「経済学的な家族ツイート」まとめ　その２７

本の虫（本体） @honnomusi

経営学的な転校生の生存戦略１：病院のベッドで、転校生は窓の外を見ながら物思いにふける。転校生（数日間腹痛でのたうちまわった後、俺のもとには大量の暇な時間がもたらされた。無為な時間を過ごすのが死ぬほど嫌いな俺は、退院後の計画を考えることにした。）

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経営学的な転校生の生存戦略２：転校生（生徒会選挙以来、俺の中であの学校に行く意味が急速に薄れていた。刺激ジャンキーな俺としては、同級生と他愛無い会話をするつもりは全く起きなかったし、俺の要求水準についてこれる人間は一人を除いていそうにない。）

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経営学的な転校生の生存戦略３：転校生（俺は早速行動に移ることにした。お手伝いの人間に命じて中学３年間の全教科の教材を買って持ってこさせた。そして、それらを一週間で仕上げた。驚くには当たらない。有名進学校の中学ではこれぐらいの勢いで難問や高校課程の内容に突入するのだ。）

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経営学的な転校生の生存戦略４：転校生（これで俺があの中学に行く理由はほぼ皆無になった。俺の計画ではここで退院になる予定だったが、安静を命じられてもう少し時間ができた。そこで、株式投資を覚えることにした。しかし、公開情報やニュースから反応するだけでは遅いことに気付いた。）

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経営学的な転校生の生存戦略５：転校生（誰でも参照できる情報では大した儲けを出すことはできない。しかも、金融機関などはシステムトレードで感情を排した取引をすることができるので、感情に左右されがちな個人投資家はどうしても不利になる。もう一歩踏み込まないといけない。）

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経営学的な転校生の生存戦略６：退院する転校生。しかし、その足は中学ではなく、大学に向いていった。大学の授業に潜る転校生。授業終わりに教授を捕まえて質問攻めにする。転校生（刺激を求めた俺は、学校を飛び出すことにした。）話が盛り上がり、教授の研究室に招かれる。その後も議論は続く。

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経営学的な転校生の生存戦略７：転校生（ここで大学生と偽ってもばれないぐらいに、デカイ体に産んでくれた両親には感謝しないといけないな。しかし、多岐に渡る話をするうちに、段々と不自然なところが出だした。そこで、仕方なく中学生であることを白状し、今までの経緯も話すことにした。）

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経営学的な転校生の生存戦略８：転校生（これで出入り禁止になるかと思われたが、教授はむしろ感動し、人一倍俺のことを可愛がってくれるようになった。そして、経済をもっと知れと、俺にいろんな企業の人を紹介してくれるようになった。その人たちも俺のことをいろいろと贔屓してくれる。）

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経営学的な転校生の生存戦略９：転校生（企業の人たちの話はやはり新鮮だった。職場を見学させてくれたり、業界の最新動向を話してくれたり、他の社会人を紹介してくれたり。俺はどんどん懐に入り込んで、企業の新製品の出展会場にも出入りさせてもらえるようになった。）

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経営学的な転校生の生存戦略１０：転校生（そうやって色んな人と会う中で、世の中の埋もれた有望企業をいくつも知ることになった。情報公開が進んだ今の時代でも、経済を本当に動かしているのはこういう業界人のクローズな情報なのだ。そして、俺は株式投資からベンチャー投資に方針を切り替えた。）

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経営学的な転校生の生存戦略１１：転校生（こういう体験は最高に面白いものだったが、すぐに学校から横槍が入った。出席日数が危ないことになっているというのだ。俺はこれまでの活動で学んだことをレポートにまとめて叩き付けた。うるさい大人は実績により一瞬で黙らせなくてはいけない。）

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経営学的な転校生の生存戦略１２：転校生（せっかく、学校の外に気付いた楽園を踏み荒らされてたまるか。俺は久々に満足のいく日々を送ることができていた。毎日のように新鮮な驚きがなければ、俺は気が狂ってしまう身体になってしまったのだ。だが、そんな俺の生活を脅かすものは他にもあった。）

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経営学的な転校生の生存戦略１３：転校生（俺の持つ資産を管理下に置くため、親戚の人間が画策しているという動きが耳に入った。中学生の俺には金を管理する能力に不安があるので、大人である自分たちに管理を任せてくれといのだ。俺が拒否すると、彼らは学校に掛け合うという手段に出始めた。）

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経営学的な転校生の生存戦略１４：転校生（俺は激怒した。そんな平均的な中学生像を俺に当てはめるな。そもそもお前らは自分の金をしっかり扱うことができているのか。銀行に預けてるだけで金に対するリテラシーがあるなんていうんじゃないだろうな。そんな欺瞞に俺は騙されないぞ！）

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経営学的な転校生の生存戦略１５：転校生（しかし、中学生であることによる限界ははっきりとある。世間は俺の主張など認めないだろう。だからこそ、したたかに振舞う必要がある。俺は、親戚以外の自分たちに味方を増やすことにした。今まで出会った社会人の中で、力を持つ人に頼んだのだ。）

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経営学的な転校生の生存戦略１６：転校生（彼らは快く承諾してくれ、親戚たちの要求を退けるために力を貸してくれる約束をしてくれた。どこでどう手を回してくれたのか知らないが、それから俺への親戚からの請求はピタリと止まった。そして、俺は気付いた。俺は名実ともにこの人たちの家族になったと）

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経営学的な転校生の生存戦略１７：転校生（同時に俺は予感していた。この人たちは、将来俺を利用しにかかってくると。社会で上のほうに上り詰める人間というのは、権力欲がなくてはいけないし、自分の力の増強のために周りを上手く使う力量もなくてはいけない。）

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経営学的な転校生の生存戦略１８：転校生（早めに有望な人間に目をつけて関係作りをし、後に育ったときにそのあがりを取る。だが、それでいい。一方的に資産を奪おうとして建前を押し付けてくるやつらよりも、ギブ・アンド・テイクがはっきりしている。投資家と企業家の関係に似ているかもしれない。）

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経営学的な転校生の生存戦略１９：転校生（しかし、刺激ジャンキーの俺はすぐに今の生活にも物足りなさを感じるようになってしまった。生活が一応の安泰を得て、俺の身体はまた新しい刺激を求めてさまよい始めた。何か、何かないか！俺をもっと楽しませてくれるようなものは・・・）

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経営学的な転校生の生存戦略２０：街中を歩く転校生は、スクランブル交差点を歩く途中で立ち止まった。都会のビルのディスプレイに、今朝のニュースが映し出された。スナッチャーズの盗難事件だった。画面を凝視する転校生は不気味な笑みを浮かべた。都会の真ん中で、転校生の邪悪な笑いが響く。