シンタロールのツイノベ

シンタロールによるツイノベをまとめています
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シンタロール @shintarawl

プールに投げ込まれる塩素剤にちょっと憧れる。シュワッと溶けてく、ラムネ菓子みたいな次亜塩素酸カルシウム。真夏の水槽の底へとゆらゆら射しこむ光を見あげ、あの水色に溶けてしまうなら、悪くない。…って気持ちを表現してみたんだぜー、このカクテル。名づけて「水色革命ッ」! #twnovel

2011-07-14 12:58:08
シンタロール @shintarawl

強風が雨戸を叩く。続いて玄関の扉が乱暴に叩かれる音。遅いぞ、おれの準備はもうバッチリなのに。「お待たせ!台風!いい感じに来てんな!」びしょ濡れの顔には満面の笑みだ、無理もないけど。車に戻るお前を追って、おれも助手席に乗りこんだ。「行くぜ!いざ、露天風呂ッ!」 #twnovel

2011-07-05 23:19:43
シンタロール @shintarawl

「短冊のデジタル化なんて、誰が考えたんかなあ」素っ気ない口調の割には、熱っぽくドームの夜空を見げてる。モザイク状に散らばったカラフルな願いごとの文字列は、まるで花火みたいに点滅していた。「で、願いごとの座標は?」君は照れ臭そうに目をそらす。「そんなの、内緒だ」#twnovel

2011-07-05 22:35:22
シンタロール @shintarawl

突然の大雨はものの数秒で僕らをびしょ濡れにした。笑い声をあげて軒下に駆けこむ。制服のままプールに飛び込んだようなありさまで、わけもなく笑いがとまらない。「なあ、いっそ学校のプールに侵入しちゃわねー?」小さな以心伝心に、胸が躍った。さっさとフェンスを乗り越えたい。#twnovel

2011-07-05 22:13:07
シンタロール @shintarawl

麦わら帽を頭にのっけた君が、鼻歌まじりにホースで水をまき散らす。キラキラした夏の欠片がちいさな虹をつくった。君は白い歯を見せて気化熱の説明をするけど、そんなことはどうだっていい。クラッとめまいがして、おれだって蒸発してやりたいのだ。 #twnovel

2011-07-05 00:30:42
シンタロール @shintarawl

ダウンを終えると、俺等はフィールドの真ん中でゴロンと寝転んだ。「あー、何で陸上部なんかに入っちゃったのかなあ。高校ではサックスを吹いて過ごそうと思ってたのに」「…サックスを吹くって、メタファか?」真面目な表情だった。面倒臭いやつだな。でもまあ、陸上部も悪くないか。#twnovel

2011-07-04 23:57:34
シンタロール @shintarawl

「雨あがりの、濡れた舗装道路のにおい」「わかる!じゃあ…、水も滴る夏野菜の、あの発色」「ベタだけどいいねー。…サンダル履きのつまさき、ちいさな親指の爪」「うへへ、いいっすねー。でもやっぱり夏といえば絶対に…」俺等は青緑の瓶をぶつけ合った。涼しげに鳴る透明な協和音。#twnovel

2011-07-04 22:36:26
シンタロール @shintarawl

二十二歳だという彼女は瓶ビールから口を離すと「若いなあ」と言った。「十九も二十二も変わらないですよ」と返すと、首を横に振って「二十二になってみればわかるよ」とすこし意地悪っぽく笑う。ちぇっ。三年後、僕も無防備な十九歳をつかまえて同じことを言ってやろう。 #twnovel

2011-07-04 01:34:28
シンタロール @shintarawl

夏の夜にあてられてしあわせのかたち、しあわせの在り方についてちょっと熱っぽく語り合った。朝日と高校生のワイシャツが眩しい電車に揺られ、隣のお前は眠そうな目をして、にやけながらこう言った「まあ、カレー食ってるときは、大体しあわせだけどなあ」。俺もそう思う。 #twnovel

2011-07-04 00:32:15
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