【漫画「安心して感染したい」に込めた思い】「もっとお互い労りあって“新型コロナ引いたんだ”謝ることはない。普通に会話ができたら。」

「安心して感染したい」　感染者ゼロのまちが発信　漫画に込めた思いとは？【新潟・見附市】

https://www.fnn.jp/articles/-/67680

いま、ＳＮＳなどで話題になっている漫画があります。タイトルは『安心して感染したい』。ドキっとするタイトルですが、この漫画には新型コロナウイルスに感染した人に対して私たちが抱いてしまいかねない本音が描かれています。

《漫画》

「狭い町で噂になるから１人目の感染者にだけは絶対になりたくないわ～」

「感染したってわかったら、この町ん中ですぐに村八分にされんぞ～」

「感染なんかしたら『あの人』って後ろ指さされちゃう。町中どこでも」

「周りから陰口たたかれて、この町に住めなくなる」

これは、見附市の発信するフェイスブックページに投稿された漫画『安心して感染したい』です。

描いたのは、見附市で手描き広告などを手がける村上徹さん。市の公式レポーターとして週に一度作品を投稿しています。日頃、幅広い世代の人と交流することが多いという村上さんは、新型コロナウイルスの話題が出ると、漫画のセリフのような言葉を聞くことが多くありました。

【村上徹さん】

「最初の漫画の４コマはイライラしながら描いた。自戒も込めて。自分もそうだから」

イライラしたのは、漫画のように感染を怖がり、感染した人を責めてしまう気持ちが自分の中にもあると気づいたから。しかし、この漫画には続きがあります。

《漫画》

「噂するのも、村八分にするのも、後ろ指さすのも、陰口をたたくのもウイルスじゃない。この『人』なんだよなぁ」

【村上徹さん】

「うつる、うつらないだけで、ここまで僕らは残酷になったり、自分が残酷であることに気づかない。そこもちょっと怖い」

この漫画が掲載されたフェイスブックページは多くの人に共有され『心のモヤモヤした部分が言葉になっていてうれしかった』など、たくさんのコメントも寄せられています。

【村上徹さん】

「みんな怖いし、みんなこうなりたくないし、みんなで今とは違う方向に行こうぜという提案にも賛成してくれる人がたくさんいたから、ここまで広がったと思う」

『安心して感染したい』というタイトルには、いまだ感染者が一人も出ていない見附市で、もしも一人目の感染者になったとしても「大丈夫」という思いを込めています。

【村上徹さん】

「お互いに怖がって、お互いを攻撃しあうのはおかしい。だったら、もっとお互い労りあって“感染したんだ”ではなく、“新型コロナ引いたんだ”謝ることはない。普通に会話ができたら。だから“安心して感染できたらいい”」

感染者を非難する気持ちや行為は正しいものなのか。優しいタッチの作品で自問自答するきかっけをつくりました。