読書記録

大村祐里子 @Holy_Garden

宮木あや子『野良女』読了。無難に生きていける生活か、楽しくて刺激的で、でも死ぬかもしれない生活を選ぶか。その狭間で揺れるアラサー女子の生態をお下劣かつ痛快に描いた話。グロテスクの後なので軽ーく読めた。暴力男、ヒモ、自殺未遂、アニオタ、不倫、婦人病… アラサー女は大変（笑）

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桐野夏生『グロテスク（下）』読了。登場人物が全員気持ち悪いという奇跡。そして人間の一番見てはいけない部分だけで構成された内容。読後の不快感は異常！読了後思わず強いお酒を飲んでしまった程。でも、久しぶりに人生の底に転落して行く感覚を思い出した。この小説は嫌いじゃない。

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桐野夏生『グロテスク（上）』読了。読んでも読んでも終わらない感じがする珍しい小説。悪意満ち過ぎ。舞台であるQ女子高は私の母校がモデルになっている。更に私には年子で、ある意味怪物的な妹がいる…そして私の名前はユリコ。小説と自分の人生が重なりすぎていてなんかもう怖い。下巻読むの怖い。

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（つづき）そんな重いテーマを、簡潔な文章で綴っている素晴らしい作品。前作よりは読みやすい。etmlというマークアップ言語が使われていたり（なぜこれが使われたかは最後にわかる）、作者のナウシカ好きが感じられる描写があったりして、細かいところまで楽しめる。この２冊に出会えた事は幸せ。

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伊藤計劃『ハーモニー』読了。前作『虐殺器官』の続編。〈大災禍〉と呼ばれる世界的な混乱の後、人類は大規模な福祉厚生社会を築く。そんな世界で生きるある少女の話。人間らしさの象徴である「意思」があるからこそ人は苦しむのではないか？しかし「意思」を完全に無くすことは幸せなのか？（つづく）

大村祐里子 @Holy_Garden

（つづき）書評で、伊坂幸太郎氏や宮部みゆき氏が絶賛しているが、それだけのことはあると思う。こんな知識・筆力を持った人がいるのは驚き。夭折が悔やまれる。時間を置いてもう一度読みたい。私のベスト・オブ・SF小説に認定（←勝手に）

大村祐里子 @Holy_Garden

伊藤計劃『虐殺器官』読了。戦争は産業、兵士は全てIDを割り振られ管理される近未来が舞台。メタルギアをプレイした人は入りやすい世界観。凄まじい知識量を持つ人が書いているため、wikipedia無しでは読めない。SF小説なのにフィクションとは思えぬリアルさ…。（つづく）

大村祐里子 @Holy_Garden

伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』読了。首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公が逃げまくる話。ご都合主義？と思う箇所がいくつかあるけれど、それをマイナスに感じさせない物語全体の疾走感は凄い。文章を読んでいる、というより映像を見ている感じ。伏線の張り方、文章構成が素晴らしい。

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桜庭一樹『私の男』読了。父娘の禁忌の物語。感想が「すごく面白い」か「気持ち悪！」の二極に分かれる作品だと思った。自分は前者。私は欠損家族の下で育った男性の”愛情”がどのように女性に向けられるかを知っているから、共感できるところが多かった。この世界を600円で覗けるなんてすごい。

大村祐里子 @Holy_Garden

角田光代『八日目の蝉』読了。愛する男性の子どもを誘拐して、三年半逃亡生活を続けた女と子どもの話。面白すぎて一気に読んだ。自分に重なるところが多々あって何回も泣いた。魂で人間を愛する、ということが少し分かる気がする一冊。女性にはぜひ読んで欲しい。