『悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。』カクヨム連載版の各話裏話

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

電撃の新文芸『悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。』、発売から一週間目になりました。面白いとの言葉をちょくちょく目にしているので嬉しく思っています。 まだまだ外出に不安がある中、皆さんのおうちライフに潤いを与えられたなら嬉しいです。 twitter.com/yasuyuki_syuri…

珠梨やすゆき @yasuyuki_syuri

【告知】電撃の新文芸『悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。』(著・翅田大介先生) 本日発売日ですー よろしくお願いします！ kadokawa.co.jp/product/322005… amzn.to/2PMbYNS pic.twitter.com/8BQBA5KStC

2020-08-12 00:12:57

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

『悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。』、電撃の新文芸より発売されて１０日ほど経ちました。カクヨムの方もPVがもうすぐ８万ですね。そこでカクヨム連載版の各話裏話も絡めて宣伝したいと思います。一日一話ずつかな？ #ヤクザ令嬢

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

悪役令嬢もののスタートは断罪イベントor転生直後かで二分されますが、書籍化も視野に入れてたので最初のインパクト重視で前者から、と最初に決まりました。で、断罪イベントから転がすのに印象的なものを考えるウチ、「王子様に指詰めさせる」ということにｗ #ヤクザ令嬢 kakuyomu.jp/works/11773540…

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

断罪イベントからはじまる物語は『公爵令嬢の嗜み』が代表格ですね。転生直後、というよりゲームスタート前スタートだと、みんな大好き『はめふら』がありますね。 どっちの導入も好きなのですが、これは悪役令嬢ものをどう捉えるかで書き出しが分かれると思います。すなわち復讐ものにするかどうか。

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

悪役令嬢ものの面白さを『ざまぁ』と見ると、自然と復讐もののロジックが適応されます。例え悪役令嬢が復讐を誓わなくても。 断罪イベントからはじまることが決定したので、ヤクザ令嬢は自然と『ざまぁ』展開、復讐もののロジックで進行することになりました。

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

断罪イベントから始めるから『ざまぁ』展開にする。ある意味、多くの悪役令嬢ものとは作る順序が逆ですね。普通はざまぁしたいからどんなストーリーにするか、と考えると思うのですが。 あとがきで「出落ちチック」と評したのも、まずこのプロローグありき、でプロットを立てたからです。

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

というか、いま人気の小説の多くは復讐ものですね。追放ものもそうですし、無能と思われてた系もそうですし。復讐ものが流行ってることですし、そろそろ『虎よ、虎よ！』をアニメ化しない？　あ、したか。『巌窟王』がそれですね。 待て、しかして希望せよ！（CV：中田譲治）

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

中身のヒト説明回。和泉霧羽。悪役令嬢の中身がヤクザの女組長ということで、言わずと知れた『セーラー服と機関銃』から名前をちょっと拝借しました。霧羽、はインスピレーション。個人的に苗字はもじり、名前は自分で考えて、というゆるい縛りで決めています。 #ヤクザ令嬢 kakuyomu.jp/works/11773540…

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

ところで、最初は悪役令嬢の中身を昔気質のコテコテの極道な組長、という案もあったんですが、カッコイイ女主人公を書きたいということで女組長になりました。こっちにしといてよかったですよ。何故ならある程度書いてたら、サンデーで『任侠転生 －異世界のヤクザ姫－』というマンガが始まったからｗ

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

『任侠転生』面白いですよね。ま、まぁあちらは悪役令嬢じゃないからネ？　島本先生も宇宙アイデア波という自然現象だって言ってるし！ ちなみに『ヤクザ令嬢』は書きはじめたのはかなり前で、２０１８年の冬あたりだったかな？　思い返せば結構前ですね。

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

ちなみに霧羽が助けた女の子も桐葉で「きりは」繋がりという裏設定。名前繋がりの縁で「きりは」の魂を乙女ゲー世界へ引っ張り込もうとしてたんですね。けどヤクザの組長の名前も「きりは」だったと知らなかった当たり、乙女ゲー世界の管理者のテキトー振りが分かりますｗ

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

転生説明回、というよりは協力者登場回と言う方が強い感じの第二話です。悪役令嬢ものの『悪役令嬢の転生を知ってる協力者』って、いるいないでけっこう物語の雰囲気も変わってくるファクターだと思います。 #ヤクザ令嬢 kakuyomu.jp/works/11773540…

