【nature記事】免疫系の謎を突き付けるCOVID-19(2020.9.12作成) #サイトカインストーム #免疫暴走

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リンク www.nature.com COVID-19 poses a riddle for the immune system Variations in patient defence responses tracked over time. 326

コロナウイルス:免疫系の謎を突き付けるCOVID-19
COVID-19 poses a riddle for the immune system
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する人々の免疫応答が大きく異なる理由は、よく分かっていない。今回、患者の免疫応答の経時的な追跡によって、この問題に光が当てられ、この感染症の重症度を予測する取り組みについて示唆が得られた。

doi: 10.1038/d41586-020-02379-1

https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/584/7821

influenzer @influenzer3

●重症例とそうでない患者の免疫応答の違い →Nature論文が出ていたようですが、見落としてました。 以下はそれを踏まえたeditorial的なまとめですがこれで十分かと。 重症例では過剰免疫というよりは、免疫暴走と呼んだほうが良さそうな病態です。 ウイルスを全く除去できてません。

2020-09-11 22:02:02
influenzer @influenzer3

・COVID-19で共通してみられる免疫応答が存在するが、重症例では免疫応答が持続増強する ・重症例ではウイルス感染防御には無関係のTh2,Th17応答も見られ、しかも経時的に増強 ・重症例では過剰免疫応答にも関わらず、ウイルス量は経時的に減少しない nature.com/articles/d4158…

2020-09-11 22:02:02
influenzer @influenzer3

----- ・SARS-CoV-2に対する免疫応答に大きな個体差がある原因は不明である。 ・免疫応答の乱れ、サイトカインストーム、サイトカイン放出症候群という用語は、重症化に関与していると考えられている過剰な免疫応答を指している。しかし、この免疫異常応答の明確な定義が存在しているわけではない。

2020-09-11 22:02:03
influenzer @influenzer3

・COVID-19研究が達成すべき最重要課題は個人の免疫応答の評価法であり、現在は軽症であってもその後の強烈な免疫応答により重症化しうる個体を、早期に特定する事である。これができれば、疾患の進行を最小限にするために、より厳重なモニタリングを行うことが可能になる。

2020-09-11 22:02:03
influenzer @influenzer3

・Lucasらは、中等症以上のCOVID-19 113例を対象に免疫応答の経時的な解析を行った。SARS-CoV-2に感染していない健常人についても同様の検討を行った。血漿および末梢血単核球分画の解析を行った。この研究は経時的変化を検討しているため、横断的な検討ではたどり着けない結論を導く事ができた。

2020-09-11 22:02:03
influenzer @influenzer3

・彼らはCOVID-19患者では、IL-1α、IL-1β、IFN-α、IL-17A、IL-12p70等の炎症性サイトカインが、健常人よりも高値である事を見出し、COVID-19に対する免疫応答の"core"である事を示した。 ・IFN-λ、thrombopoietin、IL-21, IL-23, IL-33などのサイトカインは中等度よりも重度のCOVID-19患者で高値だった

2020-09-11 22:02:03
influenzer @influenzer3

・coreのサイトカインのいくつかも重症度と相関する事が報告されている。重症例ではこれらが長期に渡り高値を持続するが、中等症では多くのサイトカインレベルが経時的に低下していた。

2020-09-11 22:02:04
influenzer @influenzer3

・さらに重症例ではinflammasomeと呼ばれるタンパク複合体の活性化が見られた。これは炎症増強に関与する因子の一つである。同様にIL-1Raも上昇しており、これは通常、過剰免疫応答を抑制する作用を持っている。

2020-09-11 22:02:04
influenzer @influenzer3

・TH1細胞により放出される、ウイルス感染防御に関わる分子のレベルは、中等症よりも重症患者の方で高かった。これはリンパ球減少症により、これらの分子の産生に関わるCD4およびCD8細胞減少が、両者で同様に見られていても同様であった。

2020-09-11 22:02:04
influenzer @influenzer3

より驚くべき事実は、真菌に対する感染防御に関わるTH17によって放出されるサイトカインが、重症例で高値持続していた点である。同様の事実が寄生虫あるいはアレルギー応答に関わるTH2サイトカインでも見られた。ウイルス制御とは無関係の免疫系応答が引き起こされているという発見は予想外であった。

2020-09-11 22:02:04
influenzer @influenzer3

・血中のIFN-α、IFN-γ、TNF-α、TRAILのレベルは、重症度ではなく、鼻腔内のウイルス量と相関していた。

2020-09-11 22:02:05
influenzer @influenzer3

・著者らは末梢血単核球中の蛋白質の解析から、その後の経過と重症度に基づいて3つのグループに分けた。中等症の経過をたどる患者は、感染早期の炎症性マーカーレベルが低く、組織修復に関わる蛋白質の増加が見られた。

2020-09-11 22:02:05
influenzer @influenzer3

対照的に重症化の経過をたどる患者では、発症から10-15日の早期の時点で、IFN-α、IL-1Raが上昇し、TH1、TH2、TH17応答が起こっていた。この特徴的な免疫応答は、すべての患者のすべての時点において観察されていた。

2020-09-11 22:02:05
influenzer @influenzer3

・これまでの研究で明らかになったのは、重症患者ではリンパ球減少と、中等症以下の患者ではみられない持続炎症があるという事である。

2020-09-11 22:02:06
influenzer @influenzer3

・COVID-19研究の次に重要な課題は、極めて早期の患者のサンプルを解析して、入院を要する患者とそうでない患者を比較することである。重症例の一部は、免疫の不適切な初期応答が関係しており、ウイルスの爆発的増殖を許している。この高い増殖が重症化に関連するかもしれない。

2020-09-11 22:02:06
influenzer @influenzer3

・今後の検討で入院やICU管理を必要とするかどうかを予測できる分子を特定しなければならない。重症例でどのようにして寄生虫やアレルギー反応に関連する免疫応答が誘導されるのかを解明する必要もある。血液中の細胞で見られた免疫応答が、感染部位である肺や気道でも起こるのかを調べる必要もある。

2020-09-11 22:02:06
influenzer @influenzer3

・重症度で異なる免疫応答 a) coreな免疫応答のサイトカイン(図はIFN-α)は重症例では経時的に増加 b) いくつかのサイトカインは重症例で増加が見られた。図のIFN-γはIFN-λの間違いです(多分) c) TNF-αは重症度ではなく鼻腔内ウイルス量と相関 d) ウイルス量は重症例では経時的に増加

2020-09-11 22:02:06
influenzer @influenzer3

e) 重症例ではTh2サイトカインであるIL-5が経時的に増加 f) リンパ球減少は中等症でも重症例でも同等に見られる pic.twitter.com/wDuQTFQvAL

2020-09-11 22:02:07
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