#理想の夫4の2 ガートルードはロバートが公職を続けることを認め、ロバートは喜び、たぶんアーサーのおかげだと察してアーサーにお礼を言います(493-499)。
2020-12-11 11:27:33#理想の夫4の2 アーサーはメイベルと結婚したいので、後見人である兄ロバートの許可が欲しいと頼みます(500-501)。求婚のところでアーサーが自分の年を気にしていましたが、おそらくメイベルはかなりロバートより年下なので、まだ後見人が必要な年齢かもしれません。
2020-12-11 11:28:11#理想の夫4の2 同じくワイルドの『真面目が肝心』でもそういうくだりがありますが、後見人がいるような若い人はその後見人の同意がないと結婚ができないので、メイベルは保護者(guardian, 500)であるロバートの同意なしにほいほい結婚できないのでしょう。
2020-12-11 11:29:50#理想の夫4の2 ガートルードは祝福しますが、ロバートはきっぱりと拒否し、理由として昨晩チェヴリー夫人がアーサーの家にいたことをあげます(526-536)。チェヴリー夫人とデキてるような男と妹を結婚させられないということですね。
2020-12-11 11:30:35#理想の夫4の2 ここ、ロバートには、そのおかげで手紙が手に入ったので全てアーサーの策略だったのかもしれないという発想はないらしいんですね。また、自分も悪いことをして今は許されたのに、アーサーに対しても同じような許しの態度で臨もうとはしていません。
2020-12-11 11:31:01#理想の夫4の2 アーサーが心ならずも色仕掛けを使ってチェヴリー夫人からお手紙を取り戻してくれたのかも、それなら大目に見て感謝しなければ…というようなこと、ロバートは考えていません。ロバート、ここまでの経緯からしても、政治や利益にはめざといですが色恋に疎いかもしれません。
2020-12-11 11:32:26#理想の夫4の2 アーサーは何も言いません(357)。本当のことを言うとガートルードの不倫疑惑が持ち上がるからです。友情に篤いので、自分の幸せな結婚がかかっていても、友達が困るようなことは言えないんですね。
2020-12-11 11:34:06#理想の夫4の2 ガートルードが介入し、昨日アーサーが客間にいると思い込んでいたのは自分だと告白します。ガートルードはアーサーに助けを求めるつもりで手紙を書きましたが、結局訪問をやめたということを説明します(542-552)
2020-12-11 11:34:37#理想の夫4の2 ロバートはこの話を聞いて、自分はそういうことで妻を疑うようなつまらない男ではないと言い、アーサーにメイベルとの結婚を許可し、チェヴリー夫人が手紙に宛名がないことに気付かなかったのは失敗だと示唆します(553-560)。
2020-12-11 11:34:59#理想の夫4の2 ここはロバートの色恋のことに疎いところが良い意味で発揮されていて、変なことを勘ぐらないし、妙な思い込みで嫉妬したりしないんですね。ロバートもガートルードと同じで、友達に手紙を送るようなことが不倫の証拠になるとは全く思ってません。
2020-12-11 11:37:17#理想の夫4の2 558行目の‘brilliant’は皮肉で使われています。「素晴らしく頭のよいチェヴリー夫人」という意味ですが、「そのくせにそんなことも考えつかないのか」という皮肉です。イギリス人好みの皮肉ですね。皆さんも使えるようになりましょう(ならなくてよいです)。
2020-12-11 11:38:42#理想の夫4の2 ガートルードは手紙の宛名にロバートの名前を書こうとし、実際に書き込みます(561-562、565)。これからもロバートだけを愛して信じるという誓いですね。一方、アーサーは手紙は自分宛なので返してほしいと言っています(563-564)。
2020-12-11 11:39:18#理想の夫4の2 メイベルとキャヴァシャム卿が再入場し、メイベルがもうキャヴァシャム卿としか話さないとアーサーをからかいます(568-570)。さっき、アーサーがメイベルのいるシュロのところに時間稼ぎでキャヴァシャム卿を追いやったからですね。
2020-12-11 11:40:00#理想の夫4の2 アーサーが来ると思ってたのにお父さんが来て、メイベルは拍子抜けだったのかもしれません。アーサーがメイベルにキスするとキャヴァシャム卿は驚きますが、アーサーは自分たちの婚約と、ロバートが大臣指名を受諾することを伝えます(575-576)。
2020-12-11 11:40:58#理想の夫4の2 キャヴァシャム卿は喜び、ロバートはやがて首相になるだろうと言います(579)。メイソンが昼食の準備ができたと知らせ、キャヴァシャム卿も昼食をここでとることにします(580-584)。
2020-12-11 11:41:32#理想の夫4の2 キャヴァシャム卿はロバートは政治のキャリアを歩む一方、アーサーのキャリアは全部domestic「家庭内」(586)のものになるだろうと言い、アーサーはそれに同意します(587)。これ、さっきアーサーが言っていた、男の人生の価値は女より…という台詞と矛盾するんですよね。
2020-12-11 11:43:26#理想の夫4の2 キャヴァシャム卿が‘I’ll cut you off with a shilling.’ (599)と言ってますが、‘cut someone off with a shilling’で「わずかな金を与えて勘当する」です。キャヴァシャム卿は、‘an ideal husband’「理想の夫」(588-589)にならなければアーサーを勘当すると冗談まじりに脅しています。
2020-12-11 11:44:07#理想の夫4の2 キャヴァシャム卿はメイベルを高く評価してて、若くて賢くて可愛くて、息子には過ぎた妻だと思っているらしいので、とにかく息子には良い夫になれと言いたいわけですね。
2020-12-11 11:44:58#理想の夫4の2 タイトルであるan ideal husbandという言葉が出てきたところで、メイベルは理想の夫はいらない、自分は‘a real wife to him’ (594)になりたいと言いますが、ここではidealとrealの対比があります。
2020-12-11 11:48:03#理想の夫4の2 完璧な夫と思われていたロバートには暗い過去がありました。メイベルはたぶんそのことを知りませんが、ここは完璧よりも、現実に即した配偶者になることが大切で、それが本当のカップルというものだという哲学を提示してます。
2020-12-11 11:48:04#理想の夫4の2 ロバート以外全員が昼食のため退場しますが、ロバートは座っています。ガートルードが戻ってきて、ロバートが‘is it love you feel for me, or is it pity merely?’ (599-600)とたずねます。ロバート、自分の過去に不安を抱いて、妻の気持ちが変わったらどうしようと思ってますね。
2020-12-11 11:49:00#理想の夫4の2 ここでガートルードは愛だと答えて幕です。やはりワイルド、お芝居では愛の話をするのが好きです。
2020-12-11 11:49:27#理想の夫4の2 これでおしまいとなりますが、最後にふたつ、ディスカッションポイントを提示します。演出家になったつもりで考えましょう。まず、この終わりの部分はどう解釈・演出したらよいでしょうか?完全に明るくすべきでしょうか、ちょっとダークにすべきでしょうか?
2020-12-11 11:50:09#理想の夫4の2 もうひとつのディスカッションポイントですが、芝居全体を通して、アーサーとガートルードの関係はどういうふうに演出すべきでしょうか?落ち着いた友情にすべきか、かなりくだけた感じにすべきか、それともアーサーはガートルードをちょっと好き、みたいにしたほうがいいでしょうか?
2020-12-11 11:51:27#理想の夫4の2 このあたりは履修登録者の学生の皆さんは授業掲示板でコメントしてください。来週はZoomディスカッションになりますので、掲示でお知らせします。時間通りにZoomに来るのを忘れないでください。
2020-12-11 11:52:11