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

ストーリースタート前スタートの悪役令嬢ものだとそこそこ見かけたりする協力者。断罪スタートだとごく少数で「婚約破棄のせいで人が変わった」なんて風にされがち。これは転生の説明をするのが面倒というのもあると思うのですが、転生に付きものの「転生先の魂を殺したんじゃ疑惑」があるからだと。

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

スタート前スタートだと、転生先の悪役令嬢もそんなに人間関係構築してないので、さほど悩まずに協力者を作れます（この悩まずに、というのは読者にストレスを与えずに、という意味合いです）。断罪後だと、それまで悪役令嬢が構築した人間関係というものがあり、転生令嬢はこの人間関係を解消す文字数

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

る必要があります。少なくとも、僕はそう捉えてプロットを構築しました。霧羽が転生してキリハになるのをスムーズにするため、協力者は転生に動じないキャラを配役にしました。まぁ、キリハは「転生したものはしょうがない」と、ジェラルドが戸惑うようなキャラでもお構いなしだったでしょうがｗ

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

ちなみに、転生を知ってる協力者がいる悪役令嬢ものほどコミカルに振れてるように思います。転生を知っている協力者がいるというのは、転生をその世界が受け入れた、というカタチで転生令嬢も読者も転生へのストレスを感じないからでしょうね。なので本作も、協力者を置くことはすぐ決まりました。

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

というか、主人公がクセが強いキャラの場合、相方と言うか相棒は欠かせません。欠かせないと言うか、話を転がすのに居た方が良い。常識的な相棒というのは主人公無双系では配置した方が安定します。もちろん居なくても構わないのですが、僕は置きました。だって暴れ馬の手綱を作者が持ちたくないもんｗ

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

それなりに悪役令嬢ものをリサーチして作った『ヤクザ令嬢』ですけど、僕の読み込みと言うか分解把握はかなーり低く曖昧だと思います。物語の分析だと、この業界すごい鋭い人がいっぱい居る。そん中でも僕が尊敬してるのは上栖綴人さんですね。あのひと、分析力がパねぇのよ。

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

断罪イベント回避回。断罪イベントそのものは受け入れて後で挽回、という流れの悪役令嬢ものもけっこうありますね。婚約者の王子様を完全な悪役、復讐対象に確定するためですが。とはいえ爽快感の為にも、キリハさんには真っ向から台無しにしてもらいましたｗ #ヤクザ令嬢 kakuyomu.jp/works/11773540…

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

ただまぁ、この第三話を読んでもらえると分かりますが、基本的に難癖つけて場をかき乱してるだけなんですねこれが。まぁ、婚約破棄そのものが難癖なんで、そら『難癖つけるプロ』にかかれば倍返しされますわな（笑）

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

ここから、乙女ゲーっぽさ、というよりは悪役令嬢らしさからズレてくようにしてます。作品数と類型的に断罪を受け入れる方が悪役令嬢もの『らしく』見えるんですね。とくに近頃は婚約破棄して王子様が自滅してく系がトレンドなので、断罪イベントそのものを有耶無耶にするのはけっこう博打な展開ですね

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

アクセス数解析では、この三話は良いねの数も多かったので、ちゃんと受け入れられているようで安心しました。面白くしたとは思ったんですが、悪役令嬢ものらしさとややトレードオフな展開なので。たかが断罪イベント、けれど断罪イベント。キリハにとっても作者にとっても、ここが最初の山場なのです

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

ただ、悪役令嬢ものでも、断罪イベントからスタートするものは変わり種に持って行きやすいですね。これも当然で、断罪イベントは「悪役令嬢が役割を終える場面」なので、ここから話を転がすなら悪役令嬢がオリジナルなキャラクター性を見せないとならないわけです。たぶん、悪役令嬢ものとして文字数

闇の翅田大介 @DaisukeHaneta

より『らしく』見えるのはゲームスタート前スタートの幼少時からはじまる展開の方でしょうね。ゲームの強制力を疑ったり逃れようとすることで乙女『ゲーム』という背景を意識させやすいですからね。自分の好きな悪役令嬢ものがどっちの類型か思い返すと、自分の好みがより明確になるかもです。