ストーンズ作品評 by 中川敬

ソウル・フラワー・ユニオン中川敬さんによる、ローリング・ストーンズのアルバム評を勝手にまとめました。 1枚ずつゆっくり聞いていきます。
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ソウル・フラワー・ユニオン @soulflowerunion

ローリング・ストーンズ『Goats Head Soup』(1973)。黄金期の屋台骨Jミラーの最終プロデュース作で、本作以降、ドラッグ禍のバンドをミックが仕切る構造の数年が始まる。NホプキンスやBプレストン、Iスチュワートらの鍵盤楽器を核に、ニューソウルからの影響をデカダン転石流に料理した甘美な一品。 pic.twitter.com/mDwlSWSnNI

2020-03-03 13:42:10
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ローリング・ストーンズ『Brussels Affair』(2011)。絶頂期の名海賊盤『Nasty Music』等で知られる1973年欧州ツアー音源の公式リリース(当初配信のみ)。前出の『Ladies & Gentlemen』と違い、こちらはボブクリによる新ミックスで鼻血ものじゃ。本作こそ転石入門編に最適。単独アナログ盤化、早よ。 pic.twitter.com/XuLFOZCCsz

2020-03-04 00:30:56
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ローリング・ストーンズ『It's Only Rock'n Roll』(1974)。初のグリマー・ツインズ(ミック&キース)プロデュース作で、Mテイラー最終作。冒頭3連発や「Luxury」「Fingerprint File」が指し示す、レゲエやファンクのエッセンスが注入された、エッジの効いた簡素化したR&Rは、新章突入を告げている。 pic.twitter.com/aqTXtwfjpC

2020-03-04 03:28:44
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ロン・ウッド『I've Got My Own Album to Do』(1974)。フェイセズやストーンズのメンバー、Gハリスン、Wウィークスらと制作した、転石加入1年前の1stソロ。キース作「Act Together」「Sure the One You Need」、ミックとのデュエット「I Can Feel the Fire」等、中毒性の高い、名曲揃いのマスト作。 pic.twitter.com/cEUxDEnz9j

2020-03-04 15:25:19
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ローリング・ストーンズ『L.A. Forum』(2014)。これまたガキの頃に海賊ビデオで観まくった、1975年LA公演の公式発掘シリーズ3LP盤。当ツアーから一気に曲数が増え、OEブラウンのパーカッションがファンキーな彩りを添える。フェイセズと掛け持ちとは思えない初参加ロニーの生真面目なギターが良い。 pic.twitter.com/o4d9UVrTGi

2020-03-04 16:28:29
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ローリング・ストーンズ『Black And Blue』(1976)。メンバー探しを兼ねたグレイト・ギタリスト・ハント・セッションから産まれたセルフプロデュース第2弾。Rウッド、Hマンデル、Wパーキンスら、候補ギタリスト達が、R&R、ファンク、レゲエ、ジャズ、メロウソウル等の多彩な楽曲群で名演を聴かせる。 pic.twitter.com/W4Kw3WHmy8

2020-03-05 02:37:35
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ローリング・ストーンズ『Love You Live』(1977)。75〜77年のライヴ音源を編纂した、偉大なる2LP。数ある転石ライヴ盤の中でも、ミックスや編集も含む「作品」という意味に於いては、本作がベスト。C面のトロントの小箱エル・モカンボ録音の4曲は、転石ライヴ盤史上最強の名演。異論は一切認めない。 pic.twitter.com/B2SztLBiVh

2020-03-05 03:25:15
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ローリング・ストーンズ『Some Girls』(1978)。キース薬物騒動の中、パンク&ディスコ時代に呼応したミック主導の大ヒット作。ピアノやホーンを排し、アンプはアンペグからメサブギに変更、初期以来久しぶりにメンバー中心で録音したギター・アルバム。キースの名曲「Before They Make Me Run」収録。 pic.twitter.com/Of2ir08TBa

