野毛おでんの思い出

小学生の頃の思い出です
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勇者よっしー @yossiy7

墓に「味三昧」と書くほど、ウチは代々美味しいものが大好きな家系だった。自分が小学生の頃、叔母に連れられて横浜の「野毛おでん」に行った。勧められるまま、おでん定職を食べた。

2020-11-18 00:37:43
勇者よっしー @yossiy7

野毛おでんと言えば老舗中の老舗で、まぁ「味以外を味わうお店」なんですよね。中年の今なら判るけどさ、小学生に野毛おでんはどうなのよっていう。叔母が酒の絡まない店を思いつかなかっただけなのかも知れない。

2020-11-18 00:39:00
勇者よっしー @yossiy7

食べ頃をとうに過ぎて似すぎて真っ黒になった大根。表面が黒く硬くなってしまったさつまあげ。ぼっそぼその茶飯。小学生が食べるにしてはハードルが高かった。今なら判るけど……

2020-11-18 00:41:23
勇者よっしー @yossiy7

ただ、当時の自分は「これは何かがある」って思ったんだよね。「マズっ」って片付けなかった。全部、意図を感じた。その意図が何なのかは判らない。とりあえず茶飯はおでんの汁っ気と相殺してちょうどいいと感じさせようとするものだという事は判った。

2020-11-18 00:43:17
勇者よっしー @yossiy7

「これは、恐らく、食べ手が食事に負けているのだ。自分には理解できない奥深い何かがこの料理にはあるのだ。今の自分の口には合わないけど、何か世界を持ってる料理なのだ」と、漠然と感じた。だから、不味い、とは思わなかった。

2020-11-18 00:44:36
勇者よっしー @yossiy7

「美味しいでしょ?」と自慢げに言う叔母さんに「判らない」と答えると「天下の野毛おでんをアンタが判るわけないわぁ」とケラケラ笑って返した。 うん、判ってるならもっと判りやすい店に行けよな、と今更ながら思うのであった。

2020-11-18 00:46:29
勇者よっしー @yossiy7

40年近く前の出来事だけど、料理の味は覚えているし、何なら今の味覚で食べたらどういう感想になるのかさえ判る。日本酒を寄越せ、になるだろう。 そして、ただ怖かった叔母さんにも可愛いところがあったんだなぁと今更ながら理解した。

2020-11-18 00:48:06
勇者よっしー @yossiy7

そして、自分に甥か姪が出来たなら、どこに連れて行くのだろうかと思った。 越県して野毛おでん……は無いなぁと思いつつも「世界を見せておく」のであれば、日本の、それなりの老舗になりそうだけど、老舗の味が小学生に理解できるかなぁと思う。

2020-11-18 00:49:36
勇者よっしー @yossiy7

延々と考えてみたら、案外と、野毛おでんは悪くない選択肢に思えてきたので、叔母さんもなかなかやるじゃないか、とさえ思えてきた。 昔の事を思い出すのは楽しいねぇ。

2020-11-18 01:02:34