性同一性障害「GID」に敵意を見せる人たちと、GID当事者の人たちの反応

トランスジェンダーには、TS、TG、TVがあり、一枚岩ではない事をご存知ですか?
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みなさんは「トランスジェンダー」について、どういったイメージをお持ちですか?

体の性別とは違う心の性別を持って産まれ、身体の違和感に苦しんでおり、性別適合手術(性転換手術)を望んでいる人ですか? いいえ、それはトランスセクシャル(TS)、日本語でいうと性転換症にあたる人で、「広い意味でのトランスジェンダー」の中のごく一部です。

一般には、性転換症(TS)は、「性同一性障害」Gender Identity Disorder(GID)と呼ばれることが多いように思います(医学上の規定では両者は区別されます)。

広義の「トランスジェンダー」は、TS/GID以外にも、狭義のトランスジェンダー(TG)、トランスヴェスタイト(TV)、場合によってはそれ以上含まれる、幅のある概念として使われています。いまの日本で、マスコミやジェンダー学の専門家が何の断りもなく「トランスジェンダー」の語を使っていたら、広義のそれを指すことが圧倒的に多いようです。

トランスヴェスタイト(TV):異性装者。反対の性の服装をパートタイムで身に着ける人たち。
狭義のトランスジェンダー(TG):TVとTSとの中間概念。医学的治療は望まないが、フルタイムで身体の性(sex)とは違う性で生きたいと望んでいる人たち。

ただし、ここに書いた広義/狭義のトランスジェンダーとは、日本固有のTGの解釈に基づいた表現の可能性があることを断っておきます。そもそも、ICD 10には疾患としての「Transgender」は存在せず、現在は医学用語としては扱われていません。

以上は、「EON/W(復刻版)神名龍子 T's用語概説(内)」を参考にさせていただきました。
https://www4.hp-ez.com/hp/eon/page51

TSはトランス全体の中でも当事者の数が極めて少なく、「マイノリティの中のマイノリティ」とも呼ばれています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/トランスジェンダー#トランスヴェスタイトとトランスセクシュアル


三橋順子さんは、かつては「女装家」を名乗り、今はトランスジェンダーを名乗っているトランス権利活動家(TRA)/研究者です。下に示すように「伊達と酔狂でトランスをしている」そうです。TS/GIDのように身体違和に苦しんでトランスしている訳ではない(そして、だからと言ってそれを少しも恥じることはないし、差別される謂れはない)ということなのでしょう。それはいいのですが、過激な発言もしておられます…。

リンク www.google.co.jp 三橋順子 女装家 - Google 検索
三橋順子 @MJunko0523

ジェンダー&セクシュアリティ史の研究者

junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp

三橋順子 @MJunko0523

@ripo0079 おうっ、「くたばれGID!!」

2017-01-03 14:12:53
三橋順子 @MJunko0523

@ripo0079 と叫んだものの、GID概念ってすでに瀕死状態だからな。 数年前までは、まだ打倒すべき対象だったけど、今となっては・・・。 もう二度と蘇ることもないだろうし。

2017-01-03 15:19:47
ホモ本ブックサロン・ド・テ「オカマルト」 @cafeokamalt

明日(3/17)高円寺・パンディットで「いずみちゃんナイト17〜くたばれ!GID学会」開催! そして、期せずして同日、神宮前「irodori」では、クロージングイベントトークショウ『LGBT炎上問題トップ10!』。アタシは、こちらに出演します。体がふたつあれば、両方出たい! kokucheese.com/s/event/index/… pic.twitter.com/dKVOpBzWf7

2018-03-16 15:24:28
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三橋順子 @MJunko0523

「いずみちゃんナイト17:くたばれ!GID学会」(高円寺「パンディット」)で、お話してきました。 大勢の皆様のご来場、ありがとうございました。 pic.twitter.com/ZzuyvY4VWc

2018-03-18 03:23:47
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このように本人のツイートでも、本人が参加しているイベントの副題でも、しっかりそのフレーズを使用しているのですが、(既に削除済みながら文脈から見て、事の真偽を問う)質問に対し、一度否定する発言をしています。

三橋順子 @MJunko0523

@needle_ginger 「くたばれGID!」なんて誰が言ってるのですか? 少なくとも私は言ってないですよ。 「くたばれ」なんて言わなくても、あと数カ月で国際的疾患リストから消えるわけですから。

