稲川淳二の『つぶやき怪談』(2020.7.20)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

みなさん、お変りない（訳ない）ですか？　 　稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

“先が見えそうで見えない今の状況から、何時になったら開放されるやら”

稲川淳二 @Junji_Inagawa

とは思うものの、 重く垂れ籠めた梅雨空も、軈て明ければ、 夏全開ですから、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

８月で７３歳になる淳Ｇ（爺じぃ）も、 ツアーに向けて、猛チャージ！

稲川淳二 @Junji_Inagawa

老骨に鞭打ってますよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

今年は中止になった怪場もありまして、ご心配をおかけしましたが、 例年より少し遅れて、２５日からスタートです！

稲川淳二 @Junji_Inagawa

２８年目を迎える 「ミステリーナイトツアー２０２０・稲川淳二の怪談ナイト」は、 記憶に残る公演にしましょう。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

みんなが大好きです！　感謝でいっぱいです！

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それでは、今回の「つぶやき怪談」そろそろ始めましょうか。 ゆったりと、くつろいで、お付き合いいただければと思います。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そんな訳で、怖ーい噺で楽しんで下さい。 稲川淳二の「つぶやき怪談」、怖・楽しい時間を、共有しましょうね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

これはね、今は引退されてますが、 ベテランの美術の関係の方で、Ｎさんという方から伺った話なんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

Ｎさんは、戦時中はまだ若手で、 さほどそういった仕事では活躍していなかったんですけれど、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

戦後はというと舞台の裏方としてですね、 活躍した人なんですねえ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

なかなか才能もありましたし、力のある人ですから、 随分、みなさんに可愛がられたそうです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その頃はというと、 世の中、芝居を見る余裕なんてない頃ですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

戦後のドサクサでしたからね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ところが、大衆というのは娯楽に飢えてましてね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

当時は新しい音楽だとか、映画なども、 外国からも入ってくるような時代で、 まあ、チラホラだけれども、そういうのが入ってくる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そうすると結構ですねえ、興業も非常に賑わったりしましたね、 そこそこ当たってたそうですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ですから舞台の方もお陰様で、 そこそこ忙しかったんですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その頃、 Ｎさんは東京のある劇場のスタッフとして入っていたんですが、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「いやあ、あそこはねえ、そんな話はいくらでもあるんだよ。 有名だったからねえ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そう言いながら、 そこの劇場であったという恐ろしい話をしてくださったんですねえ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

夏の日の、そりゃあ、蒸し暑い夜のことですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

当時、有名なある俳優さんの付き人が、 その先生の小物と台本を入れたバッグをですね、 楽屋に忘れちゃったんですね。