- marururi_Sosaku
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▒犯罪心理学者 夏座敷蠍座 (非)日常編 ▷▶︎XXIII pic.twitter.com/BP9QBeARxs
2020-09-15 22:00:29僕はクラスメイト情報を開いて、ズラリと並んだ顔写真を一つ一つタップしていく。 きちんと情報は載っている。……漏れはない。これで、一先ずは退学になることはないらしい。
2020-09-15 22:01:44ちらりと周りを見渡す。 談笑しているグループがいくつかあるものの、皆一様に体育館のステージを見つめていた。 僕は前を向く。
2020-09-15 22:02:37軽田門サラサ✧「なんだか演劇みたいだねー」 杜乃宮朱音✧「そうだねっ、とってもかわいいオルゴールの音っ♡」 東雲杏✧「でもこの音、この学園の校歌じゃないか? 可愛いか?」
2020-09-15 22:03:57冴木翅✧「よく校歌ってわかりますね……まだ入学してないのに」 東雲柚乃✧「さっすがお兄ちゃんだよね♡」 菓子谷ココア✧「ワルツアレンジ…………お人形さんによく合う……かわいい……」 杜乃宮朱音✧「うんうんっ、かわいい! 確かに人形劇っぽい感じはあるよねー」
2020-09-15 22:04:12向こうは随分とつまらなくて脳天気な話をしている。 女子の言う『かわいい』は幅広いな、なんてことをぼんやりと聞こえてくる会話を聴きながら思った。
2020-09-15 22:04:31東雲柚乃✧「……ていうか、アナウンサーの人の言葉、途中で切れちゃってない? 機材トラブルでもあったのかな。音的に高い機材使ってそうだから心配〜」 真城蒼依✧「確かに──変なところでぶつ切りになって──」
2020-09-15 22:04:55小さく何かが落ちて、潰れる音がした。 大きなトマトを落としたような、汁の飛び散る音。その音は喧騒でもみ消された。 僕以外は誰も気づいてはいないだろう。
2020-09-15 22:05:59アナウンス✧『いやー、学校でのあるあるなんだけどね? 体育館の天井の骨組みの上に乗っちゃって取れなくなったボールってない?』
2020-09-15 22:06:17アナウンス係の様子がおかしい。その無理やり明るくしたような声色に、いつかの仲間がそんなテンションだったなぁ、と他人事のように思う。確か彼は腕に違法な薬を注射していたっけか。
2020-09-15 22:06:44みなが少しざわめき出す。愛想笑いを漏らす人や、小さな声で隣の人に話しかける人。僕はアナウンスの人よりも、足元の音の方が気になっていた。僕以外は誰も、あの音には気づいていない。
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