「地理学と哲学は諸科学の母」という言葉は誰が言い始めたのか?
- Naga_Kyoto
- 6441
- 27
- 1
- 4
「地理学と哲学は諸科学の母」の初出を追っているのだけど、ご存じでしょうか?海外のようですが原典まで行き着けていません。 ■国内 ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0… hosei.ac.jp/bungaku/gakka/… blog.livedoor.jp/naga_taro/arch… honz.jp/articles/-/433… voicy.jp/channel/803/84… ■海外 opengeography.org/ch-1-intro-to-…
2020-12-21 20:25:14@Kohsuke_Hada そういえば誰の言葉でしょう?とりあえずネットで古いところでは、1923年にアメリカ地理学会の会長Harlan.H.Barrowsが「諸科学の母としての地理学」を含む内容の会長演説を行っています。 jstor.org/stable/2560816…
2020-12-21 23:41:56@ktgis 谷先生 情報ありがとうございます。1950年代後半からの計量革命よりもかなり前に発言されていたのは意外です。
2020-12-22 07:02:08@Kohsuke_Hada @ktgis ドイツ語で「Geographie ist die Mutter der Wissenschaften!」(地理学は諸学の母)というネット上の表現があり、いくつかは出典を「Immanuel Kant」(カント)としていました。しかしどのサイトも書誌情報は挙げておらず、「古い地図は行基が作った」みたいな感じなのでしょうか……興味深いです。
2020-12-30 17:10:32@chiri_b_geo @ktgis おお!ありがとうございます。18世紀のドイツ哲学にまで遡るんですね。 実は行基図は行基自身が作った訳ではない、みたいな誤解がなければいいのですが、いただいたヒントで自分も調べてみます(ドイツ語、、、)。
2020-12-30 18:29:01@chiri_b_geo @Kohsuke_Hada ドイツではカントの言葉とされているんですか。カントの『自然地理学』に出てくる言葉なら、日本でも「地理学は諸学の母(カント)」と引用されると思うのでどうなんでしょう。とりあえずカント的な?
2020-12-30 20:28:24@ktgis @Kohsuke_Hada 私も出典を探すことはできず、おそらく「とりあえずカント」みたいな感じかと思っていました。ドイツでのカントの位置付けも気になります。例えばギムナジウムのホームページで文頭に格言のように記されています。(例)rueckert-gymnasium.de/angebot/faeche…
2021-01-01 21:32:24@chiri_b_geo @ktgis この論文の引用をによるとドイツの『哲学歴史全集』的な書籍に記述されているようですね。 edoc.ub.uni-muenchen.de/19298/1/Schoen… de.wikipedia.org/wiki/Historisc… akg-traunstein.de/index.php/serv…
2021-01-02 14:18:48@Kohsuke_Hada @ktgis ありがとうございます。これは哲学史の辞典のような書籍でしょうか。そうするとそこにさらに出典があるのか、あるいは明確な文献での出典がなくてこのような書籍が参照元になっているのかもしれません。いつか図書館で文献にあたりたいと思います。
2021-01-02 19:43:00@Kohsuke_Hada @ktgis カントはある程度調べましたが「諸学の母」のような表現は今のところ見つかりません。その代わりMarcham, C. M. 1898「The Field of Geography」(Geographical Journal, 11-1, 1-15)を見つけました。19世紀後半~20世紀前半でこの表現が流行していたのかもしれません。jstor.org/stable/pdf/177…
2021-01-09 23:17:50@Kohsuke_Hada @ktgis カントの地理学への見解、人間学と自然地理学の2つを世界認識の基礎としたこと(カント著,宮島光志訳『自然地理学』,p.16)、「健全な人間悟性(良識)を研ぎ澄ますには地理学がまさに何よりも打ってつけ・・・」(同上,p.25)のような認識を見ると、地理学を大切にしていたのは事実のようです。
2021-01-09 23:36:44@chiri_b_geo @ktgis 続編ありがとうございます。カントは哲学者として有名ですが、地理学者の教鞭もとってたんですね。質問の発端は地理を学ぶ意義を説明するためだったのですが、どう着地させようか悩みます。
2021-01-09 23:48:02@Kohsuke_Hada @ktgis 地理を学ぶ意義は、私は、世界を理解するための空間的な考え方(地域的差異やスケール、空間と場所)を身につけること、実際に具体的な世界を自分で調べて知ることだと思っています。GISの重要性は高まっていますし、その魅力は実際に関わっておられる方だからこそ伝えられる内容があると思います。
2021-01-09 23:56:05@Kohsuke_Hada @ktgis 「地理学は諸学の母」に似た表現を探す中で、「諸科学の方法の十字路に位置する一つの総合科学」(ピエール・ジョルジュ著、野田早苗訳 1975『地理学の方法』,原書は1970年発行)という表現を見つけて、こちらなら現代の説明でも当てはまるように感じて気に入りました。長々と失礼しました。
2021-01-10 00:04:49「地理Bの旅」さんによるまとめ記事
地理学の位置づけについて、文献をたどって考えました。文献の調べ方の説明も少し書いていますので、参考になれば嬉しいです。210110 「諸科学の母からプラットフォームへ:地理学の位置づけを考える」|地理Bの旅 #地理 #地理学 #地理学は諸科学の母 #note note.com/chiri_b_geo/n/…
2021-01-10 21:58:11概要として、日本語では1960年代以降を見る限り地理学の文献や論文で「諸科学の母」のような表現があり、英語では「mother of science」の表現が19世紀後半から20世紀前半にかけてたくさんあることが分かりました。諸科学の分化以降もプラットフォームの役割を果たすことができると考えています。
2021-01-10 22:08:21今回の調べもののきっかけをくださった羽田さん@Kohsuke_Hada、谷謙二先生@ktgisに感謝申し上げます。ありがとうございました。また地理学の位置づけに関しては継続して学んでいきたいと思います。
2021-01-10 22:10:20@chiri_b_geo @Kohsuke_Hada 私も調べていて、内村鑑三が1897年の『地人論』で「地理学は実に諸学の基なり」と書いてあるのを見つけました。平頂海山のギョーとも関連しているみたいですね 国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… CiNii 論文 - 地人論の系譜--A.Guyotと内村鑑三ci.nii.ac.jp/naid/120002600… #CiNii
2021-01-10 22:26:18@ktgis @Kohsuke_Hada ありがとうございます!日本の地理学の初期の文献についてほとんど読んだことがないので、さらに勉強してみます。
2021-01-10 23:03:19