皿洗いしながら、エントロピーを語りましょ

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uroak_miku @Uroak_Miku

午前深夜にキッチンで皿洗いしながら脳内生徒たちにエントロピーを講義。

2021-01-13 02:14:25
uroak_miku @Uroak_Miku

熱力学は、足し算と掛け算が同じ部屋で同居する不思議な世界。水と油を混ぜるにはマヨネーズが効くように、足し算と掛け算を仲良しにするには log すなわち対数関数が効く。 熱力学にはいろいろな数式があるけれど、log はどこに隠れているでしょうか?

2021-01-13 02:18:43
uroak_miku @Uroak_Miku

答えはここ。  PV/T=一定 ねーじゃんと突っこんでくださった方ありがたう、あるんですよここに。 ∫(積分記号)を付けるのです。

2021-01-13 02:20:12
uroak_miku @Uroak_Miku

じゃじゃーん  ∫1/T = log T こんな風に発見できるのです。

2021-01-13 02:21:06
uroak_miku @Uroak_Miku

ところでこの∫(積分)は、何を積分しているのでしょう。 時間です時間。 T とあるのは温度です。時間は通例に倣って t と表します。

2021-01-13 02:22:31
uroak_miku @Uroak_Miku

「熱は高きから低きに流れる」という経験的真理を、数学言語で語るとこれになります。 エントロピー。S を使います。これは増えることはあっても決して減らない。局所的一時的には減っても最終的には増える。一方通行。 時の矢の数理的表現、それが S です。

2021-01-13 02:26:11
uroak_miku @Uroak_Miku

以上が最短距離でのエントロピー解説です。 しかし科学史を追うと、歴代の天才たちがたったこれだけのことに思い至るのに血の涙を流しながら一進一退の匍匐前進を続けたのです…と語ると感動してもらえるかもしれない。

2021-01-13 02:29:14
uroak_miku @Uroak_Miku

どうして血の涙で一進一退だったかというと、「熱素」という考え方に数百年も縛られていたから。

2021-01-13 02:31:05
uroak_miku @Uroak_Miku

日本語でも「涼しい」「熱い」「冷たい」「寒い」「凍える」「蒸す」等のことばがたくさんあることからわかるように、これらが要は12度とか29度とかの数直線的なものだと気づくのに人類はとてつもない時間を要した。

2021-01-13 02:35:13
uroak_miku @Uroak_Miku

ガリレオ・ガリレイが、今でいう体温計の元祖的なマシンを開発し、体温の概念を視覚的に提示した。 これがやがて気温、そして温度の概念を生んだ。

2021-01-13 02:37:07
uroak_miku @Uroak_Miku

この革新的思考に、明確なイメージを与えたのが「熱素」説でした。

2021-01-13 02:37:55
uroak_miku @Uroak_Miku

これは西洋の生んだ究極のテクノロジー・微積とも相性が良くて、そのおかげで近世ヨーロッパにおける科学の疑わざる原理の座を獲得。

2021-01-13 02:41:09
uroak_miku @Uroak_Miku

それをまた捨て去るには、とてつもない勇気と度胸と根性と、そして時間がかかったのです。

2021-01-13 02:42:28