『悪い虫』 勇尾 原作軸 全年齢

夏目一加 @natumeitika

お盆ムードだけど、私はお尻を蚊に食われちゃった兄様のこと考えているから。 「蚊に食われました。かゆくて敵いません。こんなところ食われたのは、昨日の勇作さんのせいですよ」

夏目一加 @natumeitika

兄は軍袴を下ろし、尻にかかった襦袢を引き上げる。突き出すように晒された白い尻たぶに、ぽつぽつと二ヵ所、太腿に更にもう一つ、赤く腫れた虫刺されがあった。 「き、昨日は、あの……。本当に申し訳ございま……」 「そういうのいいですから、早く薬を塗って下さい。自分じゃ塗れないんですよ」

夏目一加 @natumeitika

「は、はい。今すぐに……」 弟は薬を指で掬い、兄の尻たぶの虫刺されにそっと乗せる。ふるっと兄が体を震わせたので、慌てて弟は指を離した。 「あ、すみません……！」 「なに、ちんたらやってるんですか。くすぐったい。もっとグリグリ塗り込んで下さいよ」

夏目一加 @natumeitika

「は、はい……！」 苛立つような兄の言い方に、弟はなお一層委縮してしまうが、自分を奮い立たせ、指をぐっと兄の尻たぶに沈めていく。 「はぁ……」 吐き出された兄の吐息が、熱を帯びているように聞こえ、弟はのぼせたように体が熱くなる。