【シェイプ・オブ・ニンジャ・トゥ・カム】 #2
コンヴァージはニンジャスレイヤーを持ち上げ、叩きつける!「イヤーッ!」KRAAAAASH!コンヴァージはニンジャスレイヤーを持ち上げ、叩きつける!「イヤーッ!」KRAAAAASH!「そこまでだ、コンヴァージ=サン」「それは規定か?」コンヴァージはブラックティアーズを見た。「……然りだ」 47
2021-01-18 23:15:50コンヴァージはニンジャスレイヤーから手を離した。ブラックティアーズは言った。「獣を必要以上に弱らせれば、狩りの開始が延びるだけだ」「お前とて狩人の一人だ。いつまで審判面をしていられるか、見ものだな」コンヴァージはブラックティアーズに言った。ブラックティアーズは見返した。 48
2021-01-18 23:17:54二人はしばし、睨み合っていた。「よかろう」やがてコンヴァージが言った。ブラックティアーズはアグラし、闇に染みるように消えた。コンヴァージはニンジャスレイヤーを一瞥した。「命拾いしたな。弱敵」そして、去った。バチバチとネオン看板「不如帰」が明滅し、火花が水溜りに落ちた。 49
2021-01-18 23:20:05看板が明滅し、光と闇が交互に訪れた。ニンジャスレイヤーは仰向けに倒れたまま、動かない。バチバチとネオン看板「不如帰」が明滅する。何十回目かの光の灯りの下、不意にそこには男が立っていた。奇妙な、文明から隔絶したような服装の……だが、身なりのいい男だった。 50
2021-01-18 23:24:02「カリュドーンの獣よ」男は無感情に言った。「ニンジャスレイヤーよ」ニンジャスレイヤーは仰向けのまま動かない。男は虹彩のない、薄ぼんやり輝く目でニンジャスレイヤーを見た。沈黙の数秒。……否。男の瞼が動いた。男は音を聞いていた。ニンジャスレイヤーの音を。「……スゥーッ……フウーッ」51
2021-01-18 23:28:24「多勢に無勢、そのように申し開きをするもよかろう、カリュドーンの獣よ」男は言った。ニンジャスレイヤーの音は次第に大きくなる。それは、呼吸だ。ジゴクのフイゴのような。「……スウーッ……フウーッ……」「しかしそれでもなお、己の至らずを省みるべし」「……スウーッ……フウーッ」 52
2021-01-18 23:30:47「この程度のはからいならば、儀式を穢す事にもなるまいて……」男は懐から笹の包みを取り、足元に置いた。バチバチとネオン看板「不如帰」が明滅すると、男の姿はなかった。「……スウーッ……フウーッ……」ニンジャスレイヤーの左手が大地を掻いた。右手が持ち上がった。右手が心臓を殴りつけた。53
2021-01-18 23:34:20ピイー……。ピイイー……。笛の音が遠ざかった。ニンジャスレイヤーは再び、己の心臓を殴りつけた。再び。再び。KRAAAASH……KRAAAAASH……KRAAAASH。小規模局地地震じみた震動が三度。ニンジャスレイヤーは、身を起こした。 54
2021-01-18 23:37:46