タイラント・オブ・マッポーカリプス：後編 ＃4
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
タイクーンの目は爛々と輝いていた。「オダのソウルは必ず滅ぼす。謂わば我がケジメ……貴様にあれこれ言われる筋合い無し！我が目的は天下布武の完遂。それだけだ。ワシはネザーキョウの正統王。そして貴様は……その跡継ぎであるぞ、アケチ・ジョウゴよ。惰弱な佞言に惑わされるとは笑止！惰弱！」19
2020-08-23 18:12:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「佞言だと！？跡継ぎだと！？ほざきおるわ」ジョウゴもまた、黒紫の火をその目に燃やした。「何故このワシを……オダとして作った……！ワシは……」「オダとして作っただと！？ランマルが申したか！笑止！」タイクーンは一喝した。「貴様はネザーにて、ワシのジツより出でた。ゆえにワシの子だ！」20
2020-08-23 18:20:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ヌ……ウ……ア、ア」ジョウゴは頭を掻きむしった。「だが……ワシの肉体は……オダの……何故、それをワシに隠したか！」「隠す……」タイクーンの目の炎がひととき失せ、彼は瞳でジョウゴを見据えた。然り。憎きオダと瓜二つの息子に、アケチが何の屈託も無く接することなど、できようか。 21
2020-08-23 18:25:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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どちらも、苦悩のうちに、発すべき言葉を失っていた。「おやおや……」タイクーンの隣に、黒髪の女が進み出た。蠱惑的な、舐めるような横目で、四本腕の王を見た。「議論は終わりか？そのようなつまらぬ帰結を見るために、私が協力してやったのではないというのに……偉大なるタイクーン」 22
2020-08-23 18:32:12
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「イヤーッ！」反射的に、タイクーンはティアマトに裏拳を繰り出した。拒絶するように。だがティアマトは今度は彼とジョウゴの間に立っていた。「オダのソウルは貴方が得て然るべき報酬だろう？ソウルを得るとは、とても素敵なこと」「イヤーッ！」KRAAASH！テンマが邪魔者を巨大刀で斬りつけた。 23
2020-08-23 18:35:43
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振り下ろされた巨大刀の背に、ティアマトは立っていた。艷やかな唇が震え、蕩けるような視線が、テンマの胎内玉座のジョウゴに注がれた。「なんと素晴らしや……」ティアマトは豊満な胸元に手を差し入れ、首から下げた黒いマガタマに触れた。 24
2020-08-23 18:38:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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……KRAAASH……KRAAAASH……一方、ニンジャスレイヤーはコヒバリの圧力に耐え、押し戻そうと、全カラテを溢れさせていた。コヒバリは狂ったように前進し、ニンジャスレイヤーは縄めいた筋肉を浮き上がらせ、その背に黒炎を燃やして、徐々にコヒバリの圧力を減じていった。 25
2020-08-23 18:39:40
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「ヌウウウウ……ヌウウウーッ……！」KBAM！BOOOM！やがてコヒバリの頭部に亀裂が生じ、赤黒の火が噴き出した。「これを以てオーテ・ツミよ！ニンジャスレイヤー＝サン！」ファイアワークは抑えられるコヒバリの背で、致命爆発矢の狙いをニンジャスレイヤーの頭部に定めた！ 26
2020-08-23 18:42:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」「グワーッ！」アナイアレイターはニンジャスレイヤーに向かうドゥームサーペントに鉄条網を繰り出し、足止めをはかる。ドゥームサーペントは鉤爪で鉄条網を切り裂く！そしてファイアワークが引き絞った矢を……「イヤーッ！」「グワーッ！？」有翼のニンジャが飛び蹴りを浴びせた！ 27
2020-08-23 18:44:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ファイアワークは地面に叩きつけられ、踏みしめられた。彼が見上げるのは、翼を生やし、手足の先を猛禽めいて刺々しく歪めた乱れ髪の男。「醜いだろ？それに、疲れるんだ。キッチリ変身しきれねえンだ、まだ。それをテメェらがガチャガチャやるせいで……」「ヤメ……」「イヤーッ！」頭を踏み砕く！28
2020-08-23 18:48:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「サヨナラ！」ファイアーワークは爆発四散した。脆い羽を翼から振り落としながら、彼はカラテを保とうと努力した。梟頭を形成できぬ不完全な姿に、彼は羞恥を覚える。顔を猛禽爪で覆いながら、彼は次に殺すべき敵を探る。ニンジャスレイヤーに加勢せねば……！ 29
2020-08-23 18:55:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イイイイイヤアアアーッ！」KA-DOOOM！コヒバリの頭部が赤黒い炎に包まれた。注ぎ込まれた炎が内側からコヒバリの頭部を破壊し、溢れ出したのだ！ニンジャスレイヤーはコヒバリから腕を引き抜き、バック・キックでドゥームサーペントを蹴りつけた！「イヤーッ！」「グワーッ！」 30
2020-08-23 18:56:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」アナイアレイターが吹き飛ばされるドゥームサーペントの背中に鉄条網を展開し、咥え込む！「グワーッ！」ニンジャスレイヤーはツカツカと踏み込み、「イヤーッ！」「グワーッ！」ドゥームサーペントの心臓をえぐり出した！「サヨナラ！」 31
