだ！「先生、#twnovel タグの分、文字数オーバーです」「…ZIPで圧縮し」「出来ません！」