- yorishirosama
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実家にて未開封のVXを発掘したので、随分と久方ぶりのツクラーごっこをしているのです。 ほっとくとエターナること請け合いなのです。 だからとりあえず憑依ネタだけ置いておくのです。 pic.twitter.com/Ay7IQc1VLL
2020-10-19 03:22:03なんかこう、どうあがいても全年齢な雰囲気になってきたのです。 いっそ一般向けでふりーむあたりに投げてみる……?
2020-10-23 23:17:00村を焼かれた生き残りの少女がネクロマンシーを使って、かつて友人たちだった死霊を使いダンジョンへと侵入しようとするのです。
2020-10-23 23:29:34されどダンジョンへの進入許可は降りず、理由は「"ネクロマンサー"なる存在は、規定でクラスと認められていない」為。 故にギルドハウス管理者から追い出されそうになる少女。 その時、少女の操る悪霊が、勝手に動いたーー
2020-10-23 23:33:56「えっ! な、なにこーー誰か、助けーー」 管理者の女性はカクンと意識を失い、机に突っ伏して倒れ込んでしまう。 なんで、どうしてと困惑するばかりの少女。 やがて少し経ち、管理者はゆっくりと顔を上げたーー
2020-10-23 23:36:03「へへへっ」 ーー恐ろしく、にやけた顔で。 綺麗で整った清潔感のある容姿を歪めて、どこか気だるそうで退廃的な、いやらしい態度で言葉を続けた。 「大丈夫か、ネル? やっぱ俺がいないとダメだなぁ」
2020-10-23 23:38:59「ーー嘘、アルクスーー?! なんで、村の皆は、ぐちゃぐちゃに混じりきった怨念になっててーーそんな、意識が残ってるなんて、ありえないよ!」 「おいおいおい、いつもみたいにアルって呼べってさぁ。 そんなことより、ホラ。ギルドの登録用紙だ」
2020-10-23 23:42:00「う、これはーーでも、本当にいいのか?」 「俺ーーっとと、"私"がいいと言ってるんですよ? 大丈夫に決まってるじゃないですか!」 「そんなーーうう、だが、背に腹は代えられない……」 「ハイ登録っと! やったなネル、これであの"クソ聖女"が居るっていう"宵闇の迷宮"に潜れるな!」
2020-10-23 23:45:29「ーーああ。 ボクひとりでも、アイツをーー仕留めて、見せるから」 「あー、それなんだがネル。 ダンジョンは3人以上いないと入れないみたいなんだ」 「なんで!?」 「危険性と安全性ーーあと、不思議な魔力ってヤツさ。 3人以上で入ると、"いつのまにか3人以外は居なくなる"んだってよ」
2020-10-23 23:48:54「それじゃあ……どうすればいいんだよ! モグリの冒険者なんて、誰が仲間にするんだ……?」 「何いってんだネル、"俺"がいるだろ? それともう一人ーーホラ、死霊瓶を開けてみろよ」 「え? ……ええと……それっ!」
2020-10-23 23:52:03瓶の中から現れたのはーー青い、よく澄んだ人魂。 いつも操る死霊のような猛々しさは無く、どこか懐かしいものを感じられた。 「もしかしてーークライン?」 「そういうこった。 俺とクラインが、なんやかんやあって"意志ある霊体"に変質した。 だからこんな風に、人の体に乗り移れるのさ!」
2020-10-23 23:56:06「う……大丈夫なんだよな、そのーー」 「ああ、身体の方は特に悪影響はないみたいだぜ。 "俺"がどうするかは別問題だけどなー」 「程々にしろよ、アル……」 「っても、この体じゃダンジョンには潜れないから。 ダンジョンから帰ってきた"冒険者"連中の身体を狙おうぜ」
2020-10-23 23:59:52「ちょうどこの女の記憶によると――お、あと少しで"二人組の冒険者"が帰ってくるみたいだ」 「記憶――そんなものが、読めるのか?」 「読める読める、超読める。 ……あ、来たぞ――!」 「……おっと」 とりあえず、机の下に身を隠すことにした。
2020-10-24 00:02:46「こんにちは~」 「こんちわっス~」 「あら、プリシラさんにパステルさん。 今日もお元気そうですね~」 「えへへ、元気だけが取り柄っスから!」 「ホントね~、もうちょっと考えてくれればもっと良いんだけど……」
2020-10-24 00:06:48現れた二人の冒険者――弓使いと、剣士といったところか。 アルは管理人の女性を完璧に演じきっている。 記憶を読めると、そうなるものなのだろうか―― 「あ、お二人とも、ちょっとよろしいですか? こちらの方へ――そう、これを見てほしいのですが」 「え? はいっス! なんですかそれ?」
2020-10-24 00:09:17「なんなんですか、これ。特に何かおかしなものじゃなさそうですけど――」 女性の方に視線が集中する。 ――そのため、隠れていた赤い人魂――クラインの存在には、気づけない。 「んー、やっぱり、特に珍しいものってワケでもなさそうな気がするっスけど――」 「……ふふっ」
2020-10-24 00:12:21それを合図と受け取ったクラインが、女剣士の背中めがけて――ヒュンッと入り込む! 「ふぁっ?!」 「え、パステル? どうしたの――?」 先程の女性のように、カクンと意識が沈みテーブルにうつ伏せになる剣士。 「ちょっと? え? どうしちゃったの?」 うろたえる弓使いが、剣士の方を見る――
2020-10-24 00:16:07「――え、管理人さん?」 管理人の女性が、いつの間にか弓使いの少女の背後に立っている。 「あなた達の身体――」 「え? え? えっ?」 「ちょっと、貸してもらうわね――」 「ええ、何を、え? ――ひゃぁっ!?」 女性の口で弓使いの少女の口をふさぎ、ビクビクと両者の身体が震える。
2020-10-24 00:19:56「(あいつら……なにやってんだ!)」 真っ赤な顔でそれを見ている少女は、隠れていてよかったと心底思う。 「ぁ――」 口づけが終わり、管理人の女性がゆっくりと床に倒れ込む。 弓使いの女性は、しばらく呆としていた。 少し立ち、目をぱちくりとさせた後。 手を顔の前に持ってきて、そっと握った。
2020-10-24 00:24:35「……よしっ!」 弓使いの少女はにやけた笑みを浮かべ、胸元の革鎧をさわさわと撫でた。 「……やりましたね!」 女剣士も意識を取り戻したようだ。 当然、さっきまでとは似ても似つかない、どこか理知的な口調だ。
2020-10-24 00:26:35「さぁ、これで俺たちも、"冒険者"だぜ、ネル!」 「女の子になるなんて思いませんでしたけど、結構鍛えてるみたいで凄く動きやすいですよ!」 「お前ら……」 少女の葛藤は複雑だ。 復讐のためにはダンジョンに進まねばならず、一人ではダンジョンに進めず、人の寄り付くような性分でもない。
2020-10-24 00:29:22