【シンエヴァ感想】シンでまさかの大出世をした"彼"こそが庵野秀明、最後の福音「僕はオタクのままでいいんだ!」【ネタバレ】
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この「オタク=子供っぽい趣味、捨てなくてはいけないもの」の象徴として演出されてたのがおそらくテレビ版ケンスケ。 彼のオタク趣味によりトウジとシンジが危機に瀕したり、あるいは一人で「しゅばばばばばばー!」と口にしながらサバゲごっこする「痛いオタク」のイメージだったのでは。
2021-03-15 10:29:08こう見ると新劇でケンスケが大躍進したのも納得で、大人になれない=オタクを辞められないケンスケも庵野秀明の分身の一人であり、かつて「痛いオタク」の象徴として否定しまくる予定だった彼こそが等身大の庵野秀明だったんじゃないのかなと。
2021-03-15 10:31:23シンジはほら、概念というか、庵野秀明が「オタクを辞めるために」願いを込めて作った分身というか、目標とか絵馬とか理想図とかそういうものだったと思うので。 実のところゲンドウにも加持にもなれなかった庵野秀明にしてみれば「そこにいたのか、ケンスケ」ですよ。
2021-03-15 10:41:13シンジ視点ではウォークマンと共に捨て去ろうとした自分の一部。 ゲンドウ視点ではシンジと共に捨て去った筈の自分の一部。 そのどちらもが「庵野秀明のコンプレックスであるオタク趣味」と見ると、結構繋がってくるんですよね。
2021-03-15 10:43:23だから、シンジがQで捨てたウォークマンをエヴァの看板ヒロインたるレイが拾って返し、更にそれがゲンドウの手へと戻るのは「オタク辞めようと思ってエヴァ作ったけどエヴァによってオタク気質は自分の一部と知らしめられた」って事なんじゃないかなーと。
2021-03-15 10:45:42テレビ版から旧劇までは「男は女(母)に育てられるもの」「そして優しい聖母(妻)は選ばれた男の元にしかやってこない」みたいな価値観はあったんだと思う。 トウジは多分「若い頃に憧れてたオタクじゃない自分」だし、そことフラグの立ってたヒカリは「そんな男に相応しい家庭的な女性」。
2021-03-15 10:48:01だから新劇でトウジが「人に言えないようなこともやった。生きるために必死やった」泥臭くて清廉ではない大人の医者になってるのも、その妻のヒカリが聖母として娘や「そっくりさん」を育てたのも、震災後の現実と理想の狭間なのかなぁとか。
2021-03-15 10:50:35旧劇まで含めて「男は女(母)が育てるもの」から完全に抜け出したのがケンスケで、彼は庵野秀明も知らない内に大人になり「オタク趣味を活かしたまま加持のような余裕ある大人になれた」レアケースなんですよ。 多分「現実世界で庵野秀明が辿った道筋をそっくりそのまま歩いた」のがケンスケ。
2021-03-15 10:53:15だから「かつてシンジのイヴとして用意していたアスカ」をケンスケが預かるのも当然で、ここでようやく作品テーマのブレイクスルーである「男が女(娘)を育てる」が発生するわけですよ。 大人になった庵野秀明が「アスカはイヴじゃなかったんだ」と気付いた上での新劇ラスト。
2021-03-15 10:55:31だからエントリープラグ状態のアスカがケンスケの家の近くに行ったのも、おそらくかつてのシンジとレイ、もしくはゲンドウのように手に大火傷を負いながらも「笑えば良いと思うよ」が行われる余地を残してるんですね。
2021-03-15 11:05:35ケンスケが加持Jr.と繋がりがあるのも、庵野秀明が描いていた「かつての理想の大人の男像」をケンスケが無理なく継承する事が出来たので、理想と現実の橋渡しとしてケンスケを採用したと考えると、個人的にはとてもスッキリする。 ケンスケがシンで重要ポジション過ぎる。