2018-03-27 19:59:22
三橋順子 @MJunko0523

@puni2ht_nbrst ああ、これですか。 お正月、酔っ払っての失言です。 ただ、私は先日の講演でも言っているように、GID当事者にはなんの恨みもありません。 私が批判してきたのは、常にGIDという概念です。 この発言も真意は「くたばれGID(概念)」なのです。 ただ、誤解を招いたのは事実ですから、陳謝いたします。

2018-03-31 00:53:40
三橋順子 @MJunko0523

@huryohin5 @o_tsuka @mifuko_mtf 私はGID学会の会員ですから、米澤さんの「くたばれGID学会」では、GID学会の立場を擁護的に解説する形でお話ししています。 私の基本路線は「くたばれGID概念」ですが、これもオリジナルではなく、欧米の学会では、ごく普通の路線です。 言い方としては「くたばれ」でなく「Go to Hell!」ですが。

2019-08-13 14:46:00

イベントの副題としても使ったフレーズを「酔っぱらっての失言」と弁明するのは無理があるように思います。また、対象は当事者ではなく概念だ、欧米では普通だ、とも弁明しておられますが、マイノリティーを指す概念に対して、公の場でこうした過激なフレーズを用いることについて、みなさんはどう思いますか?


三橋順子さんは、2019年2月26日のWomen's Action Network(WAN)のトランス排除反対署名呼びかけ人の一人です。

リンク wan.or.jp 緊急の呼びかけ > 【署名対象者変更につき4/10まで期間延長】賛同の呼びかけ:トランス女性に対する差別と排除とに反対するフェミニストおよびジェンダー/セクシュアリティ研究者の声明 ※署名の対象となる方について分かりにくいというご指摘を多くいただきました。当初は教育・研究者からの署名を想定していましたが、賛同の状況を踏まえ、署名の対象となる方々を教育・研究者に限らず広く募る方針に変更いたしました。また、変更にともない、署名の締め切りを4月10日(水)と延長しました。多くのご賛同をよろしくお願い申し上げます。 トランス女性に対する差別と排除とに反対するフェミニストおよびジェンダー/セクシュアリティ研究者の声明 2018年7月、お茶の水女子大学は2020年度の学部・大学院の入学者からトラ 26 users 918

「くだばれGID」などというマイノリティーに対する排除的な言葉を、堂々とイベントの副題にも使っていた人が、どうしてツイッターの女性を差別者と責めることができるのでしょう。 そして他のTRA学者たちは、どうして身内のマイノリティー排除的言論には何も言わずに、ツイッターの女性ばかり責めるのでしょう。

この当時起こっていた出来事を違う角度から眺める、別のまとめ記事も作っていますので参考までにどうぞ。

まとめ 2019.2.26 WAN共同声明「トランス排除反対署名の呼びかけ」に至るまでに起きていた出来事 簡単に説明すると、ネットの有名人・少年ブレンダ氏が加害的発言で炎上し、その後も挑発的な発言を続けていました。その後謝罪したものの、時を経ず開き直って居直るような態度を見せていました。 7329 pv 38

署名呼びかけから間もない3月18日に、GID当事者団体の代表の方は、次のようなツイートをされていました。

山本 蘭 @RanYamamoto

トランスフォビアが最近ひどくなったというツィートを見たけれど、もし本当にそうであるなら、それは完全にくたばれGIDと言っている人たちのせいだろう。あの人たちは私たちが長年努力して積み重ねてきたものを破壊しようとしている。

2019-03-18 23:11:50
山本 蘭 @RanYamamoto

性同一性障害に関するアクティビスト。「日本性同一性障害・性別違和と共に生きる人々の会 gid.jp」の代表を務めています。

blog.rany.jp

リンク gid.jp gid.jp | 日本性同一性障害・性別違和と共に生きる人々の会 gid.jpは、性同一性障害(およびその後継概念)の当事者や出生時に割り当てられた性別に違和感を持つ方、そのご家族・パートナーの方など関係者のみなさんのための会です。 9

2019年5月の三橋順子さんのツイートと、ある性同一性障害(GID)当事者の方のリプライです。GIDの当事者でもない三橋さんがGIDの脱病理化を目指すことについて疑問を投げかけておられます。
そこからお二人を中心に、複数人が加わっての会話がおこなわれていますが、量が多いためここでは引用を省略します。会話全文を読みたければ、右下の投稿日時部分がTwitterの同投稿へのリンクになっていますので、そちらからご覧ください。