2020-03-05 14:22:00
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ローリング・ストーンズ『Live in Texas '78』(2011)。『Love You Live』と『Still Life』の間のミッシングリンクを埋める、リズム隊の絶頂期を捉えた、公式発掘シリーズ2LP盤。78年ツアーは良質な海賊盤が少なく、ボブクリのキレッキレのミックスは正に待望、高校時代の中川敬に聴かせてやりたい。 pic.twitter.com/kFFB4FydDE

2020-03-06 02:11:19
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キース・リチャーズ『Run Rudolph Run』(2018)。78年の初ソロシングル「Run Rudolph Run」「The Harder They Come」に、04年メイタルズと録音した「Pressure Drop」を追加した、新ミックス3曲入り45PRM。チャーリー、ロニーと3人で録音した「Harder They Come」のラフなスイング感は唯一無二。至宝。 pic.twitter.com/yGTz413fM1

2020-03-06 03:01:27
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ニュー・バーバリアンズ『Buried Alive』(2006)。ロニーのソロ・バンド(Iマクレガン、Bキーズ、Sクラーク、Zモデリステ)に、キースが参加する形で実現した、79年ツアーの発掘ライヴ盤。海賊盤起こしと見受ける悪音質を物ともせず、演奏の酩酊ぶりを味わいと受け取る貴方や私は、立派な重度転石病。 pic.twitter.com/XSc25TitzH

2020-03-06 04:49:33
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ファースト・バーバリアンズ『Live From Kilburn』(2007)。74年、ロニーが1stソロ発表後に、キース、ロッド、マック、Wウィークス、Aニューマークを伴って行ったライヴ発掘盤。『Buried Alive』より音質良好、歌・演奏共に締まった名演だ。キースがエレピを弾く「Act Together」等、聴きどころ数多。 pic.twitter.com/utEbGstxXa

2020-03-06 18:08:36
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ローリング・ストーンズ『Emotional Rescue』(1980)。キースのヘヴィドラッグ脱出で大量生産期に入ったバンドは数十曲の新曲を録音、そこから選抜された10曲が本作。レゲエを物にした「Send It to Me」、ロニーのベースが冴えるタイトル曲や「Summer Romance」等、有名曲不在なるも完成度高い名品。 pic.twitter.com/HEj6WTZXsQ

2020-03-06 19:14:21
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ローリング・ストーンズ『Sucking in the 70s』(1981)。70〜80年代の転石コンピはどれも適当この上ないが、これは必須。ロニーの名シングル曲「Everything Is Turning To Gold」、ライヴ音源の「When The Whip Comes Down」、歌詞違いの「Dance pt.2」の3曲はここでしか聴けない。転石、奥の細道盤。 pic.twitter.com/r4DUJ615L0

2020-03-06 19:52:30
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ローリング・ストーンズ『Tattoo You』(1981)。近年のアウトテイク素材をミックとCキムゼイ、ボブクリが精到に編纂して完成させた一品だが、編集盤を70年代前半の絶頂期以来の名盤に仕立て上げるのもまた転石流。最後のチャートNO.1作で、俺が初めて発売日に買った転石。豪胆で緻密。隅々まで完璧。 pic.twitter.com/q2BqR3fNZK

2020-03-06 22:46:00
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ローリング・ストーンズ『Still Life』(1982)。今に続く、スタジアム級のフィジカルなライヴ作法が決定された、1981年北米ツアーを編纂したライヴ盤。エレキギターを弾き始めた15歳の中川敬は、『Tattoo You』と本作を連日寝食忘れ必死に耳コピするのであった。ハル・アシュビーの映画も青春の一本。 pic.twitter.com/G0UjWZNyDB

2020-03-07 01:01:52
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ローリング・ストーンズ『Hampton Coliseum』(2014)。本作もガキの頃に海賊映像でアホみたいに観まくった、1981年キース誕生日公演を完全収録した公式発掘3LP。ツアー最終日だけあって全篇タイトでいい具合に乱暴。ビルの変態ベースもブリブリ。キースが客をギターでぶん殴るのもこの日やね。38歳。 pic.twitter.com/jW9Cp0RhIL