2021-03-15 11:07:52だからシンジをアダムに見立ててレイ=リリス、イヴ=アスカにして失楽園と人類誕生を聖書に擬えつつ、そこには 庵野秀明の脱オタク物語 が込められてたと考えるとかなり旧劇もわかりやすくなるんですね。
2021-03-15 11:12:20オタクの庵野くん→碇シンジ 庵野くんをオタクにした原罪→ユイ、レイ オタクの罪を償わないまま仮初の大人になった庵野くん→ゲンドウ オタクの罪を犯さず大人になれた庵野くん→加持さん 庵野くんのオタク趣味を破壊して大人にしてくれる現実的な母→アスカ 的な構想があった気がする。
2021-03-15 11:12:37都合の良い女は母ではなく妹だから、ダメなオタク男の庵野くんをちゃんと「大人」にしてくれるのは、厳しいことを言ってオタク否定してくれるアスカだと多分本気で信じてたんですよ、当時の庵野秀明。
2021-03-15 11:14:39マリの名前が明らかに聖母マリア(もしくはマグダラのマリア)由来なのも、シンジに必要なのは「オタク趣味を否定しない母親だった」という意味でのシンジくんに優しくなった世界改変が「アスカを預かって宥める」マリの大きな役割なんですな。 アスカは庵野秀明の自罰思考の擬人化なので。
2021-03-15 11:59:48これ多分、エヴァに乗る事、エヴァを制御する事=クリエイターとして無心になりオタク趣味を暴走させない事…みたいなイメージはあるんじゃないかな。 ユイ(オタク趣味の原罪)が暴走すると中にいるシンジ(庵野の脱オタク決意)が溶ける。
2021-03-15 12:01:24マリが新劇でずっとシンジの視界の外に居たのは当然で、これって庵野秀明が妻安野モヨコと出会った自叙伝みたいな面もあるので クリエイターとしての共闘(エヴァ搭乗者)として、別々に生きてきた現実も示すのかなと。
2021-03-15 12:03:45どうもテレビ版や旧劇の加持やゲンドウ見てると「大人の男とは女にモテる生き物」「オタク趣味持ってる男(ゲンドウ)は女を幸せに出来ない」みたいな思い込みは見られるんだよな… ゲンドウが初号機にのめり込むのも二次元にのめり込むオタクの比喩だろとか。
2021-03-15 12:05:31ゲンドウの旧姓が六分儀なのとか、碇=錨とか、もしも「加持=理想の大人」だったら舵→鍛治輪→円環で 中途半端な扇形の錨父子が円環の舵になる みたいなイメージだったんじゃないかなぁと。 pic.twitter.com/kz5jr7wKaO
2021-03-15 12:09:43てか「加持リョウジ」って『舵良児』じゃん…オタク趣味に引っ張られず自制心ある大人で「錨新児」の進化ツリーの最終形じゃん… 旧劇ではただのミサトにダラシないおっさんと、オタクを脱せない子供になってバッドエンドだったけど…
2021-03-15 13:32:11確かにシンジが加持ミームを踏襲した「大人の男」になれてればアスカを惹きつけるに相応しい男にはなれてた筈だったんだよな。 結果的にそれは「大人になった庵野秀明」によって「あ、違うわ」となったみたいだけど。
2021-03-15 13:33:31鈴原トウジも(トウの変換はわからんが)地に根を下ろす男児って事で、相田ケンスケは「間ケンスケ」で海と陸の狭間から抜け出せない子供だったんだな。 エヴァの登場人物達が船に関する名前だったのも海=羊水で子供を脱せない大人達の比喩だったんか。
2021-03-15 13:35:11庵野秀明はミリオタとウルトラマンオタだから、ミリオタ設定を付けられたケンスケが庵野の無意識の分身になってしまうのは仕方のない事なんだよな。 新劇の結末はシンジとは別ルートで大人になった庵野とかつてのマドンナ(アスカ)との時間差ゴールインですよ。
2021-03-15 13:39:45新劇ラストでスーツ着てる社会人っぽいシンジが走り出すの、これ世相とタイミング的には宮崎勤の事件を受けての進路に悩んだ背景とかあるんじゃないの。
2021-03-15 13:41:08