【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」】
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【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」01】 魏の鄴都(ぎょうと)にいる曹丕のもとに、蜀と呉が同盟を結んだという報告が入ります。にわかに信じがたい曹丕。呉はつい先日まで蜀攻略のための五路の作戦に味方し、長江をさかのぼったばかりだからです。結局五路の策はすべて失敗でしたが。
2020-08-12 16:09:41【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」02】 報告によれば蜀から鄧芝が呉に訪れ、呉もまた張温という者を蜀に送って蜀呉同盟を結んだとのこと。むむっ、と唸る曹丕。呉が五路進攻作戦になんだかんだ理由をつけて峡口から攻めなかったのはそのためか、と。若干ズレはありますが概ね合ってます。
2020-08-12 16:13:59【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」03】 許せん、と曹丕。蜀と呉をこのままにしては、いずれ魏を狙うのは火を見るより明らか。すぐに呉を討ち、そして蜀を討つ、と出陣を宣言します。しかし反対する臣下が出ます。五路の作戦が不首尾に終わった今、再び軍を起こすのは国内的に不評を呼ぶと。
2020-08-12 16:17:03【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」04】 ここ十年、兵を養い食糧を蓄えてから攻めれば呉も蜀も攻め破れるだろう、という臣下の意見に、曹丕は、十年も待てるか、とすぐに戦準備にかかれ、と言います。しかし、ここで司馬懿仲達が呉を攻めるに船が足りない、と言います。
2020-08-12 16:22:52【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」05】 現状では魏には二千の戦船がありますが、それでは不足なのか、と曹丕。仲達はもっと必要だといいます。ふむう、と曹丕は一考。ならば、あと千隻の船を造らせよう、と言います。魏の造船所を総動員して急いで造らせよ、と命じる曹丕。
2020-08-12 16:24:46【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」06】 こうして魏は日夜朝暮突貫作業で造船に取り組みます。特に曹丕の旗艦は、竜骨二十余丈、兵二千人を乗せるという巨大なものでした。 魏の黄初5年8月、3千隻の戦船を整え長蛇の列となって呉に向かいます。それはさながら浮かべる長城といった威容です。
2020-08-12 16:28:00【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」07】 この報が直ちに呉にもたらされたのは言うまでもありません。一大事と見た孫権は、臣下たちに善後策をどうすればよいか持ちかけます。まずは蜀呉同盟に基づき、孔明に告げ蜀軍は長安方面につかせ、我らは要害を固めなければ、という意見が出ます。
2020-08-12 16:30:04【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」08】 しかし孫権は、その程度で三十万の大軍は防げぬ、と困ったときの陸遜だのみ、陸遜を呼び出そうします。しかし、張昭が、陸遜は荊州を守っていて北国の大軍を防ぐ身。軽々しく動かせないと言います。もし動かしたら夏侯尚らの軍勢が攻めてくると。
2020-08-12 16:32:26【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」09】 困り顔の孫権ですが、徐盛が前に出て、自分が魏の軍勢と当たると言い出します。うまくいかなかったら一族を誅して罪を正されても本望、と決意表明。徐盛が江南一帯を守ってくれるなら自分も気づかいはない、と孫権は、徐盛を総司令官に任命します。
2020-08-12 16:35:15【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」10】 かくして対魏防衛の総司令官となった徐盛は、曹丕に目にものをみせてくれるわ、とやる気十分です。 最前線の陣に到着した徐盛は早速、諸将を集めて、檄を飛ばします。全員が一致団結して戦わねばこの危機は乗り切れぬ、と。
2020-08-12 16:38:20【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」11】 ところが、総司令の考えに反対だ、と言う者が現れます。孫権のおいの孫韶(そんしょう)です。孫韶は、なぜすぐに軍勢を繰り出し、長江を渡り淮水の南に進出して敵を迎え撃たないのか、と言います。
2020-08-12 16:40:15【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」12】 徐盛は、軽々しい奇襲で破れる相手ではない、敵の船が長江の北岸に集まったところを一気にたたくつもりだ、と孫韶の意見とは異なる作戦を立てていたようです。ならば自分だけでも、と孫韶。しかし、この作戦は一糸乱れてもならぬ、と徐盛。