2020-03-07 02:40:43
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マディ・ウォーターズ&ローリング・ストーンズ『Checkerboard Lounge』(2012)。81年巡業中のストーンズがマディのライヴに客演する小箱ライヴ公式3LP。競演は9曲。マディ・バンドの素晴らしさは元より、転石一行も滋味溢れる熟練の味。普通にブルース名盤でしょコレは。マディ逝去1年半前の多幸盤。 pic.twitter.com/r7dEbCwbkS

2020-03-07 14:32:31
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ローリング・ストーンズ『Live In Leeds 1982』(2012)。待望の82年公演3LP公式盤だが、ツアー最終日ということは、7年後の別バンドのような復活劇までライヴがないので、70年代型演奏作法の終着点であり、Iスチュワートの生涯最終公演でもある。ボブクリの好ミックス、転石史上最速BPMの演奏は必聴。 pic.twitter.com/zbojJmt8YL

2020-03-07 22:14:40
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ローリング・ストーンズ『Undercover』(1983)。無慈悲なグリマーツインズ内戦による分裂作だが、ミックが新機軸を打ち出すべく奮闘した最後のアルバムで、表題曲を筆頭に、ワールドビートやNWを反照する楽曲群は比類無し。俺がそこにいりゃファンキーチューンとR&R曲のAB面完全隔離を主張したのに。 pic.twitter.com/YBsknIWZ3s

2020-03-08 02:33:13
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ミック・ジャガー『She's the Boss』(1985)。キースは激怒、転石フリークスも酷評した1stソロだが、NロジャースとBラズウェルの仕事は的確で、スライ&ロビー参加の「Lucky in Love」に顕著な音響コンセプトも良し。ただ全篇作風がMTVロック的クリシェで、渥美清トレンディードラマ出演で皆困惑的な。 pic.twitter.com/bEP86H8B4s

2020-03-08 04:34:06
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ローリング・ストーンズ『Dirty Work』(1986)。内戦状態を豪華客演で埋め合わせるも、ミックの心ここに在らず、チャーリーはヤク中、ビル参加3曲と、全員同時集結の少ない混乱盤。リリーホワイト起用もハズレ、当時は転石ラスト作とみられていた。カヴァーの「Too Rude」「Harlem Shuffle」が良い。 pic.twitter.com/B6EtHlGcLq

2020-03-08 15:52:38
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ミック・ジャガー『Primitive Cool』(1987)。キース提案の『Dirty Work』ツアーを拒んだミックの2ndソロ。当時は、へつらう几帳面な転石といった作風に入り込めなかったが、今聴くと、躍動する冒頭2曲が良い。翌春の城ホールのソロ初来日ライヴは、殆どが転石代表曲で、ナンジャラホイと呟きました。 pic.twitter.com/uJbHa44MzB

2020-03-09 00:08:24
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キース・リチャーズ『Talk is Cheap』(1988)。前年、Cベリーの映画とアレサの「JJF」で共演したSジョーダンを相棒に、新バンドX-Pensive Winosと制作した1stソロ。粒揃いの楽曲。自然体の堂々たる歌とギター。無類のスイング感を持つバンドの魅惑的グルーヴ。時代を超えた絶品だ。内戦は圧勝である。 pic.twitter.com/NaEgAE6LZA

2020-03-09 02:02:06
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キース・リチャーズ『Live at the Hollywood Palladium』(1991)。マネージャーの進言により海賊盤対策で世に出た88年12月公演ライヴ盤。ソロ曲を中心に、転石「Connection」等のレイドバックした演奏が聴ける。適当なミックス、噛み合わせの悪いドラムが残念だが、一度は生で観たいX-Pensive Winos。 pic.twitter.com/iwngKrnC7n

2020-03-11 03:01:23
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