2020-08-23 18:58:20
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ドゥームサーペントが爆発四散し……そしてそこから離れたバトルグラウンドの片隅で……テツバ・ドラグーンのクロスファイアは、二挺拳銃の狙いを完全に定め終えていた。目下の敵を倒した直後のニンジャスレイヤーに。それはタイクーンへの裏切りを意味する。しかし彼は構わなかった。 32
2020-08-23 19:02:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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彼は一騎打ちの折も、観客席にネザーキョウのニンジャ勢力として素知らぬ顔で紛れていた。そして機をうかがっていた。男になる瞬間を。テツバのセンシはニンジャスレイヤーによって倒された。そればかりか、復讐を共に誓ったファーネイスは、ザンマ・ニンジャの災害じみた「吉兆」の犠牲となった。 33
2020-08-23 19:04:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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そしてそのザンマもニンジャスレイヤーによって討たれた。一騎打ちなど、彼にはどうでもよい。己の成すべき事が今、ここに残されている。「全くブザマな事だ……」彼は自嘲し、両手の銃を、角度を変えて、交互に撃った。BLAM！BLAM！BLAM！BLAM！弾丸が空気をかき分け、互いに衝突し、そして……！ 34
2020-08-23 19:09:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ギャルルルル！弾丸は螺旋回転しながら山なりに軌道を変えて飛んだ。その先に、ニンジャスレイヤーの頭があった。フィルギアの類稀なるニンジャ第六感は弾丸の存在を察知した。だが間に合わなかった。それでも彼は動こうとした。「イヤーッ！」影が割って入り、銃弾を止め、着地した。 35
2020-08-23 19:12:27
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黒装束のニンジャは銃弾が貫通した左腕を押さえ、遠く肩越しに、ニンジャスレイヤーの赤黒の影を睨んだ。「これで借りは……借りは返したぞ。ニンジャスレイヤー＝サン」「デアエ！」「デアエーッ！」ゲニン達が彼のもとへ向かってくる。彼は……ヘラルドは、死力を尽くして迎え撃つ！「イヤーッ！」36
2020-08-23 19:14:46
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「アレは……！？」フィルギアは眉根を寄せ、訝しんだ。しかしヘラルドはそのまま殺到するゲニンとの乱戦に入ってゆき、黒い砂塵の中に見えなくなった。そして狙撃者もまた、観念したように身を引き、乱戦に紛れた。一方、ショーグネイターは執拗なヘヴンリイとのカラテを継続していた。 37
2020-08-23 19:20:31
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「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」短打応酬の継続。ショーグネイターにはヘヴンリイのカラテが見えており、的確な捌きでラッシュを防いでゆくが、喰らいつくような怒涛の勢いに対応する中で、タイクーンからの距離は離れてゆく。ヘヴンリイの望み通りといったところか。 38
2020-08-23 19:23:03
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「イヤーッ！」「グワーッ！」ボディチェックでヘヴンリイを弾き、僅かなスキを作り出したショーグネイターは、ここで決断的行動に出た。本部にIRC接続し、緊急辞令を発したのだ。「承認しなさい。戦闘中のタイタンズフィスト＝サンとアダマント＝サンにインセンティブ付与。各５万オムロです」 39
2020-08-23 19:26:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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『５万！？』オムラオペレーターが驚愕した。しかし返事は一度だ。キャバアーン！キャバアーン！乱戦の中で高らかなファンファーレじみた電子音が鳴り響くと、アダマントの年収は一瞬にして17万5,600オムロに、タイタンズフィストの年収は18万2,640オムロに跳ね上がった！ 40
2020-08-23 19:28:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「オムラ！ダカラ！」チェストナットとモーンタイガーの猛攻に晒されていたアダマントが凄まじいUNIXライトを放って瞬間的なカジバチカラを発揮し、強烈なハンマーパンチでチェストナットにトドメを刺す！「イヤーッ！」「アバーッ！」モーンタイガーの腹に鉄球を叩きつける！「グワーッ！」 41
2020-08-23 19:33:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「オムラ！イチバン！」「アバーッ！」更に投げつけられる鉄球がモーンタイガーの顔面を打ち砕く！「サヨナラ！」「サヨナラ！」モーンタイガーとチェストナットを爆発四散させたアダマントは、タイクーンを背中から殺すべく動き出した。そこに立ちはだかるのは……メジャードーモである！ 42
2020-08-23 19:36:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ゆかせぬぞ！偉大なるタイクーンは、今……クウッ……」メジャードーモは涙を流した。「親王殿下と……今は……！デアエ！」サイを引き抜き、身構える！「邪魔だ、年収矮小者めが！」アダマントの周囲を、ふたつの鉄球が回転し始める！「高年収は必ずタイクーンの喉首に届く！オムラ・ダカラ！」 43
2020-08-23 19:41:33