
とあるミステリ小説家が、ゼロ年代に美少女ノベルゲーを何本かプレイをして「どうして世のオタクはこんな長大なテキストをもくもくと読み続けていられるのだ!?」と困惑した話
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golden_haniwa
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しかしゼロ年代に、美少女ゲームのノベルゲームを何本かプレーしたときに「う……。世のオタクは、こんな長大なテキストをなぜ黙々と読み続けていられるのだ!?」私の目には少々異様にうつった。なぜあんなものが栄えたのかがむしろ不思議な気がする。
2021-02-17 00:25:49
CLANNAD(18禁でなく全年齢向け)は毎晩二時間ずつくらい読んでいっても、完読するのに三週間くらいかかった。「戦争と平和」が二回くらい読める読書時間、長すぎだーと思った。
2021-02-17 00:27:34
ただこれだけでは片手落ちの感想なので付け加えると、「CLANNAD」は傑作でした。わが生涯の十作を選んだとして、ゲームから一つだけCLANNADに枠を与えたい。
2021-02-17 02:34:03
2000年に当時のアダルトのノベル系ヒット作品数本を一気にやってみたが、「内容に対して読む時間がかかり過ぎる」という印象だった。全体の量が推測できない状況で延々と日常描写が続くので、話がなかなか動かなかった。 twitter.com/komorikentarou…
2021-02-17 02:45:53
ある作品で、終盤いい感じになったけどこれどうやって話終わらせるんだよ、となった時にヒロインのお母さんが唐突に車にはねられて「やったあ」とか嬉しくなったのが今でも鮮明だ。フィクションでも車に人がはねられて嬉しかったのはあれきりである。
2021-02-17 02:47:42
当時まだいわゆるバックログ(前のテキストを読み返す機能)がなかった。あれが求められたのは、要するにどうでもいいところをみんな読みとばしていたせいじゃないか、と今でも思っている。
2021-02-17 02:49:57
当時見てなかったが、TVアニメは30分×10~13話で確実に終わるので有り難く感じている。限られた時間内で未知の物語を取り込む手段として重宝している。ゲームは長短あるが、完了までの時間が読めないのが厳しくなった。
2021-02-17 03:00:01
しかしノベルゲームで、いつ終わるかわからないというのは、ミステリに向いていると思うところがあった。エラリー・クイーンの厚い小説を読んでいると、中盤にほとんどの読者を納得させられそうな推理が出されても、本の末尾近くでないという理由で読者はそれが正解でないと判断する。これが避けられる
2021-02-17 03:06:37
しかし例えばCLANNADの学生篇で、朋也が学食に行く話、普通の小説なら一回書けば終わりのはずで、日常のルーティンワークを毎回繰り返し書き込んだりはしない。それが、あの手のノベルゲームは毎日毎日書き込んである。この辺りが異様に思えた一因。
2021-02-17 03:21:11
あと「ひぐらしのなく頃に」ノベルゲーム全話読んでいるが、ミステリを期待するとやや期待外れだがキャラものとしては面白い。前半級友たちとゲーム部で遊ぶ話が長々と書き込まれ、ミステリ読みとしてはその何処かに後の謎解きに関わる伏線や手がかりが埋め込まれているだろうと身構えて読むのに、(続
2021-02-17 03:28:36
何にも謎解きに関わってこなかったときのガッカリ感は大きかった。読者として「長く」感じる要因として、こういうあたりがあると思う。
2021-02-17 03:30:51
アントニイ・バークリーの作品には、最後に出される推理が正解だろうという読者の予断を覆すものがあったりしますが。
2021-02-17 09:29:07
しかし逆にいえば「終わりが確約された物語」であるミステリは、日常を描くノベルゲームとは真っ向から相反している。ノベルゲームでのミステリが勿論ないわけではないが、延々と長大化した作品にはミステリはなじまない。
2021-02-17 09:55:49※日常とミステリをうまく両立させようとしてる作品もあります

すげえ単純に、いつ終わるかわからない不安定さ・不確定さのゆえに「現実といっしょでリアルだ」と思いましたね。バッドエンドは交通事故みたいなもんだし。CLANNADとか君望とか、主人公がいつダメ期を抜け出せるのかわからない。その気だるいずっしりした身体感覚は、まさに日常だと。 twitter.com/komorikentarou…
2021-02-17 03:22:30
今時の長編ラノベやネット小説は、当時のノベルゲームより長いのがごろごろしてるので、長大テキストはむしろ今のが栄えてるよなーとしか twitter.com/komorikentarou…
2021-02-17 09:13:20
@komorikentarou プレイ時間自体が長いことで、結末の感動が余計押しかかってくるんですよね。プレイ時間の長さは退屈な日常のかわりなのかな。感情移入というか、共に生活してる感じの愛着とでもいうか。
2021-02-17 09:16:10
これは「小説」とすればその通りなんだけど、あれはプレイヤーが主人公の視点で体感するゲームなんだよ なので『似たような日常を何度も描写する』というのは『毎日を体感することでその世界に自分がいることを実感する』というとても重要な意味があるんです twitter.com/komorikentarou…
2021-02-17 11:59:44
『物語を読んでる』のであれば完全第三者視点の紙芝居でいいんですよ 事実そういう『小説として読む』に極振りしたゲームもあるわけで なので体感型ゲームをさわらないで外から見てるような楽しみかたしてもそれは違和感があって当然なのです
2021-02-17 12:03:22
@jimurijinjim 「没入感」を与えるための工夫は、ソレを求めてない人や感じ取れない人には余計なものに見えてしまう、という事ですね…。
2021-02-17 13:19:02
自分の発言への反論もちょくちょくいただきますが、そのクオリティは千差万別、ピンからキリまであります。こちらの方のは、凄く得心のいく反論。レスとしてクオリティが高い。 twitter.com/jimurijinjim/s…
2021-02-17 13:10:40
「CLANNADのようなアダルトゲームのポスターを掲示するのはけしからん!」(註:CLANNADは一般向けゲームでアダルトゲームではない)という人にはオタクが怒って叩いたりしていたが、「CLANNADは小説とみて冗長(大意)」といってもさほど大きな怒りは買わない。プレーした上での感想ですからね。
2021-02-17 13:49:14
CLANNADへの理解として、明らかに私の引用されている発言よりも、こちらの方の言っていることの方が正鵠を得ています。より正しいのは私でなく、この方。
2021-02-17 13:52:28