2020-08-12 16:42:49【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」13】 魏の大軍に上陸されたら国中の人民が騒ぎ、収拾がつかなくなる。このような消極作戦では魏の大軍は打ち破れないとなおも主張する孫韶。徐盛は勝手な行動は許さぬ、軍法を犯すと許さぬぞ、と言います。
2020-08-12 16:44:38【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」14】 徐盛が許さないのなら、勝手に行動を取らせてもらう、と孫韶が言うと、さすがに堪忍袋の緒が切れた徐盛。孫韶を捕らえ、その首をはねろ、と言います。一人の勝手な真似を許していては諸将に対して我が命令を行うことができん、早々に首を打て、と徐盛。
2020-08-12 16:46:50【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」15】 このわからずやが!と孫韶も負けてはいませんが、ここは総司令官である徐盛の命令が上に立ちます。連行される孫韶。自分は昔、広陵を守ったことがあり、その地理はよく知っているから、敵に一泡吹かせられたのに残念だ、と言います。
2020-08-12 16:48:44【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」16】 これも天命なら、じたばたしないで潔く斬られてやるわ、とどっかり座る孫韶。しかし、役人は、孫韶が孫権の親族であることから、すぐに刑を執行するのはためらってしまいます。二人の刑吏が押し付けあっています。これで少し時間稼ぎができました。
2020-08-12 16:50:58【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」17】 一方、孫韶が打首にされかかっていると聞いた孫権は、それはいかん、と馬に乗って急行します。刑場では役人が刀を持って震えていました。そこに孫権が到着。兵士たちは孫権を見て跪きます。
2020-08-12 16:52:48【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」18】 一旦処刑を止めさせた孫権は、孫韶に事の次第を尋ねます。徐盛の意見との食い違いが原因と聞いた孫権は、孫韶を連れて徐盛のもとへ向かいます。孫権の到着に驚く徐盛。しかも断罪を言い渡した孫韶までいるではないですか。
2020-08-12 16:54:56【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」19】 孫権は、意見の食い違いで起こったことのようだが、孫韶もまだ若く血気にはやってやったことだから許してはくれまいか、と徐盛に。しかし、徐盛は感情ではなく軍法に従っているだけだといいます。大王自ら国家の掟を破るとは何事かと。
2020-08-12 16:56:55【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」20】 徐盛の言うことは正論ですが、そこを曲げて今度だけは、という孫権に、大王にそこまで言われれば死罪だけは許しましょう、と徐盛。孫韶に今度は指図に従うか、という徐盛に対し、いやでございます、と孫韶。これには孫権もびっくりです。
2020-08-12 16:59:45【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」21】 こんな作戦には今後とも服さぬ、軍法に背くかもしれないが、呉国のためには自分のやり方が最大の計であると信じてる、と言う孫韶に、このわがまま者、口を慎め、と孫権。しかし、孫韶は止まりません。出撃して曹丕を打ち破るほかない。
2020-08-12 17:01:42【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」22】 死んでも徐盛の意見に従う気はない、とまで言い切ってしまう若き孫韶。孫権はたまらず、黙れ黙れ、と下がらせます。退室する孫韶の後ろ姿を見て、徐盛にすまぬ、と頭を下げる孫権。いたたまれない空気になっております。
2020-08-12 17:03:14【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」23】 あの者がいなくても呉の損失とはならない。これよりのちは二度とあれを用いるな、と孫権は言います。 これで一件落着か、と思いきや、夜になって孫韶は、手勢三千を引き連れ長江を渡ったという報告が入ります。
2020-08-12 17:04:53【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」24】 孫韶の聞き分けのなさは筋金入りですね。しかしながら、このままにして孫韶に万一のことがあれば、呉王・孫権の対面を傷つけるだろうと言って、丁奉に三千の兵を引き連れ孫韶の加勢に当たれと言います。
2020-08-12 17:07:08【横山光輝「三国志」講座310「浮かぶ長城」25】 丁奉は急いで三千の兵を引き連れ、孫韶のあとを追いかけます。 果たして暴走する孫韶の行為が吉とでるか凶となるか。この続きはまた次回です。 今回はここまで。
2020-08-12 17:08:38