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1.デービス『超準解析』 上部構造による超準解析で,一番わかりやすい(わかりやすいとは言ってない)本.ただし広大モデルまでしか扱ってない.難波完爾によるあとがきも広い視野を与えてくれる.この和書は絶版だが原書 Davis ``Applied Nonstandard Analysis''はDover版が入手可能
2020-07-25 20:38:502.A. Robert ``Nonstandard Analysis'' 超準集合論ISTを用いた超準解析のコンサイスな入門書.150pぐらいの本だが内容は結構豊富.
2020-07-25 20:41:113.M. Vaeth, ``Nonstandard Analysis''. デービスと同様に上部構造による超準解析を扱っている.内容はデービスより少ないが,飽和モデルなどが整理されて扱われている.またAppendix A として*-写像の値の重要な例が扱われており,自分には大変役に立った.
2020-07-25 20:45:424.Kanovei & Reeken, ``Nonstandard Analysis, Axiomatically''. 超準集合論についての包括的な視点を90年代までの結果を通して与えている本.中心として扱われているのはIST,BST,HST.「ISTの神話」を解体する丁寧な記述が面白かった.
2020-07-25 20:48:585.A. Robinson, ``Non-Standard Analysis''. 御大の記念碑的書物.いまだに「Robinsonがこれこれのことをやってるが...」という形で引用されることがある.この本の中にはその後打ち捨てられた道も載っている.なぜ打ち捨てられたのか?ということを考える上でも重要.
2020-07-25 20:55:406.中村徹『超準解析と物理学』いろいろな本を比べてみたが,Loeb測度は(自分の興味からすると)比較的読みやすく書かれていると思った.確率解析的な部分がこの本の本来の目標らしいが今の所そのへんはスキップしている.
2020-07-25 20:59:04【7】Hrbacek, Lessmann, O'Donovan, ``Analysis with Ultrasmall Numbers''. Kanoveiが創始したBSTを「相対化」したRBSTという超準集合論に基づく超準解析の入門書.「相対化」に伴って議論が複雑になるのを避けるために文脈化という原理が取り入れられ,オイラー風の議論をそれなりに復元できる.
2020-07-25 21:48:01【8】Cutland, Di Nasso, Ross (eds), ``Nonstandard Methods and Applications in Mathematics'' 超準解析についての2006年の論文集.このなかのHrbacekの記事で【4】では扱われていなかったR系(相対化を含む超準集合論)の概観まで扱われている.
2020-07-25 22:45:48【9】Hurd and Loeb, ``An Introduction to Nonstandard Real Analysis''. 超準解析の入門書だが,Loeb測度をダニエル積分の要領で導入しているところが特色.
2020-07-25 22:50:34【10】Lightstone and Robinson, ``Nonarchimediand Fields and Asymptotic Expansions''. タイトルからは想像しづらいが,超準解析で作られる特定のタイプの無限小をうまく使って漸近解析を行うという話らしい.ざっと眺めただけなのでそのうちちゃんと読みたい.
2020-07-25 22:54:49【11】Lutz and Goze, ``Nonstandard Analysis''. ISTを用いているのが特徴.一応前提知識ゼロでも読める体裁にはなっているが【2】などで肩慣らししておくと良いかもしれない.ISTユーザの間でfolkloreになりかけていた話が解説されていたりして,クランの外の人間にはありがたい.
2020-07-25 23:06:29【12】Diener and Diener (eds.), ``Nonstandard Analysis in Practice''. 主にISTを使った論文が集められている.Tutorialも内容が濃く,Nelson1977を読んだだけでは気づけないような視点を与えてくれる.
2020-07-25 23:13:05【13】Siu-Ah Ng, ``Nonstandard Methods in Functional Analysis''. よく調べて色々(他の本には載ってないような)話題や扱いがカバーされているが,証明が露骨に間違ってたりするので要注意な本.間違った議論に気づいて自分で修正しながら読めるなら有用.
2020-07-25 23:17:22【14】Stroyan and Luxemburg, ``Introduction to the Theory of Infinitesimals''. 超準解析の本.飽和モデルの構成などが丁寧に触れられている.「微積分を超準解析でやる」話も結構詳しく載っている.古い本だが参考になるので付箋をいくつかつけてある.
2020-07-26 19:28:58【15】Loeb and Wolff (eds.), ``Nonstandard Analysis for the Working Mathematician''. 2章に,上部構造による超準モデル構成で使いがちな「集合論的原子」の問題のwork-aroundが丁寧に述べられている.自分が配布しているPDFでもこの箇所を参考にした.Loeb測度について述べた章は未読.
2020-07-26 19:33:13【16】Gantmather, ``The Theory of Matrices''. 線形代数の本.かなり古いがあまり普通の線形代数本では扱っていないようなことが述べられていて面白い.(n次行列からp次小行列を作ったものをまとめた行列に関する話題など).
2020-07-26 19:36:54【17】川又雄二郎『射影空間の幾何学』.代数幾何を勉強しようとしたら射影空間の定義が与えられ,結構非自明な結果が演習として軽く触れられていた.そこでもう少し丁寧な本が欲しくなってこの本を眺めている.
2020-07-26 19:38:30【18】Goldblatt, ``Lectures on the Hyperreals''. 超準解析の入門書.移行原理の記述などは自分の趣味に合わないが,全体としてはスッキリ書かれており,良書だと思う.
2020-07-26 19:41:19【19】van den Berg, ``Nonstandard Asymptotic Analysis''. 超準解析では(気分的な表現だが)「0に収束する量の残像」のような量をうまく扱える.この性質を漸近解析に応用した本.
2020-07-26 21:02:21【20】コーヘン『連続体仮説』.タイトル通りの内容の本だが「一般の」数学者向けの講演がもとになっており,最初に手早くZFCについて解説している箇所がある.とりあえず公理を列挙してごく簡単な帰結を述べているだけなのではやく学べる.(この箇所しか読んでいない).残念ながら絶版らしい.
2020-07-26 21:06:10【21】キューネン『キューネン数学基礎論講義』.コーヘンの本だと順序数のあたりがよくわからなかったのでこの本で順序数の初歩を学んだ.初学者が混乱しないように大変丁寧に書かれている.
2020-07-26 21:08:16【22】江沢洋『物理学の視点』.ISTの創始者ネルソンによる確率力学の話が紹介されている.雑に紹介すると「ニュートン力学+ミクロなランダム擾乱=量子力学」というような話.
2020-07-26 21:17:05【24】竹内外史『線形代数と量子力学』.(はっきりそうだとは書かれていないが)超準解析を利用して「超有限線形空間」を無限次元ヒルベルト空間の代わりに使う議論がなされている.
2020-07-26 21:22:42