嚥下障害とリスクになるお薬のまとめ

薬剤性嚥下障害について
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ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

嚥下障害、ご存知でしょうか。 簡単に言うと「食べ物や飲み物の飲み込みがしづらくなること」のことですが、放置してしまうと身体の衰弱に繋がります。また、肺に食べ物が入ってしまうことで肺炎を起こし、危険な状況になることがあります。 こういった肺炎のことを誤嚥性肺炎と言います。

2020-12-11 23:31:21
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誤嚥性肺炎は大きな問題で、2019年の厚生労働省の調査では日本人の死因の第5位に入っています。 (ちなみにこの集計には他の肺炎も含んでいます) pic.twitter.com/4sGfgUizMq

2020-12-11 23:34:47
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飲み込みには視覚による食べ物の認知と、多くの筋肉の連携(100以上の筋肉が関わるそうです)とそれを司どる脳の分野(延髄)が関わっておりそのどれかに異常があると嚥下障害が起こり得ます。 もちろん加齢そのものによる筋肉の衰えもあるのですが、お薬による嚥下機能の低下もあると言われています。

2020-12-11 23:39:03
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今日はお薬による嚥下障害について少しだけ呟きます。 参考にした文献は以下のとおりです。 Drug-induce dysphagia: Dysphagia8:154-159(1993)

2020-12-11 23:41:16
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

飲み込みには円滑な筋肉の動きが不可欠ですが、平滑筋や骨格筋の機能障害の原因になる可能性がある薬剤は以下の通りとされています。 ✅抗コリン剤 ✅三環系抗うつ剤 ✅テオフィリン ✅Ca拮抗薬 ✅アルコール

2020-12-11 23:45:49
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

また、食道の機能も嚥下には重要です。下食道括約筋(食道-胃部分)の圧を低下させる薬剤、ホルモンは以下のとおりです。(一部抜粋) ✅プロゲステロン ✅グルカゴン ✅ドパミン ✅テオフィリン ✅Ca拮抗薬 ✅アルコール、脂質 ✅アトロピン ✅ブチルスコポラミン

2020-12-11 23:51:34
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

口腔内が乾きすぎると、飲み込むことが困難になります。また、口腔内の衛生が保てなくなり誤嚥性肺炎のリスクが上がります。 口腔内乾燥の原因薬剤の例です(一部抜粋) ✅抗コリン薬 ✅抗精神病薬 ✅抗ヒスタミン薬 ✅ACE阻害薬 ✅抗不整脈薬(Naチャンネル遮断薬) ✅降圧薬(α遮断薬)

2020-12-12 00:07:00
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また、中枢神経に抑制的に働く薬剤全般で、口腔咽頭および食道の嚥下機能低下をきたすことがあります。

2020-12-12 00:13:08
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

高齢者で虚弱な方では、リスクが高いと考えられるので薬剤の面からも気を配っていきたいですね。

2020-12-12 00:14:08