漫画ネタ「カンムスを想う。12※インスパイアSF設定考」より６

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そうして数百年、 ワープゲートの設置により、ほぼ太陽系内にすべての星系の居住惑星がひしめくような雑多なネットワーク空間が形成されたが、 同時に大小の戦争も繰り返していた。 一方で拡張は永遠のフロンティアを提供し、ゲートの向こう側は法があるようでない中世もかくやの世界が広がっていた。

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一応、深宇宙探査船、それも高価なものは、 使い捨てゲートを使うことで 未開拓星系への光速突破航行がはできなくはないが 高価すぎて、惑星を確保できる場合に主に使われるのであった。 星系の領有はゲートの開設により決定づけられ、 それが開拓の大きな原動力にもなっていた。

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さて件の惑星である。 ここには日本を祖とすると自称する新興宗教団体がゲートを開設して占有権を獲得した星系である。 惑星自体はありふれた物で、すでに全人類の人口自体が惑星の居住面積に対して地球の石器時代以上に希薄になりつつある時代であった 通常、ここで人体錬成をするのだがその金もなく

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自然人口増加に任せるよりしかたなかった。 しかし、めぼしい能力が有っても中央の大学に行きたい等と言って抜けていく、過疎の問題は付きまとうのであった。 一応、自由主義ではなく新興宗教の理想とする日本を構築すべく独自色を出すのだが、それも新世代には不評であった。

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持参金はゲート開設とテラフォーミングにほぼ費やし、 開拓は人力で行う有様、一応腐っても星系主、資源の切り売りなどで収入はあるのだが 開発にはなかなか手が付けられないのであった。 そんなこんなで70年ほどたったある日、怪獣に見舞われると。悲劇である。

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この時点で 惑星開拓政府には選択肢はあまりなかった ・戦艦を建造したいが工業力がない ・強力な戦艦は購入したいが資金がない ・仮に購入できてもメンテナンス費用を払えない ・発注を今からしても間に合うか分からない ・宇宙海賊等の外部勢力を抱き込むのは自殺行為 という状況であった。

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仕方がないので、工業機械を転用したエネルギー兵器を使うが いかんせん、ユースケースが違うので カイジュウに射程等挙動を学習され無効化されてしまう。 仕方がないので、火砲兵器軍を急造し なんとか押し込まれながらも費用対効果で持続可能な戦線の構築に成功する。 それでも一瞬の隙きを突かれる

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結局、費用対効果上 ・自律的に動いて ・自力でメンテナンスをして ・ふんだんに有る太陽光電力で可動する ・できれば資源を食わない 兵器が要求されたが、 そうなるとマイクロマシンによる機械生物をAIに繋いだ代物が適当なのだが、それが制御不能になれば自動増殖する分手が付けられなくなる

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砲撃の隙間をかいくぐって地中から坑道をすり抜けてくる連中の存在が特に厄介でどうするか もう、まともな構造物を作るには何もかもが不足していた。 そして、戦況不利になるのと同時に侵略生物の感染性により、汚染地区からは「解体洗浄」をしなければ星系から出られない事態が発表されて脱出が始まる

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そんな折、素っ頓狂な提案を行う人物がやって来る なんでも、巨大人造人間を導入するといいと。 人造人間はしっかりと仮想空間で教育を施す人間故 星間条約では人権が保証されると。 で、メンテナー人間も用意すると。彼らも人間であると。 彼らのみでメンテナンスフリーで可動できると

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勿論、必要な物資等が有るけれども 強力な消化能力で低品質でも問題なし エネルギーさえ有れば火薬もなしに怪獣を解体できると 建造も船舶用ドックで１ヶ月もあれば建造できると メンテナー人間も勝手に増殖すると ふむ。魅力的な話だが これは少々我々人間の種族的尊厳に問題が有るのでは？

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売り込み人「しかし、こう言っちゃなんですが他に手がありますかねぇ」 役人「失礼な、まだ手は残っている。今新式の兵器を準備中だ」 売込「そうは言っても、数カ月後には連合軍がゲートの先に検問を設けると聞いたら何人残りますかね」 役人「本当なのか？」 売込「まあ私は代理人なんでね」

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この惑星開拓政府にはトップに 自称「源氏の傍流」が居て、征夷大将軍を自称しているのだがなんのことはない、口の達者な歴史好きの実業家である。流石に天皇は許せなかったらしい。 将軍「成る程、一体ぐらいなら」 役人「しかしドックを数ヶ月専有は・・」 将軍「よい、コストじゃ、コストを言え」

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売込「これを」スッ 将軍「ほう！こんなので出来るのか？」 売込「発案者の見立てではな」 役人「しかし、倫理的な問題がありまして・・・」 将軍「人身御供を出せとな？」 売込「将軍様、外部の介入を招かず軍を整えようとするにはこれしかないですぜ？」 将軍「・・・」

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売込「このプランの肝は人権なんでね」 将軍「あの事件か」 売込「星系主なら同盟はゲートの向こう側に集まりつつあるしな」 将軍「何人必要なのだ？」 役人「上様！？」 将軍「人権と言うからには命までは取らんのだろう？」 売込「勿論。ただし生まれ変わってもらいますがね」 役人「それでは・・」

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売込「これは兵器なんだぜ？それを人間に渡す。それもあの化物を駆逐できる奴をさ。寝ても醒めても武器と一緒の体。これをそのへんの人間に任せられるかい？」 役人「た、確かに。反乱を起こさない保証は？」 売込「ない。自己決定権の保証は人権だろう？」 役人「上様、このプランは欠陥商品です！」

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将軍「軍法で裁けばいい」 役人「上様！」 売込「じゃあ、５人。５人志願者がいるな。」 役人「５人？！」 将軍「反乱が３人以上でないと成功しないか・・・」 役人「ドックを５個同時に数ヶ月ですよ！」 将軍「負傷兵でも良いのだろう？」 売込「ええ、プランでは解体洗浄の上融合させますから」

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売込「ただ一つ条件がありましてね」 将軍「なんだ？」 売込「これは俺もどうかとは思うんですがね、開発元の責任者がどうしても女性に限ると」 将軍「何か理由が有るのか？」 売込「なんでも見た目麗しい方が良いとか」 役人「なんと破廉恥な、人形なら何でも良いんじゃないのかね」

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売込「データがそれしか無いと言ってるんで」 将軍「無いものは仕方がないな」 役人「上様！後で問題になっても知りませんぞ」 売込「で、どうなんですかね？おっとデモンストレーターの準備が整ったようです」 将軍「良いだろう、現物を見せてもらってからで」 役人「ふん、使い物になるのだろうね」

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開拓政府首都の曇天に円形の穴が開いたと道行く人が見上げると 「何だアレは？」 「人間が空から、まてあのサイズは人間じゃないぞ？」 「おい、人だ。手に宇宙服を着た人間が乗っているぞ」 「え？あの巨人じゃなくて」 「右手だ」 ざわつく中、上空20mほどで止まる 手にはポーズを決めた宇宙服のデブ

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燦然と輝く光の輪に 絢爛な衣装をまとった巨大な美女 「登場は優雅に決まったでしょうか」 「十分さ」 将軍「おお、女神よ。成る程な・・・」 役人「どうして浮いているのだ？」 売込「あのサイズだからね。レディの体重は5000トンらしい。あんたは女神の足跡がほしかったかい？」

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デブ「じゃあレディ、彼らにデモを見せてあげて」 レディ「そうね、目標は？」 売込「すまん、聞きそびれてたわ。ああ待ってな。眼の前に最高責任者は居るからよ。 将軍、華麗にデモを見せられる場所はありませんかね？」 将軍「華麗に？」 売込「そう、女神が映える場所ですよ！」 役人「ふん」

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前線 「効力射が効かねぇデカイのが来るぞ！直射砲用意！」 後光に振り返る 「失礼！得物を横取りさせていただくわ」 そう声が聞こえたと思うと 巨人が颯爽と前線を越えていく そして槍を軽やかに振るうと、あの砲撃すら受け付けなかったカイジュウがまっぷたつに首を落とされていた。 「何だあれは」

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本部「観測班、あの巨人の動きを注視、報告せよ」 前線「本部、了解。あの巨人は味方なのですか？」 本部「味方だ、君たちには危害はない。」 前線「本部、了解。観測を続けます。」 そんなやり取りをしているうちに、別のカイジュウは3枚下ろしに 観測「すげぇ」 本部では・・・ デブ「如何ですかな」

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将軍「素晴らしい！これならあの憎きカイジュウ、いや害虫をこの星から駆逐できる！」 デブ「うむ」 売込「ではご契約を」 将軍「じゃあ君、よろしく頼む。我らが理想のために」 役人「は、迅速に対応致します！」 前線を押し上げるニュースに湧く背景 デブ「数が足らん」 売込「でもこれが限